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@オノログ

タイムリープ青春SF。こういう夏が過ごしたいなぁ…

5.0
1

タイムリープSFと青春・恋愛って相性よすぎですね。しかも季節は夏。


このフォーマリズムは「時かけ」以来長く愛されてきたもののひとつだと思いますが、この作品はそのど真ん中を突いて、ぎゅうぎゅう胸を締め付けてきます。


物語は、主人公の智也が2年前に亡くした彼女「藤堂栞」とそっくりの「柚木栞」に出会うところからスタート。この時点ですでに甘ずっぱい感満載なのですが、舞台は藤堂栞が亡くなる前の世界にタイプスリップ。当然、彼が取った行動は、彼女の死を避けたいわけなのだが、当の栞のほうも記憶と違う行動ばかり。


はっとする夏の描写や、鍵となる小物の使い方。運命に翻弄される2人の切ない心理も直接的に描かないで行動から匂わせたりと、上手いです。


後半からは息を呑む展開で、ほんと読ませられました。ほとんど忘れかけていた頃に「あ! この人!」という展開もうなりました。時間の異なる平行世界ができるので頭がこんがらがりましたが、タイムリープものなのであまりそこは考えても仕方ない感じですね。辻褄はあってます。


智也の行動と成長、2人の「栞」の想いも、くぅうと最高に惹かれるものがありました。

嶌田あき

登録:2021/7/14 09:23

更新:2021/7/23 17:15

こちらは嶌田あきさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。