杏は彼も子どもも両方受け入れたけど、彼は子どもができた杏を上手く受け入れられなかった。部活、勉強、恋愛。その延長だったはずなのに、という悠斗の気持ちが杏視点なのにありありと伝わってきました。14歳で大人っぽい、でも大人じゃない。変化がおきた杏と違って、彼には子どもができたと訴えてくる杏の存在以外は何も変わらない。作中ではお母さんが突き放さず杏と話してくれたことにとても救われました。
保健の授業は茶化して聞く生徒が多いと思います。今すぐ学校の性教育を変えるのは無理かもしれません。大人になっても、上手く説明できるかといわれたら難しい。だからせめてこの小説を読んだ人が、形だけじゃない心の性教育を学ぼうと思ってほしいです。
加筆された3月の「死んじゃったのは、私じゃなかった」にこみ上げてくるものがありました。
登録:2021/7/13 20:17
更新:2021/7/23 17:15