恋愛ジャンルになっているが、他者の恋愛に絡んだことを仕事としている物語でヒーローとヒロインの間に恋愛は始まっていない(今後もしかしたら始まるかもしれない? というような匂わせ雰囲気で終わっている)ので、ジャンルタグつけが間違ってる訳ではないが求めていたものとは違う……という複雑な読了感だった。 物語自体はさくさくとテンポよく読めて悪くなかったので、恋愛ではなくファンタジータグであれば気持ちすっきり終えられたのになあ……と思った。
心理描写の表現が独特で面白く、サラッと読める。 「理性を焼死体にする」「英雄の復活(理性が)」が特に好き。 どこまでもブレない狂犬隊長と苦労人の副隊長の関係性が良い。
裏切られたお嬢様による「○○?もうないわ。〜恋人?最初からどこにもいなかったわ」の一連の台詞が絶望の表現としてとても好み。 自己肯定感を奪われた転生後のお嬢様の主観である地の文は、序盤は特に暗くて重いです。この地の文の重さが私は好きですが、好みが分かれるかもしれないです。 お嬢様の自己評価と他者からの評価は天地ほどの差があるので、ある意味信用できない語り手とも言えますね。