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5.0

和田島イサキ

毒草というモチーフを中心に据えることの強烈な不穏さ

5.0

和田島イサキ

病の友人に代わって小さな村を訪れた巡礼者と、その地方に生える毒草にまつわる物語。 悲劇も悲劇、とんでもなく重いお話でした。抗いようのない運命に、ただ犠牲になるしかない罪なき人々。あまりにも辛く、残酷で、なによりまったく容赦がない、この徹底っぷりにただただ打ちのめされます。 徐々に詳らかにされていく真相と、その匂わせ方。気づいたときにはもはや手遅れ、というこの息苦しさに、そしてとどめ(むしろ追い討ち)とばかりに襲い来る衝撃の結末。破壊力抜群でした。 本文が一風変わった形式というか、『友への手紙』という体裁を取っているところが好きです。気のおけない友へ宛てているが故の、本心からの忌憚のない言葉。どうしても意識してしまう三通の手紙が届くまでの時間と、そして唯一、手紙の形式ではないエピローグ。結末の絶望がじわじわ底上げされるというか、救いのなさが浮き立つようでした。

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カクヨム 歴史・時代 2万文字以下

暗殺者の指

巡礼者エリアーシュは病弱な友の代わりに、石の神殿のある寂れた村を訪れる。その土地には《暗殺者の指》と呼ばれる、人を殺す毒草が生えている。 彼は一人の少女に出会う。彼女は自分は近いうちに殺されると言い、理由を尋ねても「そういう家系だから」としか答えない……。

5.0

和田島イサキ

熱狂となり伝播する意志の核、個人の中の小さな妄執

5.0

和田島イサキ

やがて女王と呼ばれることになるとある傷痍軍人のお話。あるいは、戦争を含むひとつの歴史。 面白かったです。とにかく物語の作り方が巧みで、お話にグイグイ引き込まれました。 ひとりの女性の生涯を、語り部による口授という形で記した物語。しかし起こっている出来事の規模を考えたなら、これは彼女の物語であると同時に、この世界における歴史の一側面であるとも言えます。 時代の潮流が、世界規模の狂騒が、そのまま彼女の内面に収斂されていくような感覚。小さな個を通して見る大きな歴史。個人と世界の接続とそのスケール感に、ただひたすら打ちのめされました。 一番好きなところは、「そのあとは、きっともう知っているね。」の一文。そのひとことにより省略された、おそらくは彼らにとっての〝周知の事実〟。それが歴史的事実として前提となっている、その(語られている相手の)感覚との解離。 なんか頑張ってそれっぽいこと言いましたが、正直うまく言えません。とにかく好きです。あらゆる方向から、ときに思いもしないところからも心を揺さぶってくる、死ぬほど〝強い〟物語でした。

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カクヨム 歴史・時代 2万文字以下

レディ・ウルフ

とある女王の話をしよう。

5.0

和田島イサキ

本物の、偽物の執事のお話

5.0

和田島イサキ

とある執事の半生を綴った物語。あるいは、彼の犯した殺人を活写したお話。 なにやら実話っぽい語り口、と思いながら読んだのですが、どうやら本当に実在の人物でした。 ロイ・フォンテーン、本名アーチボルド・ホール。作中の殺人事件も実際にあった出来事のようで、つまりは伝記ということになるのだと思います。 わりとネタバレになってしまう感想なのですが、最後の一文が好きです。 あの一文でくっきり話の核が見えるというか、主人公がロイさんから一気に英国そのものになる感じ。加えて、実はそれがキャッチコピーの時点でネタバレされていたこと。 “斜陽の大英帝国に彼は現れた。執事という幻想の燕尾服を纏って。” 執事という燕尾服が幻想と化してしまうほどに、斜陽化した大英帝国のお話。ロイ・フォンティーンという人物を通じて描かれる英国の衰退。いや、彼自身はしっかり主人公しているのですが、でもそれを結びの一行で全部丸ごと『英国』に飲み込んでしまう。あの一瞬の、世界がぐわっと広がる感じ。物語のスケールの上書きをたった一文で完了させる、しかもそれが最後の最後にくる、あの瞬間の快楽がもう本当に最高でした。

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カクヨム 歴史・時代 2万文字以下

殺人執事ロイ・フォンテーン

ロイ・フォンテーン、本名アーチボルド・ホール(1924~2002)は、英国犯罪史にその名を刻む連続殺人犯であり、その表の職業は執事であった。

5.0

辰井圭斗

異質。しかし本物の文学がここカクヨムにあるならばそれは異質なのです。

5.0

辰井圭斗

例えば芥川の小説がカクヨムにあったとして、それにレビューをつけて宣伝することが彼の作品にふさわしいかどうか。その答はもしかしたら「否」なのではないかと思っています。 僕はこれまで良い作品があればレビューを書くのを最大の賛辞とし愛情表現としてきました。それに疑いがなかった。しかし本作を読んで、そうしたレビューと宣伝がこの作品に果たしてふさわしいのだろうかと考えざるを得ませんでした。読者が増え、星も増え、ランキングに載る。そういった幸福が、果たしてこの作品と作者のそせじ番長さん(中田さん)の望むものなのか。その答はもしかしたら「否」なのかもしれません。 とはいえ他にしようが無いのでレビューを書いてしまうのですが。でも、もうここまで書いたことだけで、僕の言いたいことはお分かりでしょう。僕のレビューは放っておいて、早く本作を読むべきです。 さて、本作は次第に狂気にとらわれていく芸術家の話です。ほんの些細な感覚からその狂気は始まります。僕は作者の中田さんとしばしばツイッター上でやり取りをさせていただいているので、その部分は多分普通の人とは違った感慨をもって読みました。読みながら思い出したのは、いつか僕が死にかけていた時に頂いた言葉です。一字一句正確には覚えておりません。しかし大意としては「私達は人には見えないものを見ることが許されたのです」ということだったかと思います。僕は本作を読みながら快哉を叫びました。「そうですよね、中田さん」。 僕はかつてこういうものを書きたくて筆を執ったのではなかったか、そう思わされる作品でした。

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カクヨム 歴史・時代 2万文字以下

鵺 (第五稿)

禅僧の悟省は絵が得意である。天狗になる悟省に禅師は修行として鵺(ぬえ)という化け物を描くように言いつける。次第に絵にのめり込み、鵺に魅入られていく悟省に狂気が忍びよりはじめる。悟省にとって上達とはなにか。真に書きたいものはなんであったか。悟りとはなにか?

5.0

淡月悠生

硬派で素朴な名作時代小説

5.0

淡月悠生

昔、書店で一目惚れした時代小説短編集を小遣いで購入したことがあります。その1作目を読んだ時の感動を思い出しました。 ラストシーン、タイトルの「闇の足音」がヒタヒタと聞こえてくるような余韻があります。 暗いストーリーですが、転げ落ちるさなかにも人情の温もりや並々ならぬ信念がありありと伝わってくる硬派な情熱と芯を持った文章でした。 ネット小説ではこういったものは評価されにくい傾向にありますが、だからこそ、ネットでこの作品に出逢えたことを嬉しく思います。

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闇の足音

――愛ゆえに、堕ちていくのだ。深く、深く、江戸の闇へ―― 幼馴染で、他家に嫁いだ糸と駆け落ちして、故郷の夜須から江戸に出た滝川藤兵衛は、用心棒稼業に精を出しながら、満たされた幸せの中にいた。その平穏な暮らしの最中、藤兵衛は糸の夫だった西春与一郎を、江戸で見掛ける。斬るしかない、と決めた藤兵衛の暮らしに、そっと闇の足音が忍び寄る――。 (2018/3/31 改稿) ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません。 ※この物語は、「巷説江戸演義」と題した筑前筑後オリジナル作品企画の作品群です。舞台は江戸時代ですが、オリジナル解釈の江戸時代ですので、史実とは違う部分も多数ございますので、どうぞご注意ください。また、作中には実際の地名が登場しますが、実在のものとは違いますので、併せてご注意ください。 <カクヨムにも掲載中>

5.0

pakira

弱小国人領主から大名へ、乱世を生き抜く大河物語

5.0

pakira

 歴史好きの現代人が戦国時代へと逆行転生。吹けば飛ぶような弱小国人領主、朽木元綱として戦乱の世を生き抜いていく物語です。  チートと呼べるものは歴史知識のみ。それも自分の領地を豊かに大きくしようとするうちに、バタフライエフェクト的に本来の歴史から乖離していき、世界は独自の道を進んでいくこととなります。  それでも時代の英傑たちと時に手を組み、ときに矛を交え、やがて一廉の大名へ。そしてその差に先へと立身出世していく主人公の姿に、気づけばすっかりと魅了されていることに気づくでしょう。  魅力的なのは主人公だけではありません。  かの三英傑や、今にも名を残す名だたる武将たち。現代ではマイナーとされる人物や、彼らを支え寄り添う女性たち。あるいは公家や商人といった戦いには関わらない人々までも。彼ら脇を固める人物たちにもまた人生という名の物語が用意され、その生き様というものを魅せつけてきます。  彼らと主人公の出会いと別れ、その生き様と散り様。それもまたこの作品の大きな魅力でしょう。  総じて完成度が高く、歴史物が好きな方も納得できる、そうでない方も十二分に楽しめる、掛け値なしにおすすめできる一作です。  是非にご一読し、朽木"基"綱の人生を追いかけてみてはいかがでしょうか。  ところで、ただ一点のみ苦言を呈するならば、作品もそろそろ大詰めを迎えようとしているのにもかかわらず、「もしも主人公が公家として生きていたら?」というifストーリーの執筆に入ってしまっていることでしょう。そのため、本編の更新が長らく止まってしまっています。  この異伝もまたとても面白く読めるものなのですが、それでも本編の続きを早く読みたいと思ってしまうのは仕方がないことでしょう……。  ちなみに、本編と異伝ともに書籍化とコミカライズがなされています。小説書籍は相当の加筆がなされさらなる彩りが加えられており、またコミカライズはむさ苦しいおっさん共の生き生きとした様が格好良く描かれ、これらもとてもおすすめの一品となっております。

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淡海乃海 水面が揺れる時

戦国時代、近江の国人領主家に男子が生まれた。名前は竹若丸。そして二歳で父を失う。その時から竹若丸の戦国サバイバルが始まった。竹若丸は生き残れるのか? 家を大きく出来るのか?

5.0

藤原えりこ

太宰治の「駆け込み訴へ」を高解像度にした印象、かつそれ以上の満足感

5.0

藤原えりこ

流麗な文章で読みやすく、とても素晴らしかったです。 太宰治の「駆け込み訴へ」を高解像度にしたような感じを受けつつ、「駈込み訴え」では得られなかった満足を感じています。 (もちろん、描かれるユダ像というのは違うわけで、それの好みというのもあるかもしれませんが) おそらくですが、太宰の「駆け込み訴へ」は、ユダを視点にしながらあくまで人間の情を描いているのに対し、この「カリオテの男」は、ユダの情を表現しつつ、「それらを回収していく、壮大な歴史と神のわざ」を思わせるという点が違うのだと思います。そして、それが私にとっては非常に好ましいのだと。 太宰の「駆け込み訴へ」は、太宰が当時寄せていた政治運動への想いを重ねて描いている…と言う批評を読んだことがあった気がします。だとしたらやはり太宰の「駆け込み訴へ」の読み方は、これをもってして聖書や周辺の歴史を再解釈する、といった営みのための文学ではないのだろうな…と思います。 多くの文学は「それが書かれた時代背景を学ぶ」ために(も)読まれると認識していますが、「駆け込み訴へ」もそういった読み方をするか、あるいは、多くの二次創作の如く人物の感情にフォーカスして抽出して楽しむ、といった読み方をするか(←というか、文学史的に考えると、これは「告白」という文学形式を太宰がやってみたかったから書いた作品なのではないか?と仮説を持っていますが、浅学の思いつきを出ません…) という感じなのに対して、「カリオテの男」は、人物の感情を楽しむこともできるし、「聖書」という大きな存在感の書物への理解促進にもつながるので…なんというか、現代の日本というこのタイミングにおいて「駆け込み訴へ」よりも文学的価値が高いのでは…………???とすら思えます。 とにかく、「カリオテの男」は、文学作品的にも優れているし、二次創作としても質が高くて、とてもすばらしかったと思います。(原作の情報が十分に踏まえられていて、「伝統をどこまで伸ばせるか」と挑戦的であるような、かつ原作では描かれなかった部分にリアリティをもって踏み込んでいる、という方向性が好きなのです) 聖書やキリスト教についての前知識がどれくらいないと読むのがつらいのか…についてはわかりかねるのですが、解説編も用意してくださっているので(→https://kakuyomu.jp/works/1177354054892650173) これを読みながら進めるとイケるんじゃないかと思いました。

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カクヨム 歴史・時代 10万文字以下

カリオテの男

人類史上に燦々と輝ける「裏切り者」。その名はイスカリオテのユダ。 その真意と神の救いを書いた、いくそす。伝説の処女作。 完売後の再販決定。初売りはC97! 豪華書き下ろしをつけて持ってきました。

5.0

アズマ

ある刀師達の、熱くて悲しい物語。

5.0

アズマ

ある野鍛冶の職人が、刀の魅力に心を奪われる物語。圧巻の筆力で、彼らの情熱と危うさを見事に描いた、読み応えのある一品です。

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エブリスタ 歴史・時代 2万文字以下

刀師-かたなし-

これは一人の刀鍛冶が生まれた物語。 職人気質とはいったもので、その探求心は深く深く。深くなるほどそこは光の届かぬ暗闇の中でございました。 いったいそこで何があったのやら。深淵をのぞく者の行く先とは――。 ※この物語は史実に基づいておらず、時代物風の創作作品です。  お気軽にお楽しみいただけたら幸いです! 妄コン「暗闇の中で」応募作品ですm(_ _)m

最近の「参考になった!」

『探偵部』の個性的なキャラが織り成すミステリーなキャラ文芸

「探偵部」なる怪しげな物がある高校を舞台に展開される連作短編ミステリー。 ステッキを持って不敵に笑う天才女ホームズと女ワトソンを始め、癖の強いキャラが登場します。トリックや謎解きもきちんとしているのもオススメポイント。地の文は癖がちょっとあるかもしれません。 連作短編をお探しの方、表紙も可愛いので是非一度クリックをば!

探偵、綺田冴子の推理奇談

彼は混沌とした世界に差す、光となるのだろうか?

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) あらすじの感じから、人というよりはこの世界自体が主役なのではないかと感じた。 何故人を鞘としたのか? とても奇抜な設定ではあるが、そうしなければ成り立たない何かがあるのだと思う。 女性を鞘とした必然性こそが、この物語の重要な部分でありオリジナリティを形成しているのではないかと感じた。 世界自体が主役と感じたのは、この理由によるものである。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) ある旅人が別の旅人と出逢う所から始まっていく。主人公は旅芸人の方だろうか? 彼らは旅芸人の誘ういを受け、近くの村まで同行することとなった。そこでこの世界について語られており、剣士は特別な意味を持つことが明かされていく。旅人たちが村につくとそこは活気がなかった。果たしてその理由とは? 3 世界観について 旅芸人:ファン、エル 旅人:フミ 女性の身体が鞘となり剣へ変化するには、儀式が必要。最初の村では、強い剣を得るためのプロセスが明かされていき、旅人それぞれの境遇なども明かされていく。いわば、世界観や舞台説明のプロローグのようなもの(物語や世界観を理解したり、掴むためのもの)だと言っても過言ではないと感じた。 この剣については、誰も彼もが持てるわけではなく剣士と呼ばれる者が所持しており、それは自分の妻ではなく他人の”妻”を奪って剣(鞘とする)に変える。何故妻なのか? これにはある理由があり、それは作中で明かされている。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・主人公に焦点が合っている ・伏線をきちんと回収している ・意外性がある ・悪がはびこっているようではあるが、ちゃんと爽快感がある ・設定がしっかりしている ・時代劇の好きな人が好きそうな構成である ・登場人物は多いが、名前のついている人物が少ないため、混乱しない 5 お奨めしたい部分 一章のみの話しの流れでの説明とはなるが、”絶望と希望を繰り返すことにより最大限の爽快感を読者に与えることができる作品”だと感じた。一章では話の流れや世界観、主人公の目的などが明かされているのだと思う。主人公は認めてはいないが、それ(ネタバレになるので詳しく書けないが)が旅の目的なのだと感じた。なので、方向性の分かりやすい作品でもある。 主人公の最終目的はなんだろうか? 行きつく先とは? 混沌としたこの世界に彼は光となるのだろうか? 見どころ満載の作品だと感じる。 6 物語のその先を想像して 主人公の目的が分かったので、この先は悪を成敗し世の中を変えていく物語なのではないかと想像する。 そして最終的には、この国 (世界)自体を変えていくのではないだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

女神の白刃

最近の「共感した!」

それはホラーか、それとも純文学か。強い引きと謎によって彩られた夜(ヨル)の記憶。

 神域である山や森で、また街や里からなんの前触れも無く人が失踪してしまう事件「神隠し」が多発するなか、主人公優の身に不思議な出来事が巻き起こる── *  この作品は、ジャンルがホラーになってこそいますが、様々なジャンルの融合体ではないかな、と感じました。  確かに根幹の部分はホラーなのかもしれません。ですがそれでいてミステリーでもあり、またヒューマンドラマでもあり、はたまた、純文学的でもある。  そんな本作の魅力を端的に表現すると、謎や仕掛けの多さであり、エピソードごとの引きの強さでしょうか。  度々挟まれてくる惨劇や、不可思議なイベントの数々に、「どうして彼女はこんな行動をしたのだろう?」「この先、どうなってしまうのだろう?」と気になり、自然とページを捲る手が止まらなくなる、そんな魔力に満ちた作品です。  三人称で綴られる物語なのですが、そこを上手く利用して、主人公である優の人格が、時々「ヨル」と入れ替わるところも本作の見どころ。  いまの発言ははたしてどっちのものなのか? 巧みな表現に翻弄され、思わず首を捻ってしまうことでしょう。  主人公──優と意識を共有している「ヨル」とは何者なのか?  感動の結末を、是非、見届けてください。 *  ──優が心の中でそっと囁いたとき、紋白蝶は飛び立っていった。壮麗なる青空に向かって。

長い夜

すっきりとした潮風

 潮風は纏わり付くようなじとっとした雰囲気がある。それがなんなのか、まぁ「一塩」なのかもしれない。  二人の内へ想像力が書き立てられるのは、現物が引き立てているのかなぁ(ご飯とかコーヒーとか本当に美味しそうに書かれていた)これぞ木を隠すにはなんちゃらだよなと思わされる筆力でした。  塩の匂いとすっきりしたコーヒー。寝起きに読んだのですが(個人的でどうでもいい話でしたね)朝読、気付けばレビューを書こう!というくらい頭が冴えました。寄せては返す漣のような作品。

Untitled:名前の無い地図

彼は混沌とした世界に差す、光となるのだろうか?

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) あらすじの感じから、人というよりはこの世界自体が主役なのではないかと感じた。 何故人を鞘としたのか? とても奇抜な設定ではあるが、そうしなければ成り立たない何かがあるのだと思う。 女性を鞘とした必然性こそが、この物語の重要な部分でありオリジナリティを形成しているのではないかと感じた。 世界自体が主役と感じたのは、この理由によるものである。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) ある旅人が別の旅人と出逢う所から始まっていく。主人公は旅芸人の方だろうか? 彼らは旅芸人の誘ういを受け、近くの村まで同行することとなった。そこでこの世界について語られており、剣士は特別な意味を持つことが明かされていく。旅人たちが村につくとそこは活気がなかった。果たしてその理由とは? 3 世界観について 旅芸人:ファン、エル 旅人:フミ 女性の身体が鞘となり剣へ変化するには、儀式が必要。最初の村では、強い剣を得るためのプロセスが明かされていき、旅人それぞれの境遇なども明かされていく。いわば、世界観や舞台説明のプロローグのようなもの(物語や世界観を理解したり、掴むためのもの)だと言っても過言ではないと感じた。 この剣については、誰も彼もが持てるわけではなく剣士と呼ばれる者が所持しており、それは自分の妻ではなく他人の”妻”を奪って剣(鞘とする)に変える。何故妻なのか? これにはある理由があり、それは作中で明かされている。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・主人公に焦点が合っている ・伏線をきちんと回収している ・意外性がある ・悪がはびこっているようではあるが、ちゃんと爽快感がある ・設定がしっかりしている ・時代劇の好きな人が好きそうな構成である ・登場人物は多いが、名前のついている人物が少ないため、混乱しない 5 お奨めしたい部分 一章のみの話しの流れでの説明とはなるが、”絶望と希望を繰り返すことにより最大限の爽快感を読者に与えることができる作品”だと感じた。一章では話の流れや世界観、主人公の目的などが明かされているのだと思う。主人公は認めてはいないが、それ(ネタバレになるので詳しく書けないが)が旅の目的なのだと感じた。なので、方向性の分かりやすい作品でもある。 主人公の最終目的はなんだろうか? 行きつく先とは? 混沌としたこの世界に彼は光となるのだろうか? 見どころ満載の作品だと感じる。 6 物語のその先を想像して 主人公の目的が分かったので、この先は悪を成敗し世の中を変えていく物語なのではないかと想像する。 そして最終的には、この国 (世界)自体を変えていくのではないだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

女神の白刃