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奈落の神の福音【3月31日 消去予定】

主人公が一番普通? いえいえ、彼女の過去に間違いなく度肝を抜かれるはず!

 今より少し未来の日本。  巨大な船上に作られた実験都市オルカで、新人の監察官、百目鬼 由佳は探偵業を営む呪術師と出会う——。  全体としては非常に緻密で硬質な文章でシリアスなシーンが語られているはずなのに、随所で飛び出す絶妙な言葉の組み合わせと登場人物たちの突飛な台詞回しで、気がつけば思わず爆笑してしまうという不思議な作品です。  呪術を使って事件解決をサポートする探偵をはじめ、登場人物たちは語り手の由佳を含めて、(本当にびっくりするほど!)圧倒的な個性を秘めています。  前半はどちらかというと軽妙な語り口で笑いを誘われ、テンポよく展開する物語に引き込まれますが、だんだんと江破の素性に関わる部分が明らかになってくることで、否応なしにその運命に巻き込まれていく仲間たち。  それだけでなく、登場人物一人ひとりの抱える心の闇というか——縺れた人と人との関係性が丁寧に描かれています。  ともすれば、読んでいるこちらの胸にまで重くのしかかりそうなそれを、けれでも、彼らはお互いにほどよい距離でそれを時に見守り、時に支えることで、重苦しくなりすぎず、暖かな希望をまだ感じさせてくれます。  後半からは、いよいよ姿を明確にした邪悪な敵との戦いが始まり、江破さんの軽やかさは変わらないものの、次第に緊迫感が高まっていき、そして、映画のようなクライマックスへ。 ラストは、ああ……と思わず声が出てしまいました。これしかない、という見事なエンディングだったと思います。  何を書いてもネタバレになってしまうのですが、最後まで本当にわくわくどきどきできる作品でした。ぜひ、結末まで皆さんに読んでいただきたいおすすめ作品です。

5.0
0
橘 紀里

キメラの島

大人へ変化する時の心の震えをとらえた見事なハイファンタジー

大人向けハイファンタジーとして緻密かつミステリアスに作られ、且つ年頃の少年(少女)が大人へと変化していく時の心の震えを、そのファンタジーの中で見事にとらえた作品でした。 大人へと変わっていく自身の体の変化や、自分が何者なのかという疑問を模索しようとし始める心。 そういったものが淡々とした語りの中で鮮明に輝いています。 また、ファンタジー設定そのものが、そういった変化と密接に関わるように作られていてたいへん面白いです。 「自分の正体」が物語の謎そのものでもあるため、オムホロスとルー(ケセオデール)がそれぞれの戦いや旅を通して答えに近づいていく様にはぞくぞくとするものがあり、読めば読むほど目が離せなくなっていきます。 ゴドウとの間に生まれた愛情と同情によるやりきれない関係。 自身が何者であるかという疑問がそのまま大きな謎に繋がっていく様。 同類である師と殺しあわなくてはならないという恐ろしい宿命。 様々なものがたいへんな迫力と魅力を持っています。 また、節々に見られる心の変化や気づきの繊細さにもとても感銘を受けました。 特に、疎ましく思っていた夫の包容力にルーが初めて気がつくところだとか、自らが愛おしい女性と対峙したことで自分を愛おしんだ男たちの心を悟るところだとか、そういった部分はとても心に残ります。 旅の途中で出会う人々も、それぞれにきちんと背景があることが感じられました。 そのおかげで、作品世界がとても豊かになっています。 メインキャラクターだけの物語ではなく、彼らは世界の一部であり、作品世界はもっと大きいのだと感じることができるのです。 描写や文章も素晴らしいです。 五感に訴えかける文章のために、映像や雰囲気が見事に立ち上がってきました。 とても優れていて、面白く、心に刺さるものもあるファンタジー作品で、読めて良かったと心から感じました。

5.0
0
ぞーいー

一匹狼は群れたがる

微妙な異能持ちの彼女と大型ワンコな彼の硬派で甘い近未来ファンタジー

 超能力が普遍的に確認されるようになり、ランク付され、管理されるようになった時代。 「自身テレポート一メートル、念動力推定二キログラム、Cランク」  という微妙な超能力を持つことで、店舗への入店を制限されるなど不自由はあるものの、高校生としてのんびりと過ごす清楓は、ある日、ひょんなことからその能力を使って大型犬のような青年を拾ってしまったことから、やがて厄介な事件に巻き込まれ——。  緻密に作り込まれた超能力が存在するという世界観と、それを描き出す硬質な描写でまず惹き込まれ、さらに、主人公の清楓(さやか)ちゃんが狡くどこかアンバランスな大人の窪崎に惹かれていく様子がなんとも甘酸っぱいのです……!  清楓はそれでも受け身で待ち続けるわけではなく、時には自分の能力と創意工夫で危機を乗り越え、大切な人のためには自らの危険も顧みない強さを発揮します。次第に窪崎も、そして事件を通して関わった富沢さえも惹きつけられていき……。  彼女の持つ能力、暗い過去と親友との関わり、秘められた祖父の思いなど、複雑に絡みもつれた人間関係の糸が、やがて彼女と窪崎さんの想いで切り開かれていくラストは本当にああよかったー! と幸せな気持ちになれる見事な大団円でした。  おすすめです!

5.0
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橘 紀里

Bad luck + Jump off

「凶運」の冒険者と空から降ってきた若者の王道バディxファンタジー

 どんな相手と組んでもなぜか不運に見舞われる冒険者ジャスレイと、空から降ってきた謎の若者(ツッコミ属性)のロードムービーを思わせる冒険ファンタジー。  沈着冷静かつ用意周到で実は有能なのに、でも隙があって完璧からは程遠い、けど優しくて面倒見の良いお人好し——そんな愛すべきおっさん(失礼)と、何を見ても感動しつつ、ジャスレイのすっとぼけた行動にしっかりツッコミを入れてくれる青年トールのかけあいが軽妙で楽しいです。  かと思いきや、巨人族風かつ時に冷酷、という従来ではなかなか見ないエルフの設定から、とある秘密の武器を巡る冒険につながっていくなど物語のバックグラウンドもしっかり練りこまれています。  そして、時折見せるトールの暗い陰の描写、それでもそれをひょいっと大きな器で受け止めてしまうジャスレイの優しさに思わず震えてしまいました。  メインの二人だけでなく、エルフに仕える秘密の多そうな女の子や、敵対する怪しげな人々など、それでもどこか憎めないキャラクターたちが脇を彩り、戦闘シーンもジャス本人は「姑息」などと評しますが、有限の能力を創意工夫で補うその様が実に楽しいです。  Web小説らしくない、ぎゅうぎゅうに詰まった、世界が目の前に浮かび上がるような描写も魅力。王道ファンタジー好きな方にイチオシの一作です!

5.0
1
橘 紀里

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カクヨムファンタジー連載:98話完結

林檎と甜橙、女奴隷とその主人

まだ転がり続けるの? 意外な展開でぐんぐん読まされる

異世界からきた、とある男性の面倒をみることになったレティクラタ。彼の世話のため女奴隷を買うことにした。  …という感じで始まるこの作品。導入部は男性との恋愛もの?と思っていたのですが、話は思わぬほうへ転がり続けます。最後まで!  長短にこだわらないエピソードの区切り方や、直接的な表現をすることなく関係の変化を匂わせる描写など。いろんな箇所に効いている技やシリアスとコメディの緩急も見事で飽きさせず、どんどん読めてしまいます。 本当に面白かった。  設定もしっかり練られているようで、この先のエピソードや登場人物たちの細かい背景まで気になってしまう魅力的なストーリー。  軽い読み口が好みの方、少し深めの考察が好きな方、どちらにも楽しめる作品です。ぜひいろんな方に読んでみてもらいたい。おすすめです!

小説家になろうコメディ短編完結

俺がパーティーから追放したひよこ鑑定士が、SSSランクになって復讐しにくるらしい

アイデアは面白い。

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小説家になろうヒューマンドラマ連載:88話完結

目的は生き延びること

展開は重めだが、『物語』として面白くて一気に読み終えた。 最終的にヒロインに想いを寄せる相手が、半分血のつながりのある義弟と、そうとは意図しないままヒロインを追い込んで、心と体に傷を負わせる原因を作った婚約者の王子の2人なのが、ああーーー……という気持ちに。 恋愛ものではないので、二人とヒロインがどうなるかは描写されないまま終わるが、個人的には義弟派。