軽快でポップなギャグテイストの、ほのぼのファンタジー作品。
コミカルなのにほろりとくる展開もあります。
全10話(約1.5万字)の短いお話の中で、勇者たちの面白さ・頼もしさが十二分に見られます。
個性的で仲間思いな彼らの旅路を、もっともっと見たいと思った作品でした。
◆
優しい勇者。
脳筋な魔法使い。
たたかえない武闘家。
薬草でサポートする僧侶。
そして小さくもふっとした魔物、フロイ。
彼らは魔王を倒すための旅路にいました。
物語は『ゆうちゃ』の寝首をかこうとするフロイの視点で進みます。
フロイは心の中ではとても饒舌なのに、いざ声を出すと『舌足らず』な話し方になってしまいます。
そのギャップがたまらなく可愛らしいのです。
ボケの揃った勇者たちに対するフロイの心の中のツッコミや、コミュニケーションが取れているようで取れていないアンバランスさが面白くて好きです。
読んでいる最中、私はずっと「フロイが可愛い……フロイが可愛い……」としか言えない物体になりました。
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『だれかのために勇気をだせる者は、みんな勇者なんだよ』
勇者が祖父から言われたこの言葉を、彼はそのままフロイにも伝えます。
そのシーンがとても印象的で、弱い魔物のフロイは決して弱虫ではないのだと涙腺が緩みました。
はたして勇者は魔王を倒すことができるのでしょうか。
登録:2021/7/16 20:47
更新:2021/7/23 17:15