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ジャンル:ミステリー

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おばあちゃんの落とし物

「落とし物」は、なんですか?

 高齢化の進む郊外の田舎町、派手な事件も滅多に起こらない町の交番に勤務する警官の〈僕〉のもとに、ふらりと吉岡のおばあちゃんが「落とし物」をした、とやって来る。吉岡のおばあちゃんはこの町に住む独居老人の一人で、少し痴呆が出ていて、だけど足取りはしっかりしている、そんな彼女の姿がどことなく自身の祖母に似ている気がして、〈僕〉が他の人より気に掛けている住人だった。特に心当たりもなかった〈僕〉に「落とし物が届けられたら、教えて下さい」と吉岡のおばあちゃんは帰っていき、それから日も待たない内に彼女はまた「落とし物」が来ていないか、と尋ねにきて、それ以降は毎日のように今度は落とし物があったと軍手を拾って(それも毎回)、自分の「落とし物」がなかったか、と交番を訪れるようになる。彼女の「落とし物」って何だろう……、本当に「落とし物」なんてしたのかな……、そんな不思議な日が一週間くらい続いた頃、〈僕〉たちの交番に、強盗事件の捜査で県警の人がやって来て……、というのが物語の導入。  ネタバレフィルタは付けましたが、事前情報を持たずに読んだほうが楽しめるタイプの作品だと思いますので、ぜひ作品のほうをまず読んでいただければ、と思います。  いつまでも纏わり続ける恐怖というものがあります。  どれだけ忘れようと努めても、忘れた気になっていても、片隅には残って消えないままの記憶が、ふいによみがえる。本作の登場人物が恐れる過去と同じ経験した者でなくても(すくなくともこれを読んでいるひとの中にはいない、と思います。……えっ、いないよね……)、恐れる過去、忘れたつもりにしている記憶を抱えた者は多いでしょう。そんなひとの心の触れて欲しくない部分に触れるように、他人事ができず自分事となっていく、そんな感情自体はどこにでもある、身近な、とても怖い物語だ、と思いました。結末には寂寥感が余韻として残る、ほのかな幻想味もあって、個人的な嗜好も含めてとても好きな作品です。

5.0
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サトウ・レン

ロンドンの疾風-メッセンジャーボーイの謎解き―

19世紀末、謎、友情。

 ネタバレはしないつもりですが、未読の方はご注意を。  まだ電信機器が未発達だった19世紀末ロンドンの夜、ローラースケートで街中を縦横無尽に走り回る少年たちの姿があった。彼らは情報伝達の役目を果たすメッセンジャーボーイズ、その職に就いて半年の新参者である14歳のエドガー・タッカーには憧れ尊敬するメッセンジャーボーイがいた。ヒュー・バード。きょうもロンドンの夜を疾走していたふたりが、在野の宗教・聖書研究家であり、変わり者と言われているルパート・シーモア氏の宅を訪ねると、どうも様子がおかしい。鍵の掛かっていないその家に入ると、仰向けになった全裸のシーモア氏が死んでいた。ナイフが胸に突き刺さった状態で。机の上には紙片が一枚あり、シーモア氏が力尽きる寸前に書き残したと思わしき、 〈 宝 盗まれた だがニセモノ ニセモノを持つ者が 殺人者――〉  という文章が――。  というのが導入の、本作は19世紀末ロンドンを舞台にした青春ミステリです。深い知識に裏打ちされた謎解きと、物語の中でさらに深まっていく友情と、最後まで爽やかで心地の良い余韻が残ります。作者のsanpoさんのミステリをいままでにいくつか読ませて頂いたのですが、それらに共通して抱いたのが、物語、あるいはミステリに出会った頃の原体験に立ち戻っていくような懐かしさ、でした。  物語を通して、いままで知らなかった世界を知っていく、視野が広がっていくような感覚、と言ったらいいのでしょうか。物語の入り口にどんな作品が良いか、っていうのは、ひとそれぞれで、一概には言えない、とは思いますが、私にとってはこういう物語だったら嬉しかっただろうなぁ、と思ってしまうタイプの作品です。二転三転する先の読めない展開、丁寧に張られた伏線と、秀逸なミステリ作品なので、ミステリ好きにはまずお薦めしたいですし、19世紀末のロンドンの街を疾走する(読者がかつての都市を冒険しているような)冒険譚的な面白さや探偵行を続けるふたりの少年の友情と軽快な会話を楽しむ青春小説としても、とても印象的なので、ぜひ幅広い方に読んで欲しいな、と思う作品でした。

5.0
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サトウ・レン

ぼくの偽札騒動記

偽札騒動の意外な顛末は……?

 高校入学前の春休みにアルバイトとして、隣り街に住む老婦人の家で引っ越しの手伝いをしていた〈ぼく〉は、手伝いの謝礼としておばあさんから受け取った一万円を貯金しようと、銀行のATMの入金を試みるが、何度やってもはじかれて戻ってきてしまう……。その時に、ようやく〈ぼく〉はそのお札が本物と違っていることに気付く。  ということで、ここからがネタバレ込みの感想ですが、まだ読んでいない方は、ぜひ作品のページに進んでくださいね。  本作は親切そうなおばあさんに騙されたと思い込んで、もやもやとした気持ちを抱えた少年が、世の中の昏さ、現実の厳しさを知る……という物語ではもちろんなくて、隣人のおじさんと出会ったことによって、それが現在の一万円ではなく、〈旧札〉だったと〈ぼく〉は知ることになります。明記されている時代背景を考えると、福沢諭吉の旧札を〈ぼく〉は眺めていたのでしょう。  そう、ここで読者は本作がほっこりとした、日常の謎系統の作品だった、と知る、  ……というわけでもなく、  実はこの作品、ここからはもうひとつ新たな展開が用意されています。一万円札を新札と交換してくれたおじさんに感謝しながら家まで帰った〈ぼく〉には知る由のないことですが、実はおじさんは骨董品収集が趣味でそのお札がプレミア価値の付くものだと気付いて、親切ではなく下心からお札を交換していたわけです。自身の儲けのために少年に嘘を吐いたおじさんは天下の大悪人ではないですが、小悪党というか、小狡い印象を抱いてしまう人物で、そんなおじさんに天罰が下るように意外な事件の存在が浮かび上がってきます。  そんな本作はユニークで、穏やかな読み心地の中に、甘さだけではない、苦味を混ぜたような良質さがあります。

5.0
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サトウ・レン

探偵の友人の推理を小説にしているがバレてない件について

ミステリー好きには是非読んでいただきたい作品。

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ミステリー 初めの事件は、主人公が友人である探偵に誘われ、ある大手のメーカー社長から個人的なパーティーへ参加するため岬に建てられた潮騒館に訪れることとなった。そこに集まった関連性のなさそうな職業の人々。しかし意外な繋がりがあったのだ。主役が遅くなると連絡があり、一泊することになった彼らだったが、事件が起きてしまい……?! 【物語の始まりは】 ガス欠になりガソリンスタンドに寄る場面から始まっていく。 どうやらある事件で出逢った大手家具メーカーの三代目社長(元)から引退パーティに呼ばれ岬に建てられた潮騒館に向かう途中のことであった。 そのパーティに呼ばれたのは職種の違う人々。初対面であり彼らに関係性はなさそうに思えたのだが……。 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 現代だろうか? 【主人公と登場人物について】 主人公は歴史小説家であり、友人が探偵をしている。彼に同行している時に三度ほど事件に巻き込まれた過去があるようだ。 主人公の友人である探偵の砂橋は負けず嫌いなのか、ゲームをすると彼が五回勝つまで解放してくれないようだ。そんなこともあってか、二人のやり取りはコミカルで面白い部分もある。 【物語について】 潮騒館殺人事件について。 主人公達が個人的なパーティに出席するため潮騒館に到着すると、既に先客が数名いた。自分たちで最後かと思われたが、パーティの主催者はまだ到着しておらず、客もまだ一名到着していなかった。彼らは待っている間、娯楽室へ行くことに。ここで、主人公達以外の客がどんな人物なのか明かされていく。 全体にとても読みやすい作品である。 主催者が来ないまま、彼らは一夜を明かすことに。仲が良いとまではいかずとも、招待客が打ち解けたように思えた最中、ある事件が発生する。実質的に彼らは潮騒館に閉じ込められたような形となった。誰が犯人かもわからず、互いに疑う状況へと。そこに殺人事件が発生するのであった。果たして犯人は誰なのだろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・意外性の詰まった物語。第一の事件では、意外な人が事件に巻き込まれ、想定外のことばかり起こる。驚きの連続! ・個人的に主人公の性格が好きである。 ・探偵と主人公のキャラ設定がとても良いと感じた。主人公はとても真面目であり、探偵の方は少し軽い部分(楽観的)がある為、事件ものではあるがコミカルな場面もある。その為、抑揚のある物語である。 ・事件の解決の段になると、いろんなところに伏線が散りばめられていたことに気づく。本格ミステリー。構成も巧い。 ・読み応えのあるミステリーであり、読みやすく流れるように展開されていく。 ・誰が何のために、どんな理由で事件を起こしたのか? 設定がしっかりしている為、納得できる。 【備考(補足)】24ページまで拝読(潮騒館殺人事件、完読) 【見どころ】 世の中は綺麗ごとだけでは済まされない。第一話である潮騒館殺人事件を読んでそう感じた。今まで読んだり観たりしたことのあるミステリーの中では、少し変わった部分を持つ物語だが、後味がとても良いと感じた。大抵のミステリーでは犯人にはしっかりとした目的を意識があって犯す犯罪であるのに、何となくモヤモヤする。犯罪は許されることではないが、犯人に同情してしまうためだ。恐らくそういう物語でのメッセージは”どんな理由があっても、復讐や仕返しはダメ”ということなのだろうが。この物語では少しメッセージが違うように感じる。確かに犯罪は許されることではないし推奨されているわけではが、なんとなくスッキリするのである。それは”綺麗ごと”だけで成り立っているわけではないからではないかと感じた。 事件や解決に至るまでの構成も驚きや意外性があり、読み応えも充分。ミステリー好きには是非おススメしたい作品である。あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメですよ。

5.0
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crazy's7

魔導の光は闇を照らして影を生む

ファンタジー世界の秀逸ミステリー

 ファンタジーは世界観的になんでもありになってしまい、実はこんな力が! みたいな後出しがし放題のため、ミステリーは作りにくいという印象ですが、こちらの作品はそういう事をせず、伏線とヒントが随所にちりばめられ、回収されて結論に至るという納得の流れ。  魔力というものを、あくまでエネルギーの一つとして使っている感じでしょうか。  それぞれのエピソードが映画のワンシーンを想起させて、渋くてかっこいいというのも、この作品のお勧めポイントの一つです。  剣の時代が終わり、銃にむかう時代。新たな兵器の存在は国家間のバランスを大きく崩し、戦争の影で暗躍する工作員の存在。  戦争はたくさんの命を奪い、友の足も奪われたもののひとつ。義足であっても朗らかな友人クラウスだが、ケヴィンが王国諜報部の依頼をこなすうちに、事件の影に友人の存在がやたらと目について…。  諜報部も友を疑っているのであろうか? という疑念の中、友の潔白を信じケヴィンは僅かな手掛かりを元に真実に向かう。  硬派な内容、ケヴィンがかなり人間的に惚れてしまいそうな男っぷりなので、彼の魅力を多くの人に知って欲しいです。  その後の物語を想像させる余韻のあるラストも必見です。

5.0
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MACK

ぼくの名前は猫である

どういう真相なのやらとんと見当がつかぬ

 なんだかご主人に飼われているらしい猫のお話。  いや言うほど猫ばっかりでもないというか、猫から始まりその周辺の人々にどんどんフォーカスが移っていく感じのお話です。ジャンルとしてはミステリで、しっかり謎を提供してくれるのですが、その趣向というか流れが印象的でした。  最初の猫のふわふわした語り口もあり、序盤のうちは柔らかな日常の光景が続いていくのですが、そのうちに「なんだろう?」と思わせる描写がちらほら顔を出し、そして気づけばすっかりとんでもないところに着地している、という構成。最後まで読み終えたときには「おおーそういうこと!」と膝を打つような思いで、つまりしっかり丁寧に練られたお話でした。  このさっきあげた「なんだろう?」が肝というか、登場人物があからさまに謎めいた行動をとるところが好きです。例えば探偵もののミステリなんかだと、わりと謎解きの部分を読み流してしまうことがあるのですが(自分で謎を解きたいという欲求よりも、探偵の活躍を見たいという欲求の方が上なので)、このお話では作中にしっかり引っかかるところを用意して、普通に読んでいても自然と真相を考えさせてくれるところがよかったです。親切設計というか、ちゃんとミステリさせてくれる作品でした。

5.0
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和田島イサキ

大正永劫怪奇譚

がっぷり四つストロングスタイルの大正浪漫

 大正期の日本を舞台に、資本家の男性が不可解な事件に巻き込まれていくお話。  大正浪漫、いや『浪漫』という華やかな感じではないので実質ただの大正というか、とにかくおどろおどろしい話でした。ホラー、あるいは怪談のような伝奇のような。タイトル、キャッチ、紹介文の時点ですでに雰囲気バリバリ、本文に入ってさらに倍という、この徹底っぷりが印象的でした。  いつまでたってもお嫁さんのお腹の中から出てこない赤ん坊と、ひとりひとり存在ごと消滅していく友人たち。その謎を解明するというか、この邪悪でおぞましい何者かの根源に迫るため、猟奇的な曰くのある離れ小島へと向かう、というお話の筋。  ひたすら不気味な出来事ばかりが起こる中で、とどめとばかりに雪崩れ込んだ第三話の展開が特に好きです。あの孤島の、次々目の前に広がる悪夢のような光景。その描写が非常に鮮烈で印象深く、たとえ夢でも行きたくないなと心底思いました。  夢と現実の混じり合う世界で、おぞましくも圧倒的な怪異に翻弄されるようなこの感覚。古い時代に特有の不気味さというか、独特の雰囲気にとっぷり浸らせてくれる作品でした。

5.0
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和田島イサキ

変幻探偵カメレオナード 〜対決! 怪人二万面相〜

きっちりヒーローしてくれる天才少年

 謎の怪盗『怪人二万面相』の巻き起こす事件に、探偵として立ち向かう天才少年のお話。  ミステリでありSFです。児童文学というか児童向け推理小説のような、なんだったら少年漫画のような趣すら感じる、明快かつ王道の冒険活劇でした。  作品全体の雰囲気というか単一パッケージとしての在り方というか、狙ったところにきっちり収める徹底した仕事ぶりのようなものを感じます。主軸のミステリ部分は難しすぎないながらもしっかり推理パートを設け、SF要素に関しても分かりやすくワクワク感の高い未来ギアがどんどこ登場し、なにより話の真ん中で活躍するのはみな少年少女、大人たちはしっかり脇役然としているかちゃんと敵としての役割を果たすという、このガチっぷりというか仕事の行き届きぶり。昨今、どうにも一手捻った使われ方をされがちな「ヒーロー」的な存在を、でもここまでまっすぐしっかり書き通したお話というのは、それだけで本当に気持ちがいいです。  またミステリとSFというだけでもそうなのですけれど、結構いろんな要素を作中に取り込んでいるわりには、内容がすっきりしているのもすごいです。これだけいろいろあったら勝手にぶつかり合って渋滞しそうなものですが、ピシッと綺麗な一本道になっている。といって決して平坦なわけでなく、例えば推理パートでの立場の逆転のような一捻りもあったりして(ここ好きです)、非常に贅沢というか読後の満足感がすごいです。  一話完結の読み切り少年漫画のようなまとまりの良さ。でもそのまま連載作品にもできそうな、しっかり作られた安定感のある設定たち。細やかな仕事ぶりを感じる、爽やかでワクワク感のある作品でした。

5.0
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和田島イサキ

きいろい服のおっさん殺人事件

最大の謎はむしろこの豪華キャスト

 不可解な最期を遂げた全身黄色コーディネートの中年男性のために、彼の友人であったとある一匹の猿が、事件の真相を暴かんと奔走するお話。  ミステリです。殺人事件の犯人・手段・動機を解明していく謎解き話。タグにある通り「まさかの殺人事件」で、タイトルもまさしくそれらしいのですが、それでも衝撃が拭えません。えっこのキャストで殺人事件? ていうか猿だよ探偵? 大丈夫?(諸々含めて)  紹介文からもなんとなくわかる通り、なんらかの作品をいろいろこう、尊敬の念を持ってなんやかやした感じの作品のようです。実はその元のなんらかの方をさっぱり知らず、読み終えたあとなんとなく検索して初めて知ったくらいですので、登場人物や舞台設定に関してはどう触れていいものやらさっぱりわからないのですが、それでもこの世界にゴリゴリのマーダーケースを持ってくることの異様さは伝わりました。だって猿だよ探偵?(二回目)  本筋の部分、謎解きや犯人探しに関しては普通にガチなのが凄かったです。嘘でしょ真っ当なミステリしてる……猿なのに……。主人公の覚悟というか、存外にハードコアだった大詰めの展開がよかったです。なんとも言いようのない不思議な圧を感じる怪作でした。

5.0
0
和田島イサキ

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