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純愛戦線~俺の幼馴染みは戦場の女神になれない~

意外なところで繋がる彼らの糸。どのように解決に導かれるのだろうか?

【組み合わせ・舞台】 長年片想いで一筋なモーリス(だが非童貞)とツンデレ拗らせて素直になれないサリー  舞台は現代から一千年後の世界。  高度な文明を築いていた人類は、突如として現れた大自然の化身によって滅ぼされた。人々は住むところを追われ、細々と生きていくしか道はなかったようである。  だが一千年前、ある神の齎したものにより戦況は変わる。  人間は諦めるしかなかった現状に、希望の光を見たのだろう。  魔法の使える世界であり、人間たちは手に入れた力により異形の獣(魔物)と戦っている。 【物語の始まりは】  ピンチに陥ったモーリスの元へサリーが助にくる場面から始まっていく。  そこから世界観や戦闘に関するシステム、二人の性格の分かるエピソードが語られていく。 【主人公たちと登場人物について】  モーリスは一途なのが伝わらないほど、軽い感じの印象。ポジティブな考え方をし、それを口にするものの本心までは分からない。もしかしたら相手の冷たい反応に対し、心の中では落ち込んでいるのかもしれないと、思っていたが読み進めるとちょっとズレたタイプであるということが分かってくる。  よく言えば恋は盲目。悪く言えば、周りが見えていないタイプのようだ。  サリーに関しては、塩対応という印象。それでも冷たいというわけではなく、態度に出さないタイプというのが近いと思う。心配はしているはずだが、普段からこういうやり取りをしているなら、なかなかその時だけストレートな反応というのはできないものだと思う。 【物語について】  この物語は戦闘シーンから始まっていくが、戦いなどがメインではなくモーリスが怪我をしたことにより、次々といろんな問題が連鎖して起きる物語である。  主人公のモーリスはケガによりしばらく療養することとなった。その間、候補生の一人に異変が起きる。その彼はモーリスのケガの原因に関係していたため、彼が責任を感じているのかと思い話を聞くことに。  しかし彼が集中できなくなっていたのにはもっと別の理由があったのだ。  このままでは良くないと、彼の問題に関し調査に乗り出すが意外なところで事件は繋がっていたのである。 【見どころ】  始まり方からは、戦闘シーンの多い物語だと思ってしまうが、どちらかというと探偵物語に近い。  主人公はモーリスとサリーだと思われるが、候補生であるケイとその幼馴染みの清良との恋を巡っていろいろと画策などをし解決していくことが二人の目的の中にある。  モーリスはその性格ゆえに、一途であることを信じてもらえないように感じるが、サリーの本心は分からないもののケガをさせてしまったことを後悔しているシーンもある。 ケイと清良の恋愛事情については、サリーも無関係ではなく複雑な心境に。  ただの恋愛事情ではなく、軍内での上下関係や裏取引など複雑に絡み合い一筋縄ではいかぬ状況。果たして二人はこの幼馴染同士の恋を解決に導くことは出来るのだろうか?  そしてモーリスの恋は報われるのだろうか?  この物語の結末を、ぜひその目で確かめてみてくださいね。お奨めです。 *備考2-5. 心に残る男の影①まで拝読

5.0
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crazy'[email protected]レビュー&作品紹介師

不思議なカレラ @仮完結 只今最終校正中につき

少女が出生の秘密を知る時、歯車は動き出す。

【物語は】  主人公の一人が人間界から魔界に迷い込んでしまうところから始まっていく。彼女の行動により、ここがどこであるか分からなくとも、元の世界とは違うのだということが伝わってくる。  元の世界は人間界ではあるが、現代社会から異世界へではなく仮想世界から仮想世界への転移のようである。 【w主人公だと思われる】  主に人間界から転移した少女と魔界にいた少女との二視点から物語は展開されていく。  二人は性格が違うが、なかなか気の合う相手のように感じる。  魔界にいた少女はルミネと呼ばれている。  しかし人間界から来た少女に関しては少女と現わされている。  途方に暮れていた人間界の少女はルミネと出逢うことで、自分の身に起きていることを知り、その後この世界で一番偉い人物に会うことになるが、それがターニングポイントとなるのではないだろうか? 【世界観・物語について】  マナとオドという二つの重要なキーワードが存在する。  独自のシステムが構築されており、簡単に言えば人間と魔族は異なった方法で魔法などを使っているということ。  そして少女は人間界に来る過程で、能力などに異変が起きていた。    人間界から来た少女は早くに母を喪っており。父に育てられた。その父がハンターであり彼女はその父の影響を受け、ハンターとなった。  しかしその父も狩りの最中に他界。帰らぬ人となってしまう。  そんな彼女は、転移した先の魔界で自分の出生の秘密を知ることになる。  この時点では、誰も人間界へ戻る方法を知らない。  彼女は人間界へ帰ることは出来るのだろうか? 【物語の見どころ】  ハンターの少女は突然この世界に飛ばされたのだろう。  気づいたら真っ暗な中にいた。飛ばされる前の恰好のままであり、文明を駆使し状況を把握しようと試みるが、その機器が正常稼働しない。  その上、何かに襲われ怪我を負ってしまう。    途方に暮れる彼女の元に現れたのは、研究者であり伯爵令嬢のルミナンテ・ウル・ルネサージュと名乗る少女であった。  彼女は父の許可が無ければ外出すらできない身。  こっそりと二人で話をしていたはずが、想定外のことが起きてしまう。  このあとルミナンテ・ウル・ルネサージュことルミネの策により急展開を迎えていくが、彼女の出会いはターニングポイントというよりは伏線と考えて良いだろう。少女の出生の秘密が明かされることがターニングポイントとなる。  少女を元の人間へ返す方向で話は進んではいるものの、現時点で魔界にその方法を知る者はいない。その上、このことが引き金となり少女とルミネは激動の中に否応なしに巻き込まれていく。  あなたもお手に取られてみませんか?   この物語の結末をその目でぜひ確かめてみてくださいね。お奨めです。 *備考……策と紹介と反乱と横槍まで拝読

5.0
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crazy'[email protected]レビュー&作品紹介師

電脳猟兵×クリスタルの鍵

主人公が選ぶ未来とは? アクションが見どころのSF、群像劇。

【物語は】  序章のニュースにて幕を開けていく。  主人公は賞金稼ぎ。この賞金稼ぎには、いろんな制約があるようだ。実際に彼らが活躍する場面から始まっていく。  その中で、賞金稼ぎとは実際どんなことをするのか? などが明かされていく。  彼らがこの時、対峙した相手とは? 【物語・世界観について】  ある事件から物語は始まっていく。クリスタルというものが情報の媒体になっているのだろうか? この時見つけたクリスタルから引き出した情報は、主人公にとって何か因縁があるものが混ざっていたらしい。  その詳細については今後明かされていくものだと思われる。  この世界の全員がそうなのかは分からないが、彼らにはナヴィゲータというものがいる(ある)ようだ。この電脳システムについては、まだ詳しく分からないが。  そして、それぞれのナヴィゲータ(電脳空間を渡る擬似人格)は性格が違うようである。  「」の形の種類によって会話がどこで(*)なされているのか、分けられているようである。 *「どこで」とは、電脳や表の会話など。 *かなり特殊な書き方をしていると感じた。 【登場人物について】  主人公の他によく登場するのは、同業者のロジャーという人物である。  主人公であるジャックは硬派な感じがするが、彼はどちらかというと軟派な印象。  その上、自由人のイメージを持った。  それぞれのナヴィゲータとのやり取りは、個性が出ており二人の性格が分かりやすいものとなっている。  序章で手に入れたデータに対しての二人の反応は異なる。ジャックは乗り気ではなさそうだがあらすじの内容からすると、いずれ考えを変え自ら関わっていくのかもしれない。 【物語の見どころ】  かなり特殊な書き方をしていると感じた。  「」などの後を改行しない部分が多くあるため、怒涛の勢いでストーリーが進んでいるような印象を受ける。  全体的にスピード感のある物語である。ただ、好みは分かれると思う。  男性のような話し方の女性が出てくるので、彼なのか彼女なおかいまいち掴み辛い部分もあるが、この物語はロマンスよりもアクション重視の物語だと感じた。  主人公が冒頭から続く事件の後、ロジャーと別れ帰宅する。その時、家には侵入者がいた。この人物は古い知り合いなのだろうか? この人物との遭遇が彼にとってのターニングポイントなのでないかと想像した。  見どころとしてはアクション部分だと思う。  読了部分では、まだ彼が誰に対しどんな目的で復讐をしようとしているのかは分からない。多視点の群像劇でもある。  あなたもお手に取られてみませんか?  この物語の結末をその目でぜひ確かめてみてくださいね。  お奨めです。 *備考8ページ目まで

5.0
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crazy'[email protected]レビュー&作品紹介師

俺様、帝王。

記憶を失った主人公が、混沌とした世界で手にするものとは?

【物語は】  主人公が見知らぬ土地で彷徨っているところから始まっていく。どうやら記憶もないようだ。そんな彼は、あまり良い暮らしをしているとは言えないが、この世界に馴染もうとしていたようだ。  ある時、ある少年と道端でぶつかってしまう。そのことをきっかけに、自分と因縁のあるやつらから終われ、一時は死にかけた。  だがそんなところを助けてくれたのが、裏道でぶつかった子供だちであった。 【主人公について】  どうやら見たこともない場所に、ある日突然飛ばされたようだが記憶を失っており、自分が誰なのかもわからないようだ。  裏道で人を助けたことにより、合法的に金を稼ぐ方法などを教わる主人公。  初めの仕事は娼婦館での護衛であった。  ここに辿り着くまでの間にも、彼らの暮らす街がどんなところなのか明かされていく。少なくとも健全とは程遠い街である印象を受けた。  彼にとって、自分を助けてくれた孤児院は特別な場所であると感じた。  時に犯罪とされるようなことをしてきた主人公ではあったが、人格が非道というわけではない。 【物語・世界観について】  あらすじより。  何らかの理由で異世界転移した主人公は、生きるためにのし上がることを決意した。この世界では宗教上飲酒が禁止されていたが、酒の密造、密売にをつける。しかし、いろんな対立により革命などが起き、それに巻き込まれた主人公は、帝王への道を進むという物語なのだろうと想像したが、実際は緩やかに物語は進んでいく。主人公が人でなしというわけでもない。  人身売買なども当たり前の世界らしく、人々に活気のないところなのかもしれない。   防具屋などは、素材の良くないものが出回っており、闇商売などが盛んな割には、やはり全体的に貧困なのかもしれないと思った。  魔法系の使える人も存在しそうだが、序盤では出てこない。 【物語の見どころ】  主人公は確かに成り上がろうとはしているが、それが自分の為だけではない気がするのである。あらすじだけを見た時の印象としては、悪がはびこる都市で悪どいことをし結果的に帝王になるのだろうか? と思っていた。  だが作品に触れてみると、主人公は極悪非道というわけではない。  自分を救ってくれた孤児院の人々に恩を返したり、娼婦館の人たちと協力して人身売買をしている奴らを懲らしめようとしたりと、非常に人間的である。  この世界は混沌とはしているが、優しさを感じる物語だ。  読了部分では、ターニングポイントとなる”酒の密造、密売”についてはまだ出てこないが、それを期に物語は新たな展開を迎えるのだと思う。  あなたもお手に取られてみませんか?  彼がどのようにしてこの世界で帝王になっていくのか、その目でぜひ確かめてみてくださいね。お奨めです。   *備考9ページ目まで拝読

5.0
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crazy'[email protected]レビュー&作品紹介師

蛍地獄奇譚

タイトルからは想像できないほど、温かくてコミカルな物語

【物語は】  妖怪が人間界へ出入りする鬼門にて、ある事件が発生したことから始まっていく。  主人公は閻魔大王の次男。  彼は事件のあった後、父である閻魔大王から呼び出しを受け、そこで人間界へ行き兄を助けるようにと言われるのだった。 【登場人物について】  この物語は、多視点で展開されていく群像劇。  主人公の蛍は兄と仲が良くなかったため、人間界へ行けという父の指示を断るかのように思われたが、彼には彼の考えがあるらしくあっさりと人間界行きを承諾する。  恐らく、蛍となずなのw主人公なのではないかと思う。     地獄から来た蛍は、出生が元で鬼たちに妬まれているように感じる。認められていないという方が近いのだろうか?  なずなの方は、何かを感じ取ることのできる少女という印象。 【物語について】  主人公蛍と彼の面倒を見ている三吉という二人のやりとりがコミカルで面白い。  言葉遊びをしているような面白さが、そこかしこにある物語でもある。  彼らの人間関係については徐々に明らかになっていくが、誰が人間で誰が鬼で、誰が妖怪なのか一見わからない。  なので、主人公がピンチのように感じても、実際は違ったりする。  蛍は飄々としていて、人間界でならいじめに遭っている状況にも関わらず、文化の違いなどからそれに気づいてはおらず、感じ方のズレもまた面白い。  視点の切り替えが多いので、読み手は選ぶかもしれない。 【物語の見どころ】  閻魔大王の次男は父から、人間界に解き放たれた妖怪と門番を襲った者を調査する兄を助けるように言われてある学園に生徒として通うことになった。  そこでなずなという少女と出逢い、学園生活をしているうちに色んな事件に遭遇する。   その中で、なずなの幼馴染みの正体を知ったり、彼となずなの三角関係になったりと、恋愛部分がなかなか面白いと感じる。  恐らく恋を知らない蛍は自分自身の言持ちを理解していない。  そしてその蛍に惹かれているだろうなずなも、自分自身の気持ちが恋だとは自覚していない。そこに幼馴染が加わり、面白い展開となっている。  恋愛部分がメインではないかもしれないが、この三人の関係がどうなっていくのか非常に気になる。  あなたもお手に取られてみませんか?   地獄の門番を襲った人物の目的は? 犯人は誰なのか?  三角関係の行く末は?   この物語の結末をその目でぜひ確かめてみてくださいね。  お奨めです。 *備考9ページ目まで拝読

5.0
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crazy'[email protected]レビュー&作品紹介師

瀬良さんのお茶会

夢を諦めそうになっているあなたに癒しと勇気を

【物語は】  幻想的でちょっと不思議だなと感じる店長の心情とお店の雰囲気から始まっていく。  特別な力を持っているわけでもない彼が、どのようにしてお客さんの悩みを和らげることが出来るのだろうか? 【お客様視点で紡がれる物語】  一話目の主人公は、漫画家志望の女性。  クリスマスイブに原稿を持ち込み夢を打ち砕かれてしまった彼女は、酔っぱらいのホスト風の人物に誘われハーブティ専門喫茶店『TIME』にやってくる。  そこで店長に勧められたハーブティーを口にしながら、今日の出来事を回想していく。 【店の名前の由来を知る時】  この店の存在理由と、店長の想いについて知ることが出来る。  この物語の中で教わること、考えさせられることは多いと思う。  自分はじーんとしてしまったが、一話の主人公に感情移入してしまう人は創作界には多いのではないだろうか?  自分の決めた道を諦めないこと。  それは意外と難しい。  人というのは簡単に傷つきやすく、人の言葉に打ちのめされるものだから。  それが自分の目指す道の延長線上にいる人に言われたならなおのこと。  しかしこの物語では、諦めないという選択を与えてもらえることだろう。 【その後の物語】  この物語では、気持ちを新たにし店を出て終わりという物語ではない。  その後の主人公についても描かれており、明るい気持ちにさせてくれる。 【物語の見どころ】  この物語は、何かを諦めそうなとき挫けそうなときに、そっと癒してくれる物語である。  才能があり、早いうちに成功する人もいればそうじゃない人もいる。  しかし夢を叶えることに早いも遅いもないのだ。  いつだって諦めてしまうのは自分であり、諦めなかった人が夢を掴むもの。  もちろんそれには努力が必要かもしれない。  けれど、がむしゃらにただ頑張っていても努力は実らない。リラックスして、本来の楽しいや好きという気持ちを思い出した時、新たな一歩が踏み出せるのではないだろうか?  そんなことを考えさせてくれる物語です。  あなたもお手に取られてみませんか?   夢を諦めそうになっている人。挫けそうになっている人に程、お奨めしたい作品です。 *備考14ページ『咲かない夢』まで拝読

5.0
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crazy'[email protected]レビュー&作品紹介師

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小説家になろうファンタジー

駅から歩いて20分、そこは王国辺境領。

癒し。圧倒的、癒し。

 日本人の少年と、異世界人の少女。互いに別の世界の人間だと気づかぬままに、遊び友達として重ねる交流。  恋愛というにはまだ拙い、保護欲をくすぐられる純粋な好意。甘い男女交際が砂糖菓子ならば、この二人の関係はふわふわとした綿あめ。これが癒し。圧倒的、癒し。  色々と大変な世の中ですから、たまにはのんびり優しい世界に浸ってみるのはいかがでしょうか?

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星集めの絵

ケンタウルス、露をふらせ

 夜空、星空といえば、とにかく私は宮沢賢治の作品に描かれる黒か濃紺のイメージを持っているのだけれど、「星集めの絵」がそういう背景だと描写されていて妙に納得してしまった。  だが同じ心象映像を想起させるのに、宮沢賢治と夏木さんでは作品から受けるイメージが大きく違う。前者はいつまで経っても夜のままでひんやりとした世界であり、夏木さんの作品はラストで陽の光の眩しさ、温かさの中へと場面転換していくからだ。  たしかに「星集めの絵」では人の死、という究極的に暗いテーマは取り上げられていない。だが主人公が役立たずな魔法しか持っていないことや、その能力ゆえに両親を苦しめてしまったトラウマ、ステラが間もなく失明するであろうことなど、十分に暗くて重いテーマを内包している。  宮澤賢治の作品の多く、たとえば「銀河鉄道の夜」は確かにハッピーエンドではないものの、救済がないとは言い切れないだろう。「よだかの星」や「雁の童子」は同様に夜空を想起させる作品であり死が結末だが、そこが終わりではなく、死んだ後にこそ救済がある……と読み取ることもできる。  では何がそんなに違うのか? といえば、パートナーの存在ではないか、と私は思う。  どちらも孤独だった主人公とステラ、使い途のない魔力の持ち主と、生まれ持った素晴らしい魔法の力を間も無く使えなくなってしまう女性とが出会う。それは雇用主とアルバイトの関係から始まり、主人公の願いが「ステラの願いを叶えたい」という方向へ傾くことをきっかけに同じ一つの願いとなり、互いが互いを救済し合う関係になっていく。主人公は視力を共有させること、ステラは彼の能力にも使い途があると可能性を提示することで。  世の中には慈善を為すこと、恵み与えることが至高の徳で、それを幸せと感じる尊い心の持ち主もいるだろう。だが主人公たちの見つけた幸せは与えることよりも、相手に求めること、ではなかっただろうか。  お互いが相手に求めれば、お互いが相手に「求められている」ことになる。求められもせずに与えるよりも、求められて与えることの方がより幸せである、そう感じるのは私だけではないと思うのだ。  アルバート青年が、彼女の求めに懸命に応えようとしたように。  この作品は、場面ごとの明るさや天候が効果的に演出されている。未読の方はぜひ、読んでいただきたい。 はやくもよいち

エブリスタヒューマンドラマ

シーラカンスと黄色い潜水艦

空白が幸せを醸す

 冒頭から、詩愛(しいら)はひとりでいる。  彼女の隣、もしくは向かいに座るはずの浅黄(あさぎ)は思い出の中にしかいない。待っている彼女の立場で言えば、そこに誰も立ち入れない大きな空白だけを残して逃走中なのだ。  出会った時のエピソードや、成功していく過程、彼の失踪など、ラジオの進行に沿う形で、詩愛の回想が差し挟まれる。その中で、浅黄は天才であるが故に、自分の思い通りではない環境の変化に対応することが出来ず、潜水艦を降りたことが語られる。  だがシーラカンスはひとり、耐えて待った。耐えられることが彼女の強さであり、待っていられることが彼女の愛の大きさを伝えてくれる。  この話をキリストが語った「放蕩息子」のたとえ話と重ねるのは、いささかうがち過ぎかもしれない。だが失踪(=放蕩)の末の悔い改めと、迎え入れる側の愛と赦しの大きさは、やはり多くの共通点があるように思う。  私は最初、浅黄は心が弱く、詩愛の脇に空白だけを置いて逃げ出した無責任な男と感じた。だが彼は、ただ弱いだけの人物ではなかったのだ。  もしかすると彼は、詩愛の抱く愛の大きさが見えなかっただけかもしれない。失踪中、彼自身も空白を連れ歩いて、やっと置いてきたものの尊さに気づいたということはありうる話だ。  遠く離れて時間を置いて、それでも彼女が待っていると知り、浅黄は心を決めて戻ってきたのではないか。ぽっかり空いた空白を彼自身と、彼の持つ愛情で埋めるために。  イエロー・サブマリンは再び走り出す。その行く手には祝福が待っているだろう。空白に注ぎ込んでいた愛情を、これからはお互い相手に向けることが出来るのだから。