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評価:5

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可愛い顔でも侮れない

意外な展開が待ち受けており、人の人生は干渉し合っているということを改めて考えさせられる物語。

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 他人に触ることができない自分からすると、よく他人のケツなど触ることができるな、と痴漢に対し思ってしまう。良いこと悪いことの前に、他人のものと自分のものの区別が出来ていないのでは? とも思う。他人の身体は他人のものである。痴漢に対し憤りを感じるが、この少女は勇気があるなと思う。痴漢は許せないが、声を上げるのは勇気が要ることだ。さて、どんな正論で論破したのだろうか? とても気になる内容だ。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 主人公が電車の中でため息をついていると、姉からメッセージが送られてくるところから始まっていく。その後、何故姉のお使いをしなければならなくなったのかの経緯について明かされていく。そこには断れない事情があったのである。 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・この物語には主人公だけではなく、間接的にかかわった人物のストーリーがプラスされている。世間は狭いものだ。 ・主人公が単に痴漢にあって……というストーリーではなく、意外な展開が待っている。 ・すっきりする物語である。 ・サイドストーリーの繋がり方が面白い。 ・確かに痴漢に限らず犯罪は自分だけの問題ではない。相手だけではなく家族や友人、会社などに迷惑をかけ、人生を台無しにするものである。理性は大切だなと感じる。 4 自分が主人公の立場だったら ここまで果敢に立ち向かうのは難しいと思う。だからこそ性犯罪はなくならないとも思うのだが。 5 物語のその先を想像して 人の人生は交差点のように交差しており、干渉し合っていると感じる。ここを起点としていろんな人の人生に影響を与えているのではないだろうか? 新たなるサイドストーリーが展開されているかもしれないなと感じた。

5.0
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crazy's7

カッコーの巣を食らえ

かなり強火の苦境にもめげず立ち向かう少年の姿

 壮絶ないじめに遭っていた幼馴染みの女の子を見捨ててしまった少年が、勇気を振り絞って己の過ちを取り返すお話。  オカルトもののホラーです。まつろわぬ〝あちら側〟の存在が出てきて、いろいろ人の世に仇なすそれを、どうにかしようと普通の人が頑張るお話。ただなにより印象深いのはそのハードコアさというか、彼らに立ちはだかる苦難のあまりの壮絶さです。  もちろん怪異の存在そのものやその引き起こす惨禍については言うまでもなく、それらに限らない日常の部分さえも、っていうかだってもう冒頭の意味段落からして「いじめに対する復讐のシーン」なんですからまったく容赦がないです。開始早々顔を切りつけられてのたうつ女生徒を、『床の上で虫みたいに手足を暴れさせている』とさらっと虫けらに例えてしまう、この文章の毛羽立つような重たい黒さ。総じてどこか暴力的というか、漂う不吉さや不気味さにいつも危険な雰囲気の伴う、この火力の高い恐怖感がたまらないお話でした。  普通の少年ひとりに負わせるにはあまりに強すぎる苦難、どう見ても玄人向けの難度設定を、でも臆することなく前へ前へと進んでいく主人公。その動機すら過去の過ちに対する贖罪だったりするので本当に筋金入りです。怪異の不気味さや恐怖感ももちろんあるのですが、それ以上に『そこに立ち向かう主人公』の姿が強く胸を打つ、ひとりの少年の青春と冒険の物語でした。

5.0
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和田島イサキ

ミズチの嫁入り

蛇神様のお嫁さん体験記

 蛇の神様に生贄を差し出すことで成り立っている村の、とある若い新婚夫婦のお話。  いろいろしんどいお話です。全体を通じて重苦しいというかやるせないというか、そこかしこに形のない悪意のようなものが漂っているような感覚。いや誰も悪くないっちゃ悪くないんですけど、でも見ようによっては全員が全員それなりにふんわり嫌というか、もう「いやわかるけどさあ、でもさあ」みたいなところが少なからずあったりもして(ミツだけはそうでもないかも)、つまりどこにも肩入れしようのないなんだか宙ぶらりんの居心地の悪さを感じつつ読み進めた先、容赦なく襲い来るただただ強い結末。「いや嘘でしょちょっと」と「まあうっすらそんな気はしてたけど!」の中間のような、あるいはそのどちらも微妙にニュアンスが違うような、ただただ情操をガチャガチャに引っ掻き回されたかのような感覚。  やられました。なにがどう、と言われると非常に言葉に困るのですが、でもなんだか心を焼け野原にされたかのようなこの読後感。謎の納得感みたいなものまであったりして、とにかくエネルギーの濃度の高いお話でした。いや本当になにがどういう形で刺さっているんだろう……膝に来る一発をもらったのは間違いないのですが、でも見えないところからのパンチだったのでなにも言えないというか、ただ「すごいよ! 読めばわかる!」くらいのことしか言えないのが情けないです。  なんというか、いろいろ理不尽というか本当にどうにもならない感じの展開なのですが、でも現実って往々にしてこんな感じだったりするのがまた切ないです。ついついあれこれと理由を探してしまいたくなる、無常感溢れる作品でした。

5.0
0
和田島イサキ

【恋を知らない『わたし』と愚かで愛しい人間たち】

恋を知らない不思議生物の独白

 人のふりをして巷間に紛れる『同期体』という生き物と、その観察したとあるひと組の男女のお話。  あるいは、男女それぞれ二名ずつの仲良し四人組の青春群像劇。ただそのうちの男女各一名ずつが『同期体』で、お互いに意識を共有する関係——というか実質『わたし』というひとつの意思の支配下にあるいわば端末みたいなもので、つまり個々の肉体を超越したところに個体としての自我があるため、世に言う『恋』を知ることがない、と、いまいち上手く要約できませんがだいたいそのような物語です。  お話はすべてこの『同期体』=『わたし』の視点を通じて描かれていて、つまりは四人組のうちの残り二名に関わりながらその様子を観察するような形でお話は進んでいくのですが、この『わたし』の独白というか思考というか、考えの変遷していく様がとても魅力的です。  この同期体さん、要はSFやファンタジー的なすごい生き物というか、少なくとも個体としての人間よりは優秀で、なおかつそれを自覚しながら人の世に紛れる立場にあるのですが。そのおかげかどこか神の視座にも似た冷徹な話しぶりの、その確かな説得力とはまるで裏腹のこの情操の芽生え。いや裏腹というのもおかしいのですけど、でも大雑把な言い方ではある種のギャップのような、もう少し丁寧に言うなら『人とは全く違う種の中に生まれた人らしい感情』であるからこその美しさというか、とにかくくっきりと浮き彫りにされた何かの、その厚みのようなものを感じました。  いや実際、序盤なんかはゾッとするところもあるというか、おそらくは人類と敵対的な関係にあるはずの存在なんですよ。人知れず人の世に紛れる異種の生命体。本来相入れないはずの存在が、でもまっすぐな青春の風景を通じて、我々と同じ何かを共有してしまう光景。どこか危うさのようなものを孕みながらも、それでもこの結末と同じ風景が続くことを信じさせてくれる、優しくも力強い作品でした。

5.0
0
和田島イサキ

私は壁になりたい

真面目に読むと実は結構詰んでる(※真面目に読むものではない)

 進路希望調査票に「壁」と書いてきた女子生徒との、一対一の進路相談に挑む女教師のお話。  テンポよく切れ味のあるコメディです。場面固定かつ一対一の掛け合いという形式で、特に語り口の起伏や言い回しの妙で引っ張っていく内容となっており、つまりはショートコントのような軽妙な掛け合いの妙味を、小説という形式の上に再現しているところが魅力的です。  普通にコメディとして楽しく読んでいたのですが、でもこれ真面目に読むと実はものすごい勢いで詰んでいるのでは、というところもなんだか愉快でした。真摯に生徒のことを思ういい教師ではあるのだけれど、でも生徒自身の自主性を尊重しすぎた結果明らかに悲劇を助長している先生。そして想像以上にどうしようもなかった『壁』の正体。一切の遠慮なく一方的に垂れ流される欲望のおぞましさに、自身に向けられた暴力性すら跳ね除けようとしない先生の健気さ(あるいはヘタレっぷり)。読み終える頃にはなんだかDVによる共依存にも似た関係性が成立しつつあるようにすら読めて、いやもしかしてこの人らある意味相性ぴったりなのではと、そうごまかしてはみたものの結構身につまされる部分もありました。人の振り見てなんとやら。  単純に個々の掛け合いそのものも面白いのですけど、でもこうして見ると「いやいや結構な惨事ですけど?」と、そんな状況をでもサラリと飲み込んでしまえる彼女らのタフさにも笑えてしまう、つまりはしっかりキャラクターの魅力をも見せてくれる素敵な作品でした。

5.0
1
和田島イサキ

本当に付き合っちゃおうか

結びのこのしてやられた感

 絵に描いたようなお嬢様学校に編入してきた主人公と、そこで高嶺の花やってる『菫の君』とが偽装恋人として過ごす日常のお話。  百合です。それも教科書に載っていそうな清く正しく甘い正統派百合。約3,000文字という非常にコンパクトな分量の中で、きっちり人物と環境とその文化と空気感とそれぞれの間に漂う微妙な機微のようなものを過不足なく書いて、その上で最後のとどめの一行をビシッと〝書かずに〟締めるという、技巧だけで精巧に組み上げられた飴細工のような作品でした。原材料が完全に砂糖のみなのにどうしてこんなに味わいに奥深さがあるの、みたいな。  なにがすごいってやっぱり最後の一撃(しかも致死性の空砲)なんですけど、普通に「書かれなかった一文」が結びの役割を果たすってだけでも十分技巧派なのに、それがタイトルの時点で思いっきりネタバレしてるというのはさすがに異常事態にも程があると思います。冒頭読んだ時点でこの終わり方するってほぼ百%予想できてしまうのに、そしてまんまとその通りになっているのに、この満足感はいったいどういうこと? 世の中には不思議な魔法を使う人がいるなあと思いました。いや本当に魔法ですよこれ。いわゆる「わかっているのに躱せない」タイプのオチってありますけど、これはもはやそんな次元ではない……(亜種というか、その一種ではあるにせよ)。  総じてテクニカルなものを多分に感じる、さりげない小憎さのようなものが嬉しい作品なわけですが、でもそういうの全然意識しなくても普通に甘いお話だと思いますので、肩の力を抜いてゆったり読むとよいと思います。個人的にはふたりのやり取りの、信頼感のある聡さ賢さの中に、ちらちら顔を出す初々しさやたどたどしさのようなものに悶えさせられました。ただ強いばかりでなくただ不器用なわけでもないこの絶妙なさじ加減な! 好き!

5.0
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和田島イサキ

白紙の妖怪

何者にでもなれる人、これから何者かになっていく人の「私」

 成長の途上にある思春期の少女と、自己を持たない不思議な妖怪のお話。  素敵なお話でした。ジャンルは現代ファンタジーですが結構ホラー風の味付けです。ドッペルゲンガーにも似た『カタナシ』という名の妖怪。不幸にもそれに出会い、また付け狙われることになってしまった主人公の、日常が侵食されていくかのような恐怖と苦悩。じわじわと迫る嫌な予感にハラハラしながら読み進めて、そして辿り着いた予想外の結末。ネタバレになるので触れられないのが残念ですが、この終盤の展開が本当に最高でした。  というわけで結末までは書きませんが、以下はややネタバレになります。  書かれていることというか訴えかけてくるものというか、いわゆる主題の部分が本当にストレートなのが好きです。爽やかな青春年代の日常と、その爽やかさと表裏一体の不安感。ともすればキラキラした明るいイメージばかりをもって語られがちな少年少女の『未来』は、でも当事者の視点から見たなら未踏の大地に一歩を踏み出すようなもので、つまり無限の可能性はそのまま先の見えない恐怖でもあるという、その成長期ならではの不安をそのまま体現したかのような設定。まだ何者にでもなれて、そしてこれから何者かになってゆく最中の主人公・真白は、真っ白いノートに期待を見出すほどには未来に対して前向きで、しかし同時に『私』というものを捉え切れずにいる。『私』を奪いにくる『カタナシ』の存在は、そのまま今現在の『私』というものがいかに不安定であるかを証明しているようなもので、つまり〝何者にもなれる〟ということは同時に〝何者でもない〟ということ、そう考えたならすなわち『カタナシ』とは——と、十代の頃に感じたあれやこれや、前向きな気持ちも重苦しい不安も含めて、そのすべてをそっくり具現化したような舞台装置が本当に綺麗でした。いや綺麗というかなんというか、ピタッとはまる感じが本当に好き。  懐かしくもみずみずしい感覚をうまく切り取った、真っ直ぐな青春物語でした。

5.0
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和田島イサキ

二人の医師

いろいろやりきれない

 16世紀と紀元前3、4世紀ごろの、それぞれ別のふたりのお医者さんの、少し似た内容の裁判のお話。  不勉強なものでわかりませんがおそらくは史実、例えば最終話『その後』に書かれた内容はどこかで小耳に挟んだ記憶があって、したがって主軸のふたりについてもそうではないかと思ったのですが、まあ仮に史実でなかったとしても「こういうの絶対あったよね」と思わせる時点でもう事実上の事実(ひどい表現)で、それだけに本当やりきれないお話です。  こういう過去は確かに存在して、それもそう簡単になにがいけない・誰が悪いと割り切れないあたりが実にしんどい。特に第五話「アグノディス医師 裁判(後)」でのアグノディスの強い覚悟のこもった台詞からの、最終話「その後」のあまりにもあんまりな現実。なんかもう「あ゛ぁ゛〜……」ってなりますね。人類は愚かだ……(突然の自意識の肥大化)。  いやふざけているみたいですけどむしろここが感想の肝というか、なによりやりきれないのはこの暴走する自意識、作中のあれやこれやにぶりばり腹立ててる自分そのものだと思うのです。それもよくよく考えたらその場その場でわかりやすい方について怒り散らしてるだけで、つまりほとんどワイドショーとかネットの炎上見て怒ってる人状態。実際、内容についてまともに言及するにはあまりに知識が足りなすぎて、なのに自分は『正しい』をやりたいし他人の振りかざす『正しい』は妨害したいという、昨今の人類にありがちな欲求をゴリゴリ煽られるこの感じ。うぅ、いやじゃ……わしはモンスターになんぞなりとうない……。  いやここで「知識が足りないから」とか言ってないで、頭が足りないなりに少しでも考えられるかどうかがいろんなものの分かれ目だと思うのですけれど(でないとあまりに浮かばれない)。それはそれとして、歴史や史実というものの強みを最大限に引き出した、読み手の感情を煽るのが巧みな作品でした。淡々としているようですごいエネルギー。完全にもっていかれました。

5.0
0
和田島イサキ

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