本作は一言で言えば、人狼の女性の恋物語である。そして、この物語の最大の特徴はこの「人狼」という設定がうまくストーリーに組み込まれているところだ。
主人公のレティリエが住むのは人狼の村。もちろん彼女も人狼である。しかし、彼女は狼になれない。なれないとどうなるか。結婚ができないのだ。現実でもそうだが、狼というのは実力主義の社会を構築する。弱い者は相手が見つからずに一生を終えることもある。当然狼になれないなど、論外だ。彼女は多くの村人から蔑まれる。さらに、彼女が恋しているのは、村で一番強い狼なのだ。彼女が彼と結ばれるのは、夢のまた夢……に思われる。
しかし、彼女は物語が進むにつれて、己の強さを徐々に村人に知らしめていく。狼になれない彼女がどうやって強い女であることを周りに認めてもらうのか。それは本編を読んでのお楽しみ。
みなさんもぜひ、主人公レティリエの奮闘をご覧あれ。
登録:2021/7/17 21:58
更新:2021/7/23 17:15