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僕は君と踊る夢を見る

互いの本当の気持ちをさらけ出し、心が結ばれるところから始まる物語

【あらすじ・物語について】 主人公が社長室へ赴くと、主は霧雨が降っているにも関わらず窓を開けたまま、長椅子で仮眠をしていた。そこから明かされていく、国の情勢と彼の最近の事情。その後、二人の出会いなどが語られていく。 この物語は二人が結ばれるまでではなく、二人の想いが一つになっていくことから展開されていく。主人公の友人であり雇い主が、主人公を夜会へ”連れて行く”という話から過去にあったことや、隠してきた気持ちなどが明かされていくのである。結ばれるところから始まる物語。タイトルに年代が記されていることから、過去のエピソードなども描かれていくようだ。 【登場人物について】 中等部二年の時、あることがきっかけで親友以上の関係となる。 主人公であるオリヴィエは、元々感情を表に出さない世渡り上手なタイプだった。しかし、ラウールに対してだけは変化が訪れる。 彼に出会うまでは、誰とでも(固定ではなくという意味合いであり、誰でもいいということではないが)情事を重ねるような人物であり、相手に対し執着はなかった。そんな自分自身を周りがどんな風に感じているのか? どう思っているのかは、冷静に把握している印象。しかしあることをきっかけに、変わっていく。それほどに彼にとってラウールは特別だったと言える。 手放したくない相手であるにも関わらず、社会人となってからは彼の大切にしているもの(家)を優先、尊重し一歩引いた状態で彼を支えていく。我を通さず、立場を弁え自分の気持ちを犠牲にするなど、それが出来るのは愛あってのことだと思われる。ただ、周りは主人公の方針に賛成はしていない様だ。ちゃんとしたポストで、彼を支えて欲しいという期待があったと言える。 【良い点(箇条書き)】 ・言葉の選び方が美しく、表現も綺麗である。その為、優雅さを感じる。 ・主人公がどれほど彼に夢中になったのか、心情や行動から伝わって来る。 ・ジャンルはBLであり、BLの要素(男性同士が恋愛をする前提のジャンル)を持ってはいるものの、ヒューマンドラマ主体であると感じた。 ・言動などの描写や心情などが丁寧であり、舞台である世界観も細かく設定されている。 ・BLというジャンルにありがちな同性間恋愛に対する偏見描写がなく、どちらかと言うと男女ではなく一人一人の”人間”という印象なので、とても読みやすい物語だと感じた。 ・焦点が二人に合っている為、全体では登場人物が多いようには感じるが、分かりやすい。 【物語の感想】 身分のある世界観が舞台ではあるが、同性だから結ばれない、身分違いだから結ばれないということではなく、主人公の想い人は家を守るため(繁栄)に子孫を残さなくてはならない使命があるように感じた。その為には女性と婚姻し なくてはならず、主人公もそれを望んでいる印象を受ける。 心に秘め傍で支えるというのは、深い愛がなくては難しい。人は身勝手な生き物だ。このような境遇の場合、自分の愛を突き通す者もいれば諦めて他の人に目を向ける人もいるだろう。しかし主人公の気持ちは変わらなかった。例え結ばれることがなくても、一生尽くそうとしている。なかなかでできることではないと感じた。 *33ページまで拝読 【物語全体の見どころ】 一話では過去の話しが出てくる。その場で終わりではなく、その時のエピソードは別の話にて詳しく描かれていく。この作品には番外編もあり、他の人物視点から語られていく物語もあれば、秘めた想いが明かされていく物語もある。 一番の見どころは、主人公の変化にあると感じた。彼がラウールの意外な一面を知り、それまでの苦手意識が払拭されるどころか、彼に陶酔していく。しかもその陶酔の仕方は自分勝手なものではなく、彼の意志も尊重するものであった。相手を想うからこそ、大切だからこそ自分を犠牲にできる。しかし周りの望むものと、自分の行動には溝(隔たりや差)がある。 彼が許さなくてはならないのは、自分自身なのかも知れないと感じた。それは罪や罰のようなものではなく、一線を超えたり、望んではいけないと思い込んでいることからの解放という意味合いだ。 そして彼らは、心が結ばれるところから始まっていくのである。その後に続くエピソードは、周りのもどかしい気持ちや、二人の過去などである。魅力の詰まった物語だと感じた。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

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crazy's7

君と初恋をもう一度

一途な彼と鈍感な主人公。二人の恋の行方は?

【簡単なあらすじ】 ジャンル:BL 高校3年の主人公がある日帰宅すると、父がある青年を同居人として連れてきた。彼は大学に通うため下宿するとの事。彼は美しい青年であり、はじめの頃は自分に対しての彼の接し方を不快に感じていたが、段々と別な感情が芽生えていくのだった。果たして彼の気持ちの正体とは? 【物語の始まりは】 父が家にある青年を連れて来たことから始まっていく。彼は主人公より年上であり、大学に通うためにうちに下宿することとなったらしい。彼は美しい青年であり、主人公は彼に対し心がざわついてしまう。彼に対しての主人公の気持ちの正体は一体なんだろうか? 分からないまま新しい生活が幕を開けるのだった。 【舞台や世界観、方向性】 舞台は現代である。友人が同性同士の恋愛に偏見を持っていないように感じる。(個人的にはとても良い印象)タイトルと物語が繋がった時、物語は新たな展開を迎える。 【主人公と登場人物について】 主人公は高校三年生の男の子。我が家に父がある大学生を連れて来たことから、主人公の生活は変わっていく。 どちらかというと、相手は打ち解けており主人公が戸惑っているようだ。 主人公の言動から彼が真面目な人物であることが伝わって来る。 彼の友人の想いを寄せる相手は異性ではあるが、主人公と同居人の関係に対し気持ちを探る様な言葉をかけていることから、少なくとも友人は同性だからという偏見を持っていない印象。 【物語について】 主人公は幼い時に恋をした記憶はあるものの、現在は恋人はいない。父の連れてきた同居人に特別な想いを抱きながらも、その気持ちの正体がわからなかった。彼にはいつも一緒に行動する二人の友人がいる。その一人がもう一人の友人のことを好きだということを打ち明けられる。うすうすその事に気づいていたこともあり、二人を応援する気持ちは本物だが複雑な心境になる。二人のことから自分自身も”恋”について考えるようになる。 主人公は日常で起こるいろんなハプニングにより、段々と自分の気持ちに疑念を抱いて行く。それはいずれ自覚に繋がっていくのではないだろうか? 果たして、二人に訪れる結末とは? 【良い点(箇条書き)】 ・日常にBLBLしさが無く、友人との恋愛が同時進行しており自然な感じがとても良い。(BLが好きでない人でも読みやすい) ・友人が同性同士の恋愛に偏見を持っていない印象があり、個人的に好印象を持った。 ・伏線が分かりやすいのだが、分からないように持っていっているのが面白いなと思う。 ・主人公が恋と自覚するまでの経緯が丁寧だと感じた。 ・タグにハッピーエンドとあるのだが、くっついて終わりという物語ではない。恋愛は付き合うまで、付き合った後も悩みはあるもの。日常系でもあるので、それらも描かれている。 ・友人が活かされている。(飾りではなく、彼がいるからこそ進展する部分もある) ・物語の流れはテンポが良いのにも関わらず、主人公の心情が分かりやすく、どうして心が変化していくのか? 過程が丁寧に描かれていると感じた。 【備考(補足)】9ペーじまで拝読 【見どころ】 ドラマチックな物語である。タイトルと物語がどう繋がっていくのか? 伏線を散りばめられはているが、主人公はその事になかなか気づかない為、読み手の方がうずうず(じれじれ)してしまう。 くっついて終わりという物語ではないので、主人公が段々と自分の気持ちを自覚していく様子も楽しめるし、お付き合いした後の展開も楽しむことができる。特に、同性間でも異性間でも悩みというのは変わらないと感じている。この物語でとても良いなと感じたのは、友人のッ主人公に対する姿勢。偏見描写もなく、応援したり相談に乗る姿が好印象。友達とはこういうものなんだなと、ほっこりした気持ちにもなれる。また、主人公と相手が惹かれ合っているのが伝わって来る。とても素敵な物語だなと感じた。 あなたもお手に取られてみてはいかがっでしょうか? お奨めです。

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crazy's7

八七六〇時間の忘却

 まず、サイト掲載されている作品紹介文(内容欄や概要欄とも言いますか)の言葉に刺さるものがありませんか?私はそれで入ったのですが。とはいってもあまりあらすじというのを最初に読まない派です(笑)  ですが始め、パッと目に入った言葉で作品を読みました。読み終えたあとに「なるほど」と思いました。何が言いたいかって、作品まとめですらも光る言葉選びが出来る作者さんだなと思います。  内容も勿論あらすじ通り、刺さりました。これはセンスとしか言いようがなく。    曖昧な人間関係、勿論物語ですからオチがあるわけで、投稿サイト故にエンタメなオチなのかもしれませんが、作品全体をみると、もう少し深く掘り下げてある。そう、猫ってとても神経質な生き物ですよね。間違ってしまうと病んでしまう、難しい生き物で。  それをどう受け入れるか、…彼はとても優しく、いや、彼らは優しいのです。臆病なことは人間いくらでもある。  対人間という機密さをこの作者さんはよくみているなと思います。故に、優しい。その上で“刺さる”のです。  彼らの生活を是非、読んでいただきたい。少しだけ世界が明るく見える…気がします。

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詩木燕二

どこの、世界の。(短編集)

確かに

 タイトル通りですね。どこの世界のなんだろう…これは、と、“一括りコンテンツ”としてもしも、ブラバする人がいるとしよう(BLてだけでブラバする人へ)勿体ない。  そもそもですがBLなんて言葉はここ10年未満で出来た造語でこの分野はさ迷っていたんですよ名前すらね!(ブラバしてしまう人へ)  いや…却って先入観ありで開いた方が実は驚き衝撃みたいなのがあるのかもな…うーん、恋愛SF純文と色々あり、ただ共通軸が「BL」てだけで。読んでタイトル、表紙をみれば「確かに」に至るでしょうか。  恐らく、何か思い付いた時用の短編集かと思いますので完結、て感覚ではないと思う、きっと1ページの物語がこれからも増えていくでしょう。オムニバス。 前置きが長くなりましたがそれを踏まえて…、すごい、1ページ1ページ色が違う。  あと、最初気付かなかったのですがSSメーカー?の画像。あれから繋がってるんですね。大体あれって宣伝で皆様使っているイメージがあったので「1ページ、見映え、視覚の情報」を捉えて「あぁ1ページの“作品”だ(芸術的というか)」と思いました。  この作者様、読書好きだろうなきっと。  個人的な感想、1ページ1ページ色が違うと申しましたが私は「命短し恋する青年の話 花の涙」が好きですね、5話目にあるんですが↑踏まえて凝縮してあり捻れている。どこにいたんだっけと…。  入り出し綺麗、ボリスの「うたかたの日々」っぽさもあれば、あれ?くねっと捻れて田山花袋来た?みたいな前後不覚感があって。(別の作者さんを例えに使ってすみません)  まだ、話数はあまりありませんがいまのところまで全部読むと、作家さんを出しましたが、色々な色があるからこそ芯に「この作者さん」の色が1本立っている気がします、多分、アイデア面かなぁ?(ゲシュタルトとシミュラクラの使い方とか)  面白いです。さらっと読んでも多分後でまたふっと考えるだろうし、1ページずつじっくり読んでも味があります。是非ともお手元に。

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詩木燕二

司祭の国の変な仲間たち

家から逃げ出した少年が出逢った彼とのその先は……?

【物語は】 ある人物が何かから逃げている場面から始まる。この物語にはまず、二つの国が出てくるようである。一つは本作のメインの舞台になるであろう、温暖な気候の司祭が集う国、アストレーゼン。そしてもう一つは、隣国。その中に寒い地域であるシャンクレイスという場所があるようだ。冒頭で出てくる少年は、このシャンクレイスからアストレーゼンへ向かったのではないかと思われる。果たしてこの先、少年にはどんな運命が何が待ち受けるのだろうか。 【舞台・世界観】 司聖とは? オリジナル要素だと思われる。(読み方不明)アストレーゼンという国では司祭の頂点として司聖がおり国を治めているようだ。国王はいないが、実質的な国王の立場にあたるのだろうか?(この時点では、まだどのようなシステムなのか、把握しきれない) 本編に入ると、二人の人物が出てくる。二人は実質この国を支えている人物であり、一人は名前の中に国の名である”アストレーゼン”が含まれる。彼は司祭の長であるが、名前に国名が含まれることから、とても良い家柄のものなのではないだろうかと想像する。この二人がどんな人物なのか、ここで説明されている。 続いて護衛宿舎の近くにあるのだろうか、広い練習場に場面は移る。ここでは恐らく、この物語で重要人物の日常風景について明かされていると思われる。つまり、この物語では”司祭”には護衛がつくという事だ。あらすじに”司祭が集う国”とあることから、その数は多いと想像できる。 更に物語を読み進めると、”司聖の登頂上”という言葉が出てくるので、司聖をまとめるものがいるのではないだろうか。 第一章では主に、この国のシステムなどが明かされていくようだ。 【登場人物について】 司祭の頂点ロシュ 補佐役オーギュ 美少年剣士リシェ 大男剣士ヴェスカ 恐らく、メインの登場人物はこの四人だと思われる。視点切り替えのある物語だ。司祭の頂点ロシュについては、仕事をサボって居眠りをしたりと、一般人と同じような性質も持っているように感じた。かなり高い地位にいるものの、人間らしさも持ち合わせているという印象。 美少年剣士リシェについては、とても世渡りの下手そうな人物である。周りと上手くやろうという気持ちは一切感じられない。彼にはなにか抱えるものがあって、そうなっている可能性もある。 大男剣士ヴェスカについて。とても人間らしさを感じる人物だ。リシェの非礼な態度にストレートに感情を表す。確かに、そもそも彼を性的対象として扱う彼らに問題があると思うが、どっちもどっちという印象である。不快だと思いながらも、修行(強くなるため)に訪れる者。ここが練習のための場所と知りながら、セクハラに値する視線を送る者。互いに不快感を表しながら生活しているのは、大変そうだなと感じた。 【ロシュとリシェ】 恐らくこの二人の関係がメインなのではないだろうか? この物語の舞台や世界観の説明の後、二人が出逢う場面がある。そこでは、”登場人物について”で記載した”リシェ”の印象は変わる。それほどまでに、好意を寄せているという事である。そうなると、彼の普段との違いに見どころがあるのではないかと感じた。 二人の出会いの場面では(正しくは再会のようだ)、急激に仲が深まるということはない。しかし、ロシュの方も彼を意識していると思われる。 【物語の見どころ】 この物語は、主人公の一人が家から逃れ、隣国にやってきたことを発端として始まっていく。読了済33ページまででは、まだ主人公が明確に冒頭の人物であるとは書かれていないが、恐らくそうなのであろう。しかし、まだ初めてあ出逢った時のことが詳しく語られてはいない。あらすじには”一目惚れ”とあるので、これについてのエピソードは、そのうち詳しく明かされていくのではないかと想像する。 再開の後は、簡単には進展しないように感じた。つまり、再び会うことになるには、何か特別なエピソードがあるのかも知れない。二人がこの後、どのように再会し、どのように仲が深まっていくのかが、最大の見どころなのではないだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? オリジナルの世界観で繰り広げられる、個性豊かな登場人物の物語です。彼らのこの後を、是非その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7

++  月  ノ  夜  ++

素敵な始まり方の物語

【物語は】 いつもと違う親友から告白を受けるところから始まっていく。恐らく主人公にとって親友は恋愛対象ではなく、自分の価値観としては男同士で恋愛ということに、結び付かなかったのだと思う。まず、何故彼が男である自分を恋愛対象として選ぶのか。自問自答していく。 【登場人物の魅力】 親友は、異性愛者なのだろう。親友の告白をすんなり受け入れることが出来ず、まず理解しようとするところから始まっていく。考え方が違うが、相手をはねのけるのではなく、理解しようと詰めるところが素敵である。それでも、すぐに理解することが出来ず、苦悩する。 自分が異性愛者であれば、当然の反応だと思われる。 複雑にしているのは、相手も根っからの同性愛者ないからなのだろうか。 答えが出ないのは、何故自分なのかという事が分からないからなのかもしれない。親友も、単に想いを告げるだけで彼の疑問を解消してはいない。すれ違ったまま進んでいく二人の想い。どうなっていくのだろうか。 【物語の魅力】 綺麗な情景と澄んだ空気。まるでそれは純愛を表しているようで、素敵な始まりだと思った。(月と冷たい空気により感じたこと) どんな状況で相手が覚悟を決めたのかが伝わってくる。 ここで思う事。直ぐに返事を貰わないのは期待の意味があると思う。よく考えて貰えば、うまく行くのでは?という想い。そして反対に、返事を先延ばしにしたいという心理もあるだろう。 この時、親友は何を思っていたのだろうか。 少なくとも、食事に行ったりするような仲であり打ち明けても偏見で見る様な相手だとは思っていないと思う。 そんな二人が、少しずつ心を通わせ、答えを出していくのだろうか? (主人公は、まだ理解が追い付かない状態な為) 【物語の見どころ】 告白から始まる物語。恐らく、主人公が相手の気持ちを理解し、自分自身の気持ちと真摯に向き合っていく過程に見どころがあるのではないだろうか? そして、段々と自覚し、両想いになりその後という流れではないかと想像する。親友サイドもあるので、両側の気持ちを見ることが出来る。 あなたも、お手に取られてみませんか? 告白のその行方。是非、その目で確かめてみてくださいね。

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crazy's7

手折られる花

想像力を刺激される、文学的な物語。妄想すら掻き立てるエロスにも注目。

【物語の概要】 物語は主人公が、自分とは正反対の同級生に性交を迫ったことから始まる。彼は恐らく、主人公にとって特別な存在であるが、恋愛感情よりも好奇心や嫉妬、承認欲求などが勝るように見える。田舎という環境もあり、自分の気持ちと向き合うよりも先に、周りの目が気になり、相手からの好意や興味を待たれることに嬉しさを感じてはいるものの、自分に素直になる余裕はないという印象。 【凄く文学的な印象の作品】 一時期、日本文学にハマった時期があり、この作品を読み始めて田山花袋の”蒲団”。志賀直哉の”暗夜行路”がポッと浮かんだ。文体自体を指しているわけではなく、凄く文学的に感じる文章と構成、物語が印象的である。冒頭に『手折る』についての記述があることから、この同級生が『道端の花を手折る』という場面において、物語の裏側、もしくはもう一つの意味を想像してしまう。 それは何かといえば、『道端の花』=女性を指しているのではないか? と思ってしまうことにある。 つまり、物語では確かにこの同級生は道端の花を手折っているが、実際は女性との性交を指しているのではないだろうか、と妄想してしまうのだ。見たままではなく、深く読んで真実を探す。それが文学である。 【登場人物の心情の推移】 自分が言い出したことに、おじけづく主人公。これは不思議な事ではない。男性は男性を受け入れるために作られた身体の構造をしていない。本心からの言葉であっても、冷静になれば怖気づくはずだ。それが未経験であれば、なお更。もちろん、自分には話す相手も彼しかいないのに、誰からも好かれる彼を興味を自分に向けられたなら優越感に浸れるという理由もあるだろう。自分の衝動的な言動的で、二人の歓迎が終わると思っていた主人公であったが、事態は思わぬ方向へと展開していきます。 連載中で、まだこの先どうなるのか分かりませんが、冒頭では現在から回想となっているので、いずれ現在の場面へ繋がると想像できる作品。続きがとても楽しみです。 あなたも是非、お手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

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crazy's7

向日葵とりんご飴

タイトルの意味を知った時、愛の深さを再確認する

【飛んでもない奴だなという印象は】 物語は、冒頭部分から吹き出すやり取りに、一体どんな話なんだろうか?と興味が湧く所から始まる。主人公であるギターボーカルの彼は、一見チャラそうで、軽そう。しかし、誰とでも気軽に話せるような、屈託のない人物に見える。そんな彼が好きになった相手は、自分とは正反対ともいえる性格の相手だった。どんなに求愛しても手に入らない相手。本気なのに信じて貰えない理由は、なかなかわからないまま。しかし、諦められない主人公は、彼と祭りにいく約束を取り付けるのだった。 【酔いから始まる二人の行く末】 この物語は、一見軽そうな主人公を、好きだけれど信じられないから拒むという印象で始まる。そのため、初めのうちはベースの彼が不憫に見える。しかし、何故主人公がこんな振る舞いであるのかに気づいた時、ベースの彼同様、主人公に対する見方は180度かわる。自分から見た自分と、他人から見た自分が合致しないことが、いまいち理解できない主人公。彼は、単に自分に素直なだけで、チャラいというわけではないのだ。見た目がどれほど印象を決めてしまうのかという事を、読者に気づかせてくれる物語でもある。そのため、読者は自分の日常を思い浮かべ、似た体験を思い浮かべることとなるため、主人公の境遇を理解しやすい。 【好きだと気づくと同時に知る、彼の闇】 いつも明るく振舞っている主人公だが、本当は底なし沼のような寂しさを抱えていた。今まで、同性を好きになること、恋愛として興味を持つことのなかった主人公の心の扉を開けたのが、まさしく彼が想いを寄せる、ベースの彼だったのだ。主人公は、彼ならば自分を救ってくれると、本能的に感じたのかもしれない。この物語は、主人公の抱えるものを知った時、純愛であることに気づく。 【分かたれる道】 主人公の目指したかったモノ。この物語は、恋愛と夢という二本柱で構築されている。しっかりとどちらにもスポットが当たっている上、現実的な厳しさも備えている。簡単にめでたしとしないからこそ、リアリティを感じ、主人公の周りの人物の考え方が浮き彫りになり、応援したいという気持ちになる。そして、物語に厚みをだしているのだ。人生には簡単に思い通りにならないことがあり、それでも諦めずに頑張っていれば、いつかは叶うのだというメッセージも読み取れるのだ。 一見、純愛に見えないのに、気づけば「やだ純愛じゃないの!」ときゅんきゅんしてしまう物語です。 自分でもこういうことあるよな、わかると共感できる部分も多い作品です。 是非お手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

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crazy's7

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小説家になろうファンタジー連載:53話

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小説家になろう恋愛連載:30話完結

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小説家になろうヒューマンドラマ連載:88話完結

目的は生き延びること

展開は重めだが、『物語』として面白くて一気に読み終えた。 最終的にヒロインに想いを寄せる相手が、半分血のつながりのある義弟と、そうとは意図しないままヒロインを追い込んで、心と体に傷を負わせる原因を作った婚約者の王子の2人なのが、ああーーー……という気持ちに。 恋愛ものではないので、二人とヒロインがどうなるかは描写されないまま終わるが、個人的には義弟派。