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しいていうならお前の横を歩いてるのが魔王

この小説は、小説ではない

 ギャグコメディかつ入り込む奥の深さのある物語で構成された本作。 おそらく読み始めた人はあまりの置いてけぼりに、そして疎外感に驚く事になると思う。 まず掲示板形式で物語の途中から突然話が進む。 知らない人物と世界観そしてこの物語の主軸とも言える個性豊かな魔物たち…… 数話はわざと理解させないようなぶん殴る形式で話が勝手に進むのだ。  ある程度進むとやっと話が見えてくるようになる。 剣と魔法の物語で魔王を退ける物語を魔物側視点で進んでいく……のだが。 すぐにこれは「勇者物語物語」なのが判明する。 魔物側はもはや神か悪魔かといった超常の存在で不老不死。 魔物側が本気を出せば世界を物理的に破壊できるほどだがそれは魔物側の目的じゃない。 魔物たちは設定された強さと設定された演出し脚本し物語を描いていく。 それは勇者が魔王を打ち倒すストーリーだ。 ちなみに魔王はいない。 しいていうなら……主人公である子狸だ。 子狸というが立派な人間である。 しかし一族は特殊な立ち位置にいて魔物たちの管理者を名乗っている。 我々読者が見れるという形で小説が綴られる掲示板も、こきゅーとすという子狸一族が管理している不思議な掲示板だ。 ちなみにノロくんというけれど、ほとんど名前は子狸で通される。 そして今回の勇者役である女の子が勇者さん。お嬢とか勇者とか書かれることが多い。名前もちゃんとある。 剣士でありとある事情から鬱屈した部分を抱えているがこの旅で成長をしていくこととなる。 このふたりが(魔物が描いた台本どおりに)旅をするのが本作のストーリーなのだが…… はっきりいってこの二人は問題児である。子狸さんは抜けているってレベルで済ましていいもんじゃないし、たまに野生化するし、魔物たちのシナリオも明記してあるのに無視して破壊していく。なんて? って思い続けながら話が進む。 勇者さんもめちゃくちゃで、子狸さんの影に隠れるだけで割と抜けているし、プライドだけは高くてまともに働きもしなかったり。体力が驚くほどなくて、勇者なのに戦闘ではあまり活躍しないという不可思議さ。 掲示板の魔物たちは個性が強すぎてツッコミすら追いつかずボケ倒している。 当然語り手である魔物も信用はならず手のひら大回転している様子やシラッと大嘘をついているさまにもはや読者がツッコむしかない。 明々後日への思考が飛ぶ子狸! 雰囲気シリアス詐欺の勇者! 阿鼻叫喚し喧嘩してボケ倒す魔物たち! 徐々に掲示板としての形式が崩壊! シナリオもどんどん崩壊! コントと化す物語! なぜ勇者物語を魔物たちは物語としてやらねばならないのか。 信用ならない語り手どもはどの描写が意図的に後々につながるのか。 子狸一族はなぜ魔物たちの管理人をしているのか。 語り手が信用できないのなら読者は一体…… インテリジェンスの問題なのかもしれない そしてこの話が「小説」となったときに、ただのギャグコメディだとして流せない良い読後感が残る。 最初に怯えず踏み出せばそこは深い沼。 さあ飛び込んでしまおう! そして子狸ぃ……と言おう! 最後に一言。 めっじゅ〜

5.0
1
チル

新解釈・白雪姫 ~白雪の異常な執着 または王妃はいかにして自分磨きをやめて罪に手を染めることになったか~

百合で読み解く『白雪姫』の愛のゆくえ。

 貧しい祖国のために『美しく従順な王妃』として生きる重圧は、一人の少女を変えてしまいました。  これは王妃の『苦悩に満ちた半生』を追う物語です。  全19話(約5.5万字)の中で、王妃と白雪の日々が丁寧に描かれた『義理の親子百合』作品です。  作品名もさることながら「あらすじ」から「あとがき」まで含めて、一つの世界観が作られています。 ◆  義理の母娘となった二人は、姉妹のように仲良く過ごしていました。  一緒に食事をして、ドレスを選び、髪を梳かす。  けれど年月を経るごとに『自分よりも美しくなる白雪』に対する恐怖心が芽生えます。  なぜあんなにも可愛らしいと思っていた白雪を、その手で殺そうとしたのか。  祖国への愛ゆえに心を殺す王妃。  幼い頃から恋憧れる白雪の、静かに歪みゆく愛。  お互いに持つ『愛情の種類』が異なり、思い出の一つひとつが美しいからこそ、現実は惨たらしい。  ともに過ごした、かけがえのない時間。  幼少期から美しい王妃を見て育った白雪の愛情は、大人になるにつれてどんどんと膨らんでいきます。  そして七人の小人たちの言葉は『人間の価値観』ではないからグッとくるものがあり、白雪の歪みが際立ちました。 ◆  本文はやや読点が多めですが、私は『絵本の読み聞かせ』をしてもらっているような独特のテンポだと思ったので、すぐにノッて読み切ってしまいました。  それに童話「白雪姫」を『義理の親子百合』として見ると、こんなにも自分の嗜好に刺さるものになるとは思いませんでした。  葛藤する王妃と、まっすぐな愛を向ける白雪の関係性がとても好きな作品です。  個人的な好みにバッチリどストライクで、読後はしばらくこの世界観に浸っていました。  百合はよいものです……。

5.0
0
mochi*(読み専)

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 冒頭から、詩愛(しいら)はひとりでいる。  彼女の隣、もしくは向かいに座るはずの浅黄(あさぎ)は思い出の中にしかいない。待っている彼女の立場で言えば、そこに誰も立ち入れない大きな空白だけを残して逃走中なのだ。  出会った時のエピソードや、成功していく過程、彼の失踪など、ラジオの進行に沿う形で、詩愛の回想が差し挟まれる。その中で、浅黄は天才であるが故に、自分の思い通りではない環境の変化に対応することが出来ず、潜水艦を降りたことが語られる。  だがシーラカンスはひとり、耐えて待った。耐えられることが彼女の強さであり、待っていられることが彼女の愛の大きさを伝えてくれる。  この話をキリストが語った「放蕩息子」のたとえ話と重ねるのは、いささかうがち過ぎかもしれない。だが失踪(=放蕩)の末の悔い改めと、迎え入れる側の愛と赦しの大きさは、やはり多くの共通点があるように思う。  私は最初、浅黄は心が弱く、詩愛の脇に空白だけを置いて逃げ出した無責任な男と感じた。だが彼は、ただ弱いだけの人物ではなかったのだ。  もしかすると彼は、詩愛の抱く愛の大きさが見えなかっただけかもしれない。失踪中、彼自身も空白を連れ歩いて、やっと置いてきたものの尊さに気づいたということはありうる話だ。  遠く離れて時間を置いて、それでも彼女が待っていると知り、浅黄は心を決めて戻ってきたのではないか。ぽっかり空いた空白を彼自身と、彼の持つ愛情で埋めるために。  イエロー・サブマリンは再び走り出す。その行く手には祝福が待っているだろう。空白に注ぎ込んでいた愛情を、これからはお互い相手に向けることが出来るのだから。

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