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5.0

優人

「悲しくも優しい純愛物語」

5.0

優人

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 表紙がとっても素敵。貼り絵のような水彩画のような。 人魚と言えば海というイメージだけれど、この物語では何故か山の、しかも高いところに祀られているらしい。 それは、山に居たからなのか? それとも何かわけがあってのことなのか。もしくは、ただの噂なのか? それがこれから分かっていくのではないかと思われる。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 主人公は、ある噂の真相を確かめるべく滋賀県のとある山へやってきた。その噂は良くないものが多く、迷信なのではないか? 偶然なのではないか? と思われるものも含まれる。科学技術の発展や医学の進歩により今まで謎とされてきたものが解明されてはいる。しかし、解明されておらず不可思議なままのモノも多い。そう考えると、この噂が単なる偶然や迷信だとは言い切れないのではないだろうか? 主人公もきっとそんなことを思ったからこそ、この山へ真実を確かめに来たのかも知れない。主人公はまるで導かれるかのように、ある場所へとたどり着くのであった。 3 世界観について 現代ファンタジーもしくはあやかしものの様な世界観。舞台は実在する県であり、現実と空想の狭間の様な雰囲気をもつ。 主人公がある場所へたどり着くと、確信へと入っていく。果たして真相は⁈ 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・構成がとても良い。 ・現在から過去への流れがとても自然であり、物語に入りやすい。 ・現実と幻想の区別がつき辛いため、実際にあったことなのでは? と錯覚してしまう。 ・ユーモアのセンスが凄すぎる 「ここの海って~遠のいたのだ。」までのやり取りなどがとても面白い。 ・二人の心の距離が近づいていく様子がとても丁寧に描かれており、読んでいて癒される。 ・「私だったら~とてもいいと思うわ」までのセリフがとても好きである。 ・惹かれ合う二人と、彼の人生を通した理想と現実、ヒューマンドラマ部分がとても好きである。 5 お奨めしたい部分 すこしネタバレになってしまうかも知れないが、この物語は噂の真相を確かめようとした人物がその場所へたどり着き、ある人間と人魚の人生について語られていく。種族の違う二人は惹かれ合うが、子を成すことはもちろんできない。それでも寄り添い、ある秘密を抱えていた人間はこの人魚と日々を共にすることで、心が癒されていく。とても優しい純愛であり、憧れさえ抱いてしまうほどに二人の絆は強いものだ。 そして、人間の職を通して語られていく理想と現実。人のはどんなに才能があろうとも、他者の手によって違う部分を売りとされることがある。それは自分たちにとって身近なことだと思う。共感できる部分が多く、理不尽さも感じてしまうがそれが社会であり、人間の求めているものなのかもしれない。凄く考えさせられる物語である。 愛とは何か? について今一度深く考えさせられる。 6 物語のその先を想像して 人魚には極楽浄土のような概念はないかも知れない。しかし三人はあの世で仲良く暮らしているのではないかと想像する。 あなたもお手にてられてみてはいかがでしょうか? 愛する人のいる方には特に心を打つ作品であり、まだ恋をしたことのない人にとっては憧れを抱く物語だと感じました。 おススメです。

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ノベルアップ+ 純文学 10万文字以下

山に人魚

この辺で1番高い山には人魚が祀られた社があるという。 誰も見た事がないそれは、誰もが知っている噂だった。 何故山に人魚がいるのか。

5.0

優人

複雑な心境になる物語である。

5.0

優人

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 本当の親子かどうかでも変わって来る。実の父に恋をするのかどうか? 母の再婚相手なのだろうか? と思った。実の親子だったらちょっと怖いなと感じてしまった為。 ただこの恋が、この二人の間とは限らない。別の可能性も考えられる。あらすじからはミステリアスな部分もある。 逆に父が娘に恋をするというパターンもあるかもしれないが。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 娘側の最後の一日から始まっていく。ちょっと複雑な心境になる始まりだと思う。 その後本編に入り、主人公の日常と恋事情について語られていく。そこにあるのは、都会での理想と現実。都会でなら人生が変わると思われがちだが、実際はその逆だと思う。都会の喧騒から離れ田舎暮らしで幸せを手に入れた人も沢山いるだろう。能力があるから輝けるということを忘れ、都会だから上手くいくと考える人は多いのかも知れない。彼もまた、通勤だけでゲンナリしながらそれでも耐えているような毎日を送っているようである。そんな彼に突然訪れる、非日常とは。 3 世界観について 舞台は現代である。未来から少女がやって来ることから、SFでもあるようだ。 現代の東京が舞台。地方から都会にやってきた人間の理想と現実について描かれている。 地方から都会に暮らすと一番つらいのは電車だと思う。元々その地に暮らしている人は、慣れているから耐えられるのだろうか? それとも、そうまでして都会に住み続けたいの府だろうか? とても不思議である。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 *上記でも書いたように、都会での理想と現実の部分にリアリティを持たせた心理描写が良い。 自分も経験したことがあるので、思わず感情移入してしまった部分である。 *一般的な人が主人公なのが良い。 よくあるハイスペックな人物というわけではなく、かなり身近に感じるごく普通の一般的な人物が主人公。すなわち感情移入がし易いと思われる。 *予定調和説明 小説内で分かるだろうと説明を省き、結局伝わらないというものはよく見かけるが、このことについて説明が足されているのが良いなと感じた。言葉は聞いたことはあるが、詳しく知らなかったため少し驚いた部分がある。 *家族という概念について。 家族とは初めから家族だから家族なのだろうか? と。もし仮に未来からまだ見ぬ家族が現れたなら、恋愛対象になったりよこしまな気持ちを抱いたりするものなのだろうか? そもそも近親関係の交わりが禁止されているのは、近親者で交わろうとしているからであり、そう考えると知っているかどうかは関係ないのかも知れないとも感じた。 *突飛なことが起こるわけではない日常 未来から少女と彼との暮らしはごく普通。少し悪戯心もあるようだが。 父子家庭のような自然な日々に、未来から来たことを決定づけるような行動が散りばめられている。 5 お奨めしたい部分 二万文字の読了では、少女の目的は想像し辛い。父に会いたかったという単純なものではないのではないかと想像する。 もしかしたら、普通の日常こそが彼女の欲しかったものなのかもしれない。伏線と感じる部分もあり、この先どうなっていくのかとても気になる作品である。 この作品で気になるのは”予定調和”。彼女がこの世界に来ることは必須なことは予想がつく。主人公はまだ過去の状態だが、主人公が少女に出逢う前と少女の人生の間の時間には、この出来事が作用することが必要だと考えられるから。考えるとややこしくなるが、少女が産まれるためにはこの出来事はなくてはならないことなのだと思う。 6 物語のその先を想像して 005 【滞在期間三日目:たまには、手料理なんてどうかな?】まで読了での予想。 気になるのはあらすじの”夜明けとともに予告なく訪れた別れの先で、彼がたどり着いた結末とは? そして千花が戻ったミライの世界で彼女を待っていた物とは?”の部分。未来が変わってしまうのではないかと想像する。それは良い方向だと想像するが、未来が変わってしまうのは罪にあたる様なので、ハッピーエンドとも言えないのかも知れない。 あなたも是非お手に取られてみてくださいね。おススメです。

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ノベルアップ+ 純文学 10万文字以下

冴えない俺と、ミライから来たあの娘

 ──結ばれないとわかっていたのに、それでもあなたに恋をしました。  ルックスは平均点。営業成績は落第点。全てが凡庸なサラリーマン秋葉悟(あきばさとる)。クリスマスを控えたある夜、彼の元に葛見千花(くずみちか)と名乗る女子高生が現れる。  彼女は秋葉に、「私は未来からやって来たあなたの娘です。一週間だけ、ここに泊めて下さい」と告げた。  25歳の青年と、18歳の女子高生。時を超えて巡り会った親子は、一週間の共同生活を送ることになる。  クリスマスデート。二人で海を眺めて語り合う休日。一緒の布団で身を寄せ合い迎えた最後の一夜。夜明けとともに予告なく訪れた別れの先で、彼がたどり着いた結末とは? そして千花が戻ったミライの世界で彼女を待っていた物とは?  これは、定められた運命と予定調和の中で揺れ動く、〝決して〟結ばれる事のない二人の恋の物語。 ※アルファポリス主催、第11回ドリーム小説大賞【奨励賞】受賞作品。 ※表紙用のイラストは、(SKIMA)を利用してmu様に描いて頂きました。

5.0

優人

共通点に気づいても、オチは意外かも知れない!

5.0

優人

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 共通点のある物語というのがこの作品の物語の共通点。うん、何を言っている。 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 この物語は”かつて”とあることから、一旦解決したその後ということになる。 以前は邪魔をしたが、今は何もしていない。それなのに彼女は恋人と上手くいかなくなってしまったのだろうか? 会ってくれなくなっても待っている理由とは、一体何であろうか? 『いつも通りの騎士団長』 いつも通りの団長がいつも通りでなくなってしまった為、それを見ていた副団長がその理由について問う話なのではないだろうか? 果たしてやる気のなくなってしまった理由はなんだろうか?  『最高でサイコな治癒師さん』 これはチート級の回復師の謎が描かれているのか、それとも普通では考えられない気質などについて描かれているのか。 全く予測不能の物語である。 果たしてこれらの物語の共通点とは? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 季節は冬だろうか。貴族の娘として後世の支配者となるべく教育された主人公が、手に入れられなかったものについて語るところから物語は展開されていく。自分の手で何でも手に入れてきた彼女が欲しかったもの、そして得られなかったものは意外なものであった。 だかそれは意外と手にするのが難しいものでもある。これを手に入れた人が、世界にどれほどいるのだろうか? 『いつも通りの騎士団長』 予想とは真逆で、やる気を失ってしまった保守的な状態がいつも通りということのようである。 視点は副団長。以前の団長のことを知っているため、複雑な心境のようだ。 『最高でサイコな治癒師さん』 飾らない王様との会話から始まっていく物語。ここまでストレートだと、腹は立つかもしれないが話が早い。 その上笑ってしまう始まりとなっている。主人公は、そんな王命によりいきなり勇者となってしまう。 主人公からしたら、ありがた迷惑な話である。 3 世界観について 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 悪役令嬢が恋敵となり、邪魔をするも彼女と恋のお相手は揺るぎない愛を貫く。 主人公である悪役令嬢は、その後恋は諦め彼らを見守る立場へ変化するのだが。 『いつも通りの騎士団長』 これは、魔物なども出現する世界。そこで、王国を守るのが彼らの仕事のようである。 『最高でサイコな治癒師さん』 魔王のいる世界で、可愛らしいがサイコな治癒師さんと主人公が魔王の討伐へ行く話。 魔物などがいる、ファンタジー世界。ファンタジーの世界には色んな魔法があるよね。 そんな物語である。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 *何故会ってくれなくなったのか? 匂わせで終わってはいるが、納得できる理由であること。 *主人公のセリフから、彼女が世界の事情を知っているように感じるところ。 もしそうなら、この構造 (二重構造かなあ)は面白い。 『いつも通りの騎士団長』 *これは”あるある”である。 人は、段々効率的になっていくものだ。とても共感できる物語だと感じた。 『最高でサイコな治癒師さん』 これは強化の話しかと思ったら、魔法そのもの物語だった。 そして魔王を倒した後が本題だったという。 とても面白い物語であると感じた。 5 お奨めしたい部分 どの物語もオチが良くできている。一作目を読めばその系統の繋がりなのだろうか? とは思うものの意外な展開が待っており、なるほどと思ってしまう。『最高でサイコな治癒師さん』に至っては、王様にも治癒師さんにも押され気味な主人公が面白い。 それぞれの物語が楽しめ、バラエティーに富んでいる部分がお奨めである。 6 物語のその先を想像して これはネタバレになってしまいそうなので、簡潔に述べるが 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 これは解決するのではないかと想像する。 『いつも通りの騎士団長』 これに関しては項目がそのうち増えるのではないだろうか? しかし、大切なルーティンだと思った。 『最高でサイコな治癒師さん』 幸せとは、地獄の入口なのかもしれない。 あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。

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ノベルアップ+ 純文学 2万文字以下

【短編集】片手間の箱庭

『この世界には、共通点がある』。 まったく別の世界、それぞれの登場人物、描かれる物語はどれも違う。 ……なのに、どれも最後に「なるほど!」と言いたくなる仕掛けが? 作品一覧(不定期 随時更新) ・『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 想い人と結ばれた平民のメイと、かつて彼女らの仲を引き裂こうとした領主令嬢ローリー。 突如としてメイの想い人が彼女と会ってくれなくなり、以降ずっと同じ場所で待っていた。 不思議に思ったローリーがメイに問う。彼女がずっと動かずに待つ理由とは……? ・『いつも通りの騎士団長』 誰よりも強くて、誰からも慕われていたある王国の騎士団長。 そんな団長が、ある時急にやる気がなくなってしまった。 それに悶々としていた副団長のエムニは思い切って彼に聞くが……? ・『最高でサイコな治癒師さん』 突然勇者に選ばれてしまった少年のハイ(テンポ)ファンタジー。 彼と冒険を共にするヒーラーの女の子、パスはチート級の回復魔法を持っていたが……?

5.0

木立花音/RT企画4作レビュー納品完了/☆☆☆☆

極上のトリックがそこにある。

5.0

木立花音/RT企画4作レビュー納品完了/☆☆☆☆

 医者になる、という夢を叶えるため、毎日のように予備校に通う高校二年生の主人公。高山樹(たかやまいつき)。  停留所でバスを待っている彼に、なにかと構ってくる中学生くらいの女の子、遠野千鶴(とおのちづる)  心臓に病を抱えているため、激しい運動ができない樹の幼馴染、志保(しほ)。  三人を中心にした物語は、しとしとと降りしきる雨の中、樹が子猫を拾うシーンから幕を開けます。  何故、樹は医者を目指そうと考えたのか?  志保と樹の間に存在している、過去のしがらみとはなんなのか?  そして、何処からともなく現われてはちょっかいを出してくる不思議な少女、千鶴ことちーちゃんの正体は?  次第に真相が明かされていく中、この物語最大のトリックが読者を襲います。  ネタバレになるため詳細は語れませんが、複数の要素を絡めた精巧なトリックに、きっと驚かされると思います。正直私は、完全にしてやられました笑。  あまりの衝撃で、ページをめくるのを、一瞬忘れてしまったほどでした。  青春物語が好きな方。  日常の中に潜んだちょっとしたミステリーが好きな方など、もし、気になりましたら、この極上のトリックに触れてみて欲しいです。  読んで後悔はしない一作です。

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ノベルアップ+ 純文学 10万文字以下

いつかまた、バス停で

あの雨の日、静かに始まった恋。 好きだけど、言えなかった。 好きだから、言えなかった。 だって私は、 だから私は……

5.0

優人

ドラゴンと従者視点で紡がれる、ある世界の物語。

5.0

優人

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 幻想的で少し物悲しい印象も受ける表紙がとても素敵である。 ドラゴンが支配するわけではなく、祝福を与える立場だったというのが面白い(面白味を感じる設定)部分である。つまり、世界はとても平和だったのではないかと想像する。しかしそのドラゴンが亡くなってしまった為に、世界は変わってしまった。ドラゴンの齎す祝福とは一体どんなものだったのだろうか? 再びドラゴンがこの世に姿を現すことで(孵化)、周りに母となる獣、付き従う従者、兄弟となる狗などが寄り添うということは、それだけドラゴンの存在がこの世界にとって大切であるということが伝わって来る。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) かつてドラゴンが世界を守り豊穣を齎していたところから、ドラゴンの死に至るところから始まっていく。人とは移ろうもので、自分たちを守ってくれていたものを逆に恐れるということはよくあること。人は、自分に都合の良いものを信じ、見えないもの理解しがたいものに恐怖や偏見を持つものだ。この世界の住人は、そういった間違った思想の元、自分たちを更に不幸へとしていく。果たしてこの世界に光はあるのだろうか? 3 世界観について 不思議な世界観。主人公であるドラゴンは自分とは種族の違う獣に育てられることとなる。その中で、世界について学んでいくように感じた。そして自分が育ての親と違う生き物であることを段々理解していく。初めはドラゴンの視点だが、後に従者の視点となり全容が明かされていく。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 *分かり辛くはあるが、ドラゴンの視点はほのぼのする。 人間以外の視点を表現しようとすると、どうしても固有名詞が減る。それは人間の文明とは違うものなので致し方がない。その代わり、説明の為に分かりやすい言葉で補うことになる。その結果なのか、とてもほのぼのした雰囲気となる。この物語も、何かを明確にしていないため、なんであるのかはっきりわからない部分がある。例えば二本足が何であるのか? など。その為不思議な世界観とほのぼのした雰囲気になるのではないかと感じた。 *視点が変わると見えてくるもの。 ドラゴンの視点では分らなかったことが、従者視点になると明確になって来る。 その為、自分の想像と実際でも違いなどおが分かり、面白いなと思う。 *この物語では、現在のところ人間は一人しかいない。 中途出てくる場面もあるが。行動描写が多く彼らがどんな日々を送っているのか分かりやすい。 *旅立ちの日までの成長の記録。 小さなドラゴンがどんなことを経験し、成長していくのか丁寧に描かれている。 5 お奨めしたい部分 動物などが主人公の物語はあまり読んだことがないが、人間の主人公の話しとは雰囲気などが全然違う。 何処かふんわりとした雰囲気が漂っているのは、あまり会話文がないからだと感じた。 とても幻想的な印象を受ける物語である。雰囲気がほのぼのしているからと言って、内容がほのぼのしているわけではない。 常に生きるか死ぬかのサバイバルであると感じた。全体は優しいながらも、緊迫感、緊張感のある物語の好きな人にお奨めしたい作品である。 6 物語のその先を想像して 第二十話 ロンとレンまで読了。この先を想像する。彼らの仲間内では従者が指揮をとって移動しなければならない。しかしながら、彼らの仲での大人は従者と獣だけ。二体の幼きものを連れての旅は危険であるし、とても大変な.のではないかと思う。 旅の途中でまたトラブルがあるのではないかと想像した。 あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。

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ノベルアップ+ 純文学 10万文字以下

ドラゴンの絆 ドラゴンの子と従者が紡ぐ物語

 かつて、巨大なドラゴンに祝福されし世界があった。やがて、ドラゴンの死とともに世界は混沌が蔓延する。  そんな中、一匹のドラゴンが孵化した。その子ドラゴンは必死に生きようとする。母となる獣、付き従う従者、兄弟となる狗。少しずつ増えていく家族。  子ドラゴンと付き従う従者、家族が紡ぐ物語である。 表紙は美風様よりいただきました

5.0

さんかく

二重の複声性:新山カスミ「そしてまた月は満ちる」への評

5.0

さんかく

 新山カスミ「そしてまた月は満ちる」は出色の文学作品である。短評を物するにあたりまずこの点を強調しておきたい(ここで僅かでも関心を抱いた方は拙評は読まず先入見なく作品を読み始めて頂きたい)。  かかる言明をした以上「ではいかなる要因が本作を逸品たらしめているのか」という疑問に間主観的妥当性を持つ回答を与えねばならないが、それを限られた紙幅でなすのは容易ではない[*0]。なぜなら、この作品の特長は傑出したものに絞っても五を超え、その一つ一つが多弁を誘うからである。  故に本評は「二重の複声性」に限りテクストに詰まった魅力の一片を紹介したい[*1]。「複声性」は文学批評で用いられる概念だが、「二重の」複声性はどのようなプロパティを意味するのか。それは、物語内において登場人物一人一人の声・意識が単一の支配的メッセージ≒作者の思想に統御されることなく各々独自の価値を有しながら並立している――これは普通に言われる複声性である――だけでなく、それぞれの登場人物内においても対立、矛盾し合う複数の声・意識が併存している特質を指している[*2]。圧縮していえば、本作では人物間と人物内との二つのレベルで多様な思考が緊張関係を織りなしている。  この二重の複声性は地籟の如く作品全体に鳴り響いている。だが、それは聊か異様な事態に聞こえるかもしれない。というのも、そこでは物語の成立が一見不可能に思われるからだ。しかし、焦ってはならない。物語は形をもってたしかに立ち上がっている。だが、どのようにしてか。直感的に言うことを許して頂くならば、新山は雑多な声たちを統制しようとする欲=執着を離れてそれらが語り出すのに任せながら、それ自体生成変化する準-安定的な枠として物語を紡ぐことによってそれをなしている[*3]。  個人的回顧と共に結語を述べたい。評者は文学研究を専門としながら、文学の可能性は既に尽くされてしまい、現代には昔の変奏を作る以外に選択肢がないかもしれないとの懸念を抱いていた。だが、「そしてまた月は満ちる」はその疑念に大きな揺さぶりをかけてくれた。あえて「揺さぶり」と決定的ではなく含みある言葉で感銘を表したのは、新山の更なる飛躍に確信と期待とをしているからである。 ***  新たなる才能の登場を告げ、早晩放たれる光彩を予言する一文で以て、評を閉じることとしよう。  そしてまた月は満ちる。 【註】 [*0] 紹介と一つの読み筋の提示という評の目的上、題・本文の計は千字を上限として書かれた。 [*1] 「複声性=ポリフォニー」ついては評者が「そしてまた月は満ちる」初読後に寄せた感想でもその特長として指摘したが、再読を通して「二重の複声性」とした方が表現としてより精確だと考えるに至った。なお本評では論述の流れを落とさぬよう固有名詞を省略しているが、文学理論や文化批評で用いられる「複声性=ポリフォニー」概念とは、ロシアの思想家ミハイル・バフチンの着想に由来するものである。バフチン(1995)、北岡(1998)などを参照して頂きたい。(なお、訳語は一般的な「多声性」ではなく、「複」の字が適切と判断し、「複声性」とした)。 [*2] バフチンにおける複声性が、キャラクター間だけでなくキャラクター内のそれをも潜在的には既にしてカバーしているという解釈が提出可能であることに評者はむろん反対しない。念のため書き添えておく。 [*3] これを可能としている能力は作家としての新山が持つ最大の美質であるが、現在の評者にはその詳細な分析を論理的な言語で以て明晰に展開する用意はない。今後の課題として記しておく。なお「準-安定的」の表現は千葉(2013)に負っている。 Works Consulted バフチン,ミハイル.『ドストエフスキーの詩学』.東京:筑摩書房.1995. 北岡,誠司.『バフチン―対話とカーニヴァル』.東京:講談社.1998. 千葉,雅也.『動きすぎてはいけない: ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』.東京:河出書房新社.2013.

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小説家になろう 純文学 10万文字以上

そしてまた月は満ちる

記憶をなくし、山の上で孤独に機織りをする娘みち。日照りの続く夏の日、突如現れた大男に殺される。死ぬ間際、彼女は失っていた幸せな記憶を思い出す。幸福だった昔に帰りたい。無念のあまり死にきれない彼女へ、煌々と輝く満月が語りかける。 「わたしが、かわいそうなあなたの夢を、かなえてあげる」 月の神に憑りつかれた彼女は、死後の世界を彷徨う。そこで出会った青年との運命が、やがて様々な人を巻き込み世界の形を変えていく。 自らの生まれや弱さに苦しむ人々が、それでも光を目指して進もうとする様を描く、純文学的ハイファンタジー群像劇。 ※縦読み推奨 ※完結済み作品の投稿(約45万字)

5.0

詩木燕二(蔵出し中)

純文学と大衆文学の狭間

5.0

詩木燕二(蔵出し中)

 削ぎ落とされた、物語に作者が邪魔にならず淡々としていて、わかりやすい。しかし内容はもちろん文体なども「エンタメ」ではない作品。  と、ついつい書き手視点の感想を書いてしまいましたが、文章は本当に「どちらの良いところも捉えている」からこそ、自分に持ち帰り易い作品で、ついつい考えてしまいました。私は戦を知らない世代ですが、読んでる瞬間はありありと肌でそれを感じる。  大抵戦争物は押し付けがましくなるものですが、作者様は正直な方なのだろうと思います。知らないことは知らない、自分で考えたり感じたりした自分の中のものを出しますよタイプの。気持ちも恐らくそう。今を生きている何一つ代わりのない人間の「思い」。でもその人の身近の単語に「戦争」がある世界観。それが「現実(リアル)」。  だからこそ語り継ぎ感じなければならないのだ、本音は忘れたいときだってある…それも悪いことではない…と、ついつい熱くなってしまいレビューがまとまらなくなってしまいましたので終わります。  私は作者様にも思いを伝えたい。良作ありがとうございました。色々考えさせられました。

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ノベルアップ+ 純文学 2万文字以下

殴り書きの正三尺玉

 1949年3月下旬。終戦から4年の歳月が過ぎて、かつて長岡空襲で焼け野原となった街にも復興の波が押し寄せていた。  背が高くて兄貴分の勇(いさみ)、  色白小柄でお調子者の幸雄(ゆきお)、  東京出身で、元疎開児童のヒカリ──。  小学校の同級生だった三人は、戦争孤児になったあと、同じ蒲鉾工場に住み込みで働いていた。  15才になった今も、互いを心の拠り所として暮らしている。  ある日、三人に長岡の花火を見に行くチャンスが転がり込む。  慰霊の花火へ、出征して亡くなった兄や父、病死した妹、空襲で亡くなった親族への想いを重ねられたら──。  4ヶ月後の特別休暇を反故にされてたまるか、と仕事に精を出す三人。  しかし、運命の歯車は緩やかに軋み始め……。 【ミッドナイトチェイス 2021夏の陣】  街の修理屋様との一騎討ち企画第3弾、  今回のテーマは『戦争花火』。  ふたりの書き手が同じテーマで短編小説に挑戦します。  ルールは3つ 「読み切り短篇」「共通テーマ」「真剣勝負」  ぜひ読み比べてみてください。  直接・間接問わず、時代も立場も問わず、戦争によって奪われた全ての命のご冥福をお祈り申し上げます。  慰霊の想いを言葉の正三尺玉に込めて。

5.0

石嶋ユウ

届かない花火

5.0

石嶋ユウ

1949年の新潟。ヒカリと勇と幸雄の3人は慰霊のために打ち上げられる正三尺玉を見たくて、仕事の休暇を取ろうとしていた。だがある日の仕事終わり、海辺に居合わせた3人はとある事件に巻き込まれて…… 終戦から数年後の新潟を舞台に繰り広げられる3人の少年少女の青春。工場での毎日、数ヶ月後の慰霊花火、大切な人たちのこと。それらが確かな文章力で丁寧に表現されている。 これから大人になるという彼女らにとっての当たり前の日々は、一発の機雷によって吹き飛ばされてしまった。クライマックス、ヒカリの思いがひしひしと伝わってくる。大切な二人を失った彼女の心に正三尺玉花火は届かなかったのだろう。 彼女のそれからの人生に少しでも救いがあるといいなと思う。心に残る一作だった。

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ノベルアップ+ 純文学 2万文字以下

殴り書きの正三尺玉

 1949年3月下旬。終戦から4年の歳月が過ぎて、かつて長岡空襲で焼け野原となった街にも復興の波が押し寄せていた。  背が高くて兄貴分の勇(いさみ)、  色白小柄でお調子者の幸雄(ゆきお)、  東京出身で、元疎開児童のヒカリ──。  小学校の同級生だった三人は、戦争孤児になったあと、同じ蒲鉾工場に住み込みで働いていた。  15才になった今も、互いを心の拠り所として暮らしている。  ある日、三人に長岡の花火を見に行くチャンスが転がり込む。  慰霊の花火へ、出征して亡くなった兄や父、病死した妹、空襲で亡くなった親族への想いを重ねられたら──。  4ヶ月後の特別休暇を反故にされてたまるか、と仕事に精を出す三人。  しかし、運命の歯車は緩やかに軋み始め……。 【ミッドナイトチェイス 2021夏の陣】  街の修理屋様との一騎討ち企画第3弾、  今回のテーマは『戦争花火』。  ふたりの書き手が同じテーマで短編小説に挑戦します。  ルールは3つ 「読み切り短篇」「共通テーマ」「真剣勝負」  ぜひ読み比べてみてください。  直接・間接問わず、時代も立場も問わず、戦争によって奪われた全ての命のご冥福をお祈り申し上げます。  慰霊の想いを言葉の正三尺玉に込めて。

5.0

葉霜深海

花に隠れた痛切な毒にやられる青春小説

5.0

葉霜深海

相貌失認――他人の顔が見えなくなってしまう病を患い、特に女性の顔を認識できない主人公、早坂翔。そんな彼の前に現れたのは、唯一顔を認識できる少女、水瀬茉莉。 小学校で初めて出会い、中学校で距離を縮めていく二人。しかし、茉莉に惹かれていく中で、翔は彼女に秘められた陰を知る。 読みやすい文章に導かれるまま読み進めて行くと、終盤で待ち受けている毒に、翔共々苦しめられることになるでしょう。読了後も残る毒は、切なくも不思議と明るく爽やかな余韻を味わわせてくれます。 残酷な暗部を孕んでいるからこそ、咲く花は美しく尊い。痛切な毒でより美しさの際立った物語に、ぜひ痺れてください。

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小説家になろう 純文学 10万文字以上

その花は、夜にこそ咲き、強く香る。

『なんで、アイツの顔見えるんだよ』  相貌失認(そうぼうしつにん)。  女性の顔だけ上手く認識できないという先天性の病を発症している少年、早坂翔(はやさかしょう)。  夏休みが終わった後の八月。彼の前に現れたのは、なぜか顔が見える女の子、水瀬茉莉(みなせまつり)だった。  他の女の子と違うという特異性から、次第に彼女に惹かれていく翔。  中学に進学したのち、クラスアート実行委員として再び一緒になった二人は、夜に芳香を強めるという匂蕃茉莉(においばんまつり)の花が咲き乱れる丘を題材にして作業にはいる。  ところが、クラスアートの完成も間近となったある日、水瀬が不登校に陥ってしまう。  それは、彼女がずっと隠し続けていた、心の傷が開いた瞬間だった。 ※第12回ドリーム小説大賞奨励賞受賞作品 ※表紙画像は、ミカスケ様のフリーアイコンを使わせて頂きました。 ※「交錯する想い」の挿絵イラストを、テン(西湖鳴)様に描いて頂きました。

最近の「参考になった!」

『探偵部』の個性的なキャラが織り成すミステリーなキャラ文芸

「探偵部」なる怪しげな物がある高校を舞台に展開される連作短編ミステリー。 ステッキを持って不敵に笑う天才女ホームズと女ワトソンを始め、癖の強いキャラが登場します。トリックや謎解きもきちんとしているのもオススメポイント。地の文は癖がちょっとあるかもしれません。 連作短編をお探しの方、表紙も可愛いので是非一度クリックをば!

探偵、綺田冴子の推理奇談

彼は混沌とした世界に差す、光となるのだろうか?

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) あらすじの感じから、人というよりはこの世界自体が主役なのではないかと感じた。 何故人を鞘としたのか? とても奇抜な設定ではあるが、そうしなければ成り立たない何かがあるのだと思う。 女性を鞘とした必然性こそが、この物語の重要な部分でありオリジナリティを形成しているのではないかと感じた。 世界自体が主役と感じたのは、この理由によるものである。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) ある旅人が別の旅人と出逢う所から始まっていく。主人公は旅芸人の方だろうか? 彼らは旅芸人の誘ういを受け、近くの村まで同行することとなった。そこでこの世界について語られており、剣士は特別な意味を持つことが明かされていく。旅人たちが村につくとそこは活気がなかった。果たしてその理由とは? 3 世界観について 旅芸人:ファン、エル 旅人:フミ 女性の身体が鞘となり剣へ変化するには、儀式が必要。最初の村では、強い剣を得るためのプロセスが明かされていき、旅人それぞれの境遇なども明かされていく。いわば、世界観や舞台説明のプロローグのようなもの(物語や世界観を理解したり、掴むためのもの)だと言っても過言ではないと感じた。 この剣については、誰も彼もが持てるわけではなく剣士と呼ばれる者が所持しており、それは自分の妻ではなく他人の”妻”を奪って剣(鞘とする)に変える。何故妻なのか? これにはある理由があり、それは作中で明かされている。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・主人公に焦点が合っている ・伏線をきちんと回収している ・意外性がある ・悪がはびこっているようではあるが、ちゃんと爽快感がある ・設定がしっかりしている ・時代劇の好きな人が好きそうな構成である ・登場人物は多いが、名前のついている人物が少ないため、混乱しない 5 お奨めしたい部分 一章のみの話しの流れでの説明とはなるが、”絶望と希望を繰り返すことにより最大限の爽快感を読者に与えることができる作品”だと感じた。一章では話の流れや世界観、主人公の目的などが明かされているのだと思う。主人公は認めてはいないが、それ(ネタバレになるので詳しく書けないが)が旅の目的なのだと感じた。なので、方向性の分かりやすい作品でもある。 主人公の最終目的はなんだろうか? 行きつく先とは? 混沌としたこの世界に彼は光となるのだろうか? 見どころ満載の作品だと感じる。 6 物語のその先を想像して 主人公の目的が分かったので、この先は悪を成敗し世の中を変えていく物語なのではないかと想像する。 そして最終的には、この国 (世界)自体を変えていくのではないだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

女神の白刃

最近の「共感した!」

それはホラーか、それとも純文学か。強い引きと謎によって彩られた夜(ヨル)の記憶。

 神域である山や森で、また街や里からなんの前触れも無く人が失踪してしまう事件「神隠し」が多発するなか、主人公優の身に不思議な出来事が巻き起こる── *  この作品は、ジャンルがホラーになってこそいますが、様々なジャンルの融合体ではないかな、と感じました。  確かに根幹の部分はホラーなのかもしれません。ですがそれでいてミステリーでもあり、またヒューマンドラマでもあり、はたまた、純文学的でもある。  そんな本作の魅力を端的に表現すると、謎や仕掛けの多さであり、エピソードごとの引きの強さでしょうか。  度々挟まれてくる惨劇や、不可思議なイベントの数々に、「どうして彼女はこんな行動をしたのだろう?」「この先、どうなってしまうのだろう?」と気になり、自然とページを捲る手が止まらなくなる、そんな魔力に満ちた作品です。  三人称で綴られる物語なのですが、そこを上手く利用して、主人公である優の人格が、時々「ヨル」と入れ替わるところも本作の見どころ。  いまの発言ははたしてどっちのものなのか? 巧みな表現に翻弄され、思わず首を捻ってしまうことでしょう。  主人公──優と意識を共有している「ヨル」とは何者なのか?  感動の結末を、是非、見届けてください。 *  ──優が心の中でそっと囁いたとき、紋白蝶は飛び立っていった。壮麗なる青空に向かって。

長い夜

すっきりとした潮風

 潮風は纏わり付くようなじとっとした雰囲気がある。それがなんなのか、まぁ「一塩」なのかもしれない。  二人の内へ想像力が書き立てられるのは、現物が引き立てているのかなぁ(ご飯とかコーヒーとか本当に美味しそうに書かれていた)これぞ木を隠すにはなんちゃらだよなと思わされる筆力でした。  塩の匂いとすっきりしたコーヒー。寝起きに読んだのですが(個人的でどうでもいい話でしたね)朝読、気付けばレビューを書こう!というくらい頭が冴えました。寄せては返す漣のような作品。

Untitled:名前の無い地図

彼は混沌とした世界に差す、光となるのだろうか?

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) あらすじの感じから、人というよりはこの世界自体が主役なのではないかと感じた。 何故人を鞘としたのか? とても奇抜な設定ではあるが、そうしなければ成り立たない何かがあるのだと思う。 女性を鞘とした必然性こそが、この物語の重要な部分でありオリジナリティを形成しているのではないかと感じた。 世界自体が主役と感じたのは、この理由によるものである。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) ある旅人が別の旅人と出逢う所から始まっていく。主人公は旅芸人の方だろうか? 彼らは旅芸人の誘ういを受け、近くの村まで同行することとなった。そこでこの世界について語られており、剣士は特別な意味を持つことが明かされていく。旅人たちが村につくとそこは活気がなかった。果たしてその理由とは? 3 世界観について 旅芸人:ファン、エル 旅人:フミ 女性の身体が鞘となり剣へ変化するには、儀式が必要。最初の村では、強い剣を得るためのプロセスが明かされていき、旅人それぞれの境遇なども明かされていく。いわば、世界観や舞台説明のプロローグのようなもの(物語や世界観を理解したり、掴むためのもの)だと言っても過言ではないと感じた。 この剣については、誰も彼もが持てるわけではなく剣士と呼ばれる者が所持しており、それは自分の妻ではなく他人の”妻”を奪って剣(鞘とする)に変える。何故妻なのか? これにはある理由があり、それは作中で明かされている。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・主人公に焦点が合っている ・伏線をきちんと回収している ・意外性がある ・悪がはびこっているようではあるが、ちゃんと爽快感がある ・設定がしっかりしている ・時代劇の好きな人が好きそうな構成である ・登場人物は多いが、名前のついている人物が少ないため、混乱しない 5 お奨めしたい部分 一章のみの話しの流れでの説明とはなるが、”絶望と希望を繰り返すことにより最大限の爽快感を読者に与えることができる作品”だと感じた。一章では話の流れや世界観、主人公の目的などが明かされているのだと思う。主人公は認めてはいないが、それ(ネタバレになるので詳しく書けないが)が旅の目的なのだと感じた。なので、方向性の分かりやすい作品でもある。 主人公の最終目的はなんだろうか? 行きつく先とは? 混沌としたこの世界に彼は光となるのだろうか? 見どころ満載の作品だと感じる。 6 物語のその先を想像して 主人公の目的が分かったので、この先は悪を成敗し世の中を変えていく物語なのではないかと想像する。 そして最終的には、この国 (世界)自体を変えていくのではないだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

女神の白刃