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稀人オークと三十路の乙女

感情を持つ誰かと向き合うということ

本作は現代社会に、異世界ファンタジーの住人が稀人としてやってくる物語です。そんな彼らを邪険にしたり特別扱いすることなく、感情を持つ一人として主人公が相対していく物語は、種族等に全く関係のない、人として大切な"情"というものを感じます。 彼らが紡ぐエピソードも、心温まるものから、それぞれが抱える過去と向き合うものまで等、多岐にわたります。個人的には、現時点での最新話で主人公の過去の象徴である登場人物との決着がどうなるのか、が気になりますね。 今後彼らがどうなっていくのか。稀人がどうしてやってくるのか。続きが非常に楽しみとなっております。 他の皆さまも是非読んでみてください。

12ハロンの閑話道【書籍化】

栗毛の背を追って

 昨今とあるソーシャルゲームの登場で、競馬熱が高まっている。  少女の愛らしさに魅せられ、レースに掛ける思いに熱を浮かされ、ついには現実の名馬の歴史に手を出す――そして、多くのプレイヤーは思うのである。「どうしてもっと早くに競馬に興味を持たなかったのだろう。手に汗握る戦いをリアルタイムで目撃しなかったのだろう」と。  この気持ちを満たすためにはどうすればいいのだろうか。当然、一つには現実の競馬で「推し」を見つけることが解決手段になるだろう。しかし、キミの愛馬は歴史的快挙を遂げてくれるのだろうか。勝つ馬が必ずしもいい馬ではないが、勝ち切れない馬もいる。悲劇的な最期を迎えない保証は? 誇り高き戦績を挙げるとして、あと何か月、何年ドキドキしなければならない…?  ウェブ小説を読み漁る刹那的で消費的なオタク(暴言)にとっては、短時間で補給できる栄養ドリンクもまた重要なのである。それこそハーメルンで連載されているようなウマ娘二次創作を読んでもいいが…架空馬に抵抗がないのであれば、手軽にかつ興奮して読める金字塔が存在するじゃないか! それこそが、『12ハロンのチクショー道』であり、その続編でここでレビューする『12ハロンの閑話道』なのである。  前置きが長くなったが、レビューに入ろう。  この作品の中心に置かれるのは、サタンマルッコの名を受けた3度目の生を送らんとする競走馬である。1度目の人生では色に溺れ、2度目の馬生では稀代の競走馬としてフランスで戦うも夢半ばで斃れる――このようなバックボーンを持つために特異な性格を持つサラブレッドと触れ合い、驚かされ、魅了される周辺の人物の視点から話が進行する。転生ものではあるものの、主人公の語りは非常に少なく、群像劇の様相を成している。  サタンマルッコの見せるコミカルな描写とは対照的な、競馬に関わる人々の熱い人間ドラマ――それも小心者のオーナー、馬を愛する厩舎の人々、勝負にすべてを懸ける騎手、喧しくも無責任だけど憎めない某掲示板の住民たち――が展開され、田舎のダークホースが中央のエリートや世界の強豪と轡を並べそして勝つ、王道ならではの爽快感がそこにはある。  これらの要素が、臨場感のある実況によって疾走感を表現したレース展開と絡み合い、応援したくなるサタンマルッコが描かれているのである。  さて、ならば本編の『12ハロンのチクショー道』をレビューすればよいではないかという意見もあるだろう。そこには、「閑話」と銘打たれ、作者によって蛇足とまで言われたこの『12ハロンの閑話道』が、その実無駄話などではなく、正統な続編であり完結編であるという事情がある。  本編の12パートと番外編を経て、私たちはサタンマルッコとジョッキーの横田の執念とも言える走りに心を奪われる。しかし、競馬は一騎のみで行われるわけではない。そこには魅力的なライバルたちがおり、サタンマルッコだけでなく、彼らについてさらに知りたい、熱くなりたいと考えるタイミングこそが、本編『12ハロンのチクショー道』が66/66となって読み終わってしまう瞬間なのである。  そして「閑話道」は、その要望に応える、より多くの陣営にスポットを当てた戦いであると同時に、痛快な競争馬サタンマルッコの旅路を終えるまでの物語である。  その内容にはあえて詳しく踏み込まないが、最終章ニジイロは思わず涙を流してしまうレースであった。  当該作品には、小説家になろう側で私より簡潔にうまく魅力を伝えた先行レビューが複数存在している。すでに布教が進んでいる作品について、この感情的なレビューが果たして効果的であるかは疑問符が付く。しかし、オノログという素晴らしいサイトの創設により、より様々な層の人々が「チクショー道」を読み、それだけで終えず、「閑話道」までサタンマルッコを見届けてほしいという一心で、『12ハロンの閑話道』にレビューを書かせていただいた。  ぜひ皆様には彼の馬生を堪能していただき、私とサタンマルッコの喪失感を共有していただければと思う次第である。

私は壁になりたい

真面目に読むと実は結構詰んでる(※真面目に読むものではない)

 進路希望調査票に「壁」と書いてきた女子生徒との、一対一の進路相談に挑む女教師のお話。  テンポよく切れ味のあるコメディです。場面固定かつ一対一の掛け合いという形式で、特に語り口の起伏や言い回しの妙で引っ張っていく内容となっており、つまりはショートコントのような軽妙な掛け合いの妙味を、小説という形式の上に再現しているところが魅力的です。  普通にコメディとして楽しく読んでいたのですが、でもこれ真面目に読むと実はものすごい勢いで詰んでいるのでは、というところもなんだか愉快でした。真摯に生徒のことを思ういい教師ではあるのだけれど、でも生徒自身の自主性を尊重しすぎた結果明らかに悲劇を助長している先生。そして想像以上にどうしようもなかった『壁』の正体。一切の遠慮なく一方的に垂れ流される欲望のおぞましさに、自身に向けられた暴力性すら跳ね除けようとしない先生の健気さ(あるいはヘタレっぷり)。読み終える頃にはなんだかDVによる共依存にも似た関係性が成立しつつあるようにすら読めて、いやもしかしてこの人らある意味相性ぴったりなのではと、そうごまかしてはみたものの結構身につまされる部分もありました。人の振り見てなんとやら。  単純に個々の掛け合いそのものも面白いのですけど、でもこうして見ると「いやいや結構な惨事ですけど?」と、そんな状況をでもサラリと飲み込んでしまえる彼女らのタフさにも笑えてしまう、つまりはしっかりキャラクターの魅力をも見せてくれる素敵な作品でした。

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