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無限大の魅力を持つ君と一歩ずつ歩み寄った僕

日常と特別を往復するピュアな二人の青春物語

高校に入学した健は、同じクラスの高島さんに声をかけられ、ひょんなことから「数学会」という名の数学勉強会をすることになる。 健は最初は高島さんの考えがわからなかったが、二人で何度も勉強会やデートを重ねる度に、健は高島さんの数学への思いや、自分の高島さんへの思いを感じ取るようになっていく。というお話。 物語は基本、勉強会を中心とした日常が描かれる。その中で、定期テスト、体育祭・文化祭、長期休暇といった「特別な日」が挟まれる。 高島さんは非常に快活でな女子高生である。健とふたりきりの時間を過ごしていても、さっぱりとしていて、一見、健の片思いのようにも見える。 特別な日においても、とびきりの出来事が起こるわけでもなく、健は常に残された高校生活の時間を気にしていた。 しかし、その中でも、高島さんの僅かに気持ちが表れる言動がある。 健はそのささやかな言動に気付きはしているが、確信するまでにはいかないので、読んでいてこちらがもどかしい気持ちになってしまう。 その二人の近すぎず、遠すぎずな距離感と、日常と、特別な日と、僅かににじみ出てくる二人の気持ちがとても純粋で、初々しくて、全ての時間が大切なものになっている感覚にもなる。 主人公、山口健の一人称で物語は進む。そのため、健の高校入学時から卒業までの高島さんへの思いの変化が素直に描かれている。健が自分の気持ちが分からない様子、自分の感じているものに確信する様子を読み取ることができる。 一方、高島さんの気持ちは、健の目を通してでしか見えない。読んでいる側としては、高島さんの気持ちは分かるし、察することもできるが、でも健はその行動を認知していても高島さんの本心までは察することはできない。それがもどかしさに繋がっていたように思う。 セリフからは高島さんの元気っぷりが表れていて、高島さんの可愛らしさが描かれていた。 高校生の日常、その全てが青春で輝いていて、全てのページが愛おしい作品である。

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月瀬沙耀

最近の「いいね!」

聖女様は残業手当をご所望です ~王子はいらん、金をくれ~【Web版】

浮浪児から聖女へ! 果ては王子の嫁!?

ストレートチルドレンとして暮らしていた六歳児がある日教会に聖女として拉致されてしまいます。 歴代の聖女は誰もが指名されるまま聖女になっていましたがこの主人公はただ働きはしないと宣言し、なんと教皇猊下からお給金をもらって聖女のお仕事をしているのです。 そんなお金大好き聖女様ですが、お仕事はきっちり聖女としての顔を振りまきますし、その力は本物。はちゃめちゃながら色んな問題をどんどん解決していきます。 王子様からの求愛もなんのその、住み込みで働いているだけなので人気が終わったら街へ戻るのだと息巻きながら、普通では考え付かないような振る舞いで聖女として大活躍していきます。 世界観、宗教観も楽しくて皮肉気でありつつ図太く可愛い聖女が最高です。 聖女は希望通り一般人に戻れるのか!? 聖女のはちゃめちゃな日常を楽しみながら結末を見てください!

雨の国

語り手を通し、「異国の地」を敬意を持って描いた作品

かなり前、恐らく8〜9年くらい前に読ませて頂いた作品ですが、今でも心に残っている1作です。 というか、この作者さんの作品は大抵心に残っています。 冒頭から丁寧な描写で、ゆっくりと物語に引き込んでくれます。 語られる雨の国の素朴な生活や人々の描写も興味深かいものでした。 こういう風に、その土地そのものや、そこで生きることの意味をしっかり作品から感じられるところが本当に素敵だなと思います。 それに、何より、仕方なしに生まれていったしきたり、考え方を否定するような結末にならずに、逆にその土地で培われた少年や少女の優しさや強さがラストから感じられて、とても良かったです。 最終的に肯定にも否定にも結論をつけられない主人公の立ち位置も良く、主人公ではなく、主人公を通して「異国の地」を描いているという印象の作品です。 そのおかげで、読み手も偏った見方ではなく、ある種、その多くの風習に敬意を持って読めるのが、いいな、とも思いました。 ラストに垣間見える希望、未来への期待も心地よかったです。 個人的にはイアン君が好きでした。 やさしそうじゃないのにやさしい男の子って、いいなと思います。 読ませていただいたことを感謝したい作品です。

私は壁になりたい

真面目に読むと実は結構詰んでる(※真面目に読むものではない)

 進路希望調査票に「壁」と書いてきた女子生徒との、一対一の進路相談に挑む女教師のお話。  テンポよく切れ味のあるコメディです。場面固定かつ一対一の掛け合いという形式で、特に語り口の起伏や言い回しの妙で引っ張っていく内容となっており、つまりはショートコントのような軽妙な掛け合いの妙味を、小説という形式の上に再現しているところが魅力的です。  普通にコメディとして楽しく読んでいたのですが、でもこれ真面目に読むと実はものすごい勢いで詰んでいるのでは、というところもなんだか愉快でした。真摯に生徒のことを思ういい教師ではあるのだけれど、でも生徒自身の自主性を尊重しすぎた結果明らかに悲劇を助長している先生。そして想像以上にどうしようもなかった『壁』の正体。一切の遠慮なく一方的に垂れ流される欲望のおぞましさに、自身に向けられた暴力性すら跳ね除けようとしない先生の健気さ(あるいはヘタレっぷり)。読み終える頃にはなんだかDVによる共依存にも似た関係性が成立しつつあるようにすら読めて、いやもしかしてこの人らある意味相性ぴったりなのではと、そうごまかしてはみたものの結構身につまされる部分もありました。人の振り見てなんとやら。  単純に個々の掛け合いそのものも面白いのですけど、でもこうして見ると「いやいや結構な惨事ですけど?」と、そんな状況をでもサラリと飲み込んでしまえる彼女らのタフさにも笑えてしまう、つまりはしっかりキャラクターの魅力をも見せてくれる素敵な作品でした。

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