ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

詳細条件で探す

オルタナティブ・ダークシード ~金の瞳と魔拯竜の紋章~

作り込まれた世界観が魅力の作品

【物語は】 ある予見のようなものから始まる。 あらすじにある通りこの後主人公は、深淵の森に入り込んだ来訪者を、追い払うために彼らを探しに行く。 主人公は侵入者を追い払うことが出来たものの、もう一人来訪者である旅人は、先の侵入者の一人と対峙し不運にも怪我をしてしまっていた。初めはその旅人も、森の外へ追い出そうとしていた主人公だったが、彼女が精霊に導かれた客人であったことを知る。 主人公はこの出会いがターニングポイントであるとは知らずに、彼女を里へと案内することとなったのだ。 【物語の魅力】 全体的に、とても描写の丁寧な作品。厚みがあると感じた。地の文が多いにも関わらず流れるように進んでいき、モノローグの書き方が巧いので、読みやすい。 情景、行動描写の中に心理描写が上手く混ざり合い、不思議と抑揚を感じる作品である。彼女の怪我の状態が快方に向かうまでは、主に主人公一人で世話をするという流れ。その間、彼は森の人と遭遇したり、精霊と話を話しをしていく中で、この物語の世界観も分かっていく。とても世界観に力を入れている作品だと感じる。 主人公は産まれた時から精霊を感じることが出来る。しかし、森の外では声を聴くことのできる者がなかなか居ない。その為に、魔人、魔物、妖魔は別物であるが森の外の人には、その区別がつかないこと。魔法というものに関しても、オリジナルの部分が多い。そのシステムはとても面白いものだと感じた。 【登場人物の魅力】 主人公は産まれて間もなく、その瞳の色のせいで捨てられてしまい、この森で暮らしている。この物語では魔法には特殊な部分が存在する。それについては作中で語られているが、主人公が何を恐れているのかも、魔法を通してわかって来る。 この物語には、三つのポイントがある。まずは、魔法のシステムについて。ネタバレになってしまうので詳しくは書けないが、精霊より借りた力の残りカスを処理する必要があること。そして森から去るという事に意味があること。これを全て主人公は理解している。理解したうえで、”あること”に気づくのは一章の終わりの方だという事。 あらすじにある”妖魔を呼ぶ呪われた身”。彼は何故なのかを知るのだ。知った上で、自分の決断により旅の少女と森から旅立つ。 主人公は、この旅で何を得るのだろうか?そして、運命から逃れることは出来るのだろうか? 【物語の見どころ】 やはり、一番の特徴は作り込まれた世界観。設定にオリジナリティがある。その上で、主人公は苦悩している。それは、主人公に都合の良い世界ではないという意味合いだ。苦悩理由が人間らしさにあるという事に、序盤では気づいてはいない。 正義感を持ち、真っ直ぐな人物に感じる主人公。ここで思うのは、良い性質が必ずしも良い結果をもたらすとは限らないという事。 面白いバランスでできた物語だと感じた。発想が斬新である。 それに対し、旅人である少女も不思議な魅力を持っている。一件ふんわりしているように見えるが、大変な旅をしてきたに違いない。自分が怪我をしているにも関わらず、相手を庇う優しさ、思い遣りに溢れ、その上明るい人物。しかし彼女も、何かを背負っている。 背負うものは違うが二人が、導かれたのは運命だと思われる。 二人の出会いは、この世界に一体どんな未来を齎すのだろうか? 是非あなたもお手に取られてみませんか? お奨めです。

5.0
0
crazy's7

俱(とも)に纏(まと)いし、纏われし ― 〔新たなる一歩〕―

世論とは無責任なもの。しかし彼は、己の力で立ち向かう。

【物語は】 ごく一部の人間しか入ることの許されない場所で、王の後悔と決意から始まる。 本編に入るとガラリと雰囲気が変わり、ある戦闘風景へと移る。この部分では、主人公の仕事でもある”浄化屋”について語られ、国のシステムなどについて分かる。 ここで気になること。それは、この浄化屋のシステムについてである。危険な仕事ではあるが、犯罪を取り締まるためにはそれなりの人手を必要とし、生活を支えるためには、低年齢でも働かなくてはならなかったという事。 そして彼らのお陰で平和になったというのに、その事を忘、れ表面ばかりを見て世論が動いたという事である。世論とは、何処であっても表面でしか見ないものだと常々感じている。この物語の世界観にはリアリティが持たされていると感じた。 【物語の魅力】 しっかりとした土台の上に、リアリティが持たされており、いろいろと考えさせられることが多い。世論の無責任な発言が通り、法が変わる。 では、それまで”浄化屋”で生活を支えていた者たちは、どうやって生きていけばいいというのだろうか。犯罪者に殺害されずとも、生活が立ち行かなければ餓死する。それは結果として、同じ末路を辿るのではないだろうか。その時無責任な世論というのは、彼らに対しどう責任を取るというのだろうか。 この物語の中では、そう言った世論の動きにより法が変わり、資格を凍結された者が主人公である。客観的に考えても、職を奪われれば生活に支障をきたすことくらいは分かるはず。彼は国であり、世論の犠牲者と言っても過言ではないと思う。 【登場人物の魅力】 資格を凍結された主人公は解除の為、高校を卒業しなければならない。しかしながら入学しなければ、卒業も出来ないということ。そんな事情からも彼は、編入試験に挑むことになる。 この試験では、主人公と倶纏である相棒の性格が見えてくる。主人公は、一見頑固に思えるがそうではない。手を残して置きたいと考えるタイプに思える。先のことを見越して、自分に不利になる要素を増やしたくはない。冷静で、思慮深いのではないかと感じた。 産まれた時から共にいるのだから、この世界では当たり前のことかも知れないが、主人公と倶纏である相棒の間には、二人の強い絆と信頼関係で結ばれていることを感じる。 この戦いではもう一人ある人物が出てくる。この人物はこの後、二人に深く関係していくのではないかと思われる。 【この物語の見どころ】 この物語は、世界観がしっかりしており、それに対してリアリティを持たせている。その世界観に対しての説明も丁寧であり、納得がいく。 その上で主人公が苦労しており、ある案を持ちかけられるのだ。その案に乗るか乗らないのかは、まだ分からない。 だが彼は、ちゃんと先まで考えて自分がどうするか決めるに違いない。 続いて戦闘シーンも見どころの一つ。 この物語の戦闘シーンの良さというのは、行動描写が丁寧で分かりやすいだけではない。心理描写が丁寧でもあるのだが、戦略を考えた頭脳戦であることが特徴。思わず集中して読んでしまうほどに面白く、深い。 そしてこの戦闘はどちらか一方が強いという偏った描かれ方でもない。緊迫感と臨場感のある接戦なのだ。もちろん押される場面もある。だがギリギリの戦いだからこそ、手に汗握る臨場感が味わえる。 拝読させていただいた部分は、物語としてはまだ序盤。いよいよこれから彼の本当の戦いが始まる。そして真の目的とは一体? 果たして、どんなラストが主人公を待ち受けているのだろうか⁈ あなたも是非お手に取られてみませんか? おススメです。

5.0
0
crazy's7

無能スキル【遠視】を得た剣聖は剣を捨てる〜剣聖と言われましたが、スキル”遠視”が便利なので遠距離を極めて《無双》します! 〜

あなたにならできるだろうか? 得意なものを捨て、新たなことを極めるという事が。

【物語は】 その強さから”聖剣”と呼ばれていた男が、老衰によって亡くなり、転生するところから始まる。しかし転生した先はどうやら、元の世界とは違うよう。 転生直後の彼は赤子であったが、前世で持っていた熱意は失っていなかった。新しい人生でも同じ志を持ち成長していくのだが、この世界では魔力があることが重要だったのだ。しかしなんの因果か、主人公には魔力が全くなかったのである。 【登場人物の魅力】 前世の記憶があるとはいえ、主人公は年相応に成長していく。魔力が重要であり、転生した先は魔力の強い家系だったため、肩身の狭い思いをすることになる。特に弟が出来てからは、親から期待をかけられることもなくなり、弟からは下に見られるという悔しい想いもする。 そんな彼はついに決断するのだ、強くなるために旅に出ると。旅前夜の母とのやり取りは切ないものを感じさせる。 主人公には魔力がないという欠陥はあるものの、人望には恵まれる。はじめの出会いの相手は人とは言えないかも知れないが、彼のその後の人生を変えていく大切な出会いだ。魔力がないことで負い目を感じていた主人公に、色んなことを教えてくれた存在でもある。 彼のお陰で主人公は、希望を持てたのではないだろうか。 【物語の魅力】 前世では”聖剣”と持て囃されていた、主人公。転生後はどん底ともいえる人生を歩き始める。しかし、彼の努力はいづれ実を結ぶのだ。 それにはある出逢いがターニングポイントとなっているのではないだろうか。 この世界では、10歳の時にスキルを貰う儀式がある。魔力がない主人公は、その時に賭けていた。良いスキルが貰えれば、その後の人生が約束されるからだ。 しかし、ここでも絶望を味わうことになる。それを救ったのも最初の旅で出逢った友人だ。主人公は彼が居ることで、救われる部分が多いように感じる。 この物語の中で主人公は、何度も挫折しそうになって居る。時には自分の不甲斐なさに涙することもあるし、友人にあたってしまうことも。彼はとても人間らしい感情を持ち、そんな自分がイヤになることもある。ヒューマンドラマ部分がしっかりと丁寧に描かれており、友人との絆、友情も感じる。 【物語の見どころ】 この物語は、あらすじにもある通り”剣が得意だったはずの男が、近接重視の世界で剣を捨てて戦う”ところが見どころである。 魔法のある世界にも関わらず、魔力を持たず、前世で”聖剣”と呼ばれるほど剣術に長けていた彼がそれすら手放し、果ては、弓で国家最強にのし上がる物語なのだ。 彼にとって”剣”で戦うことは、プライドそのものだったのではないだろうか? しかし、それを捨てることが出来たという事は、彼の熱意と志は”プライド”よりも高いという事なのであろう。 あなたにならできるだろうか? 得意なものを捨て、新たなことを極めるという事が。 しかも頂点を目指すという未来が想像つくだろうか? あなたも是非お手に取られてみませんか? 主人公のどん底であり、見下されていた人生からの逆転劇。 想像しただけで、ワクワクしてしまいますね。 お奨めです。

5.0
0
crazy's7

さよなら私のドッペルゲンガー

序盤は笑いが止まらないが、ある時を境に”存在”について考えさせられる物語。

【物語は】 衝撃の言葉から始まる。主人公たちにとってもそれは、衝撃的だったようだ。そしてその後の展開が、面白すぎる。人様に見せられないカッコで家に居た主人公の元へ、ある少女が乗り込んできたのだ。あらすじにもあるように、彼女はドッペルゲンガーに殺され、自分の人生を奪われてしまった。 冒頭では何故、依頼の相手が主人公だったのかまではわからないが、彼女は”自分を殺して欲しい”と依頼してきたのだった。 【登場人物の魅力】 ノリと勢いで生きている主人公がとても面白い。初めは、真面目という印象が強かった少女は主人公と話をしているうちに、高校生らしさが出てくる。主人公は学校ではバカで有名のようだが、お人よしという印象も受ける。そして少し、クレイジーな面もある。 だが、人に好かれるタイプであることは間違いない。二人はやり取りをしているうちに打ち解けていく。その中での二人のやり取りがとても面白い。物語の内容は暗いはずなのに、とても明るくユーモアのセンスがある。 しかしこれが、”人生を奪われた絶望”を抱える少女を元気にするためと考えると、やはり主人公は優しい人なのではないかと思う。 ノリと勢いとはいえ、”法律を犯すのは不味い”という感覚は持ち合わせているので、その点に関してははとても安心して読み進めることが出来る。きっと、最悪の事態にはならないに違いない。 【物語の魅力】 序盤は始終笑いの止まらない物語である。ドッペルゲンガーに人生を奪われたという暗く切ない物語であるはずだが、主人公の心理状態が絶妙で、つい笑ってしまう。恐らく言葉選びや表現の仕方が巧いので、笑いを誘うのだと思われる。スラスラ読める上、読む手が止まらなくなる。 真面目な文体で哲学的なことを語ったのちの、オチが面白い物語だ。例えば4話の冒頭。青春とは何かについて、”フムフムなるほど”などと思っていたら、オチがついてくる。笑いのセンスが素晴らしい作品である。 主人公はしばしば、幽霊の少女が自分にしか見えないことを忘れ、行動してしまうように感じる。そこから起きる出来事に、さらに笑いが起きるのである。真面目に作戦を立てて実行しているのだろうが、次から次へと巻き起こる出来事が面白い。 しかし、この物語はただ面白いだけではない。ドッペルゲンガーと接触したあたりから少し、違う面も見えてくる。ここまでは主人公の”好奇心”が勝っていた。しかしドッペルゲンガーに実際に接触し、主人公は”存在”について考え始める。果たしてこの物語の結末とは? 【物語の見どころ】 ある日突然、自分が自分に奪われたなら? 生きることを諦めても居場所を奪われたことは、やはり辛いのではないだろうか。自分はここにいるのに、自分の姿をした何者かが自分のフリをして生きていたとしたなら? 主人公はバカで実行力があるという理由により、ある少女から殺害依頼を受けることとなる。初めは”好奇心”とノリ、そこに後悔したくないという気持ちでこの少女の依頼を受けた。 彼女は自分と同じ高校生。やりたいことも夢もあったろう。序盤は笑いが絶えない物語という印象が強いが、彼は彼女の境遇のことも考えているように思える。それが、しっかりとした形になるのはドッペルゲンガーに遭遇してから。笑いにシリアスが混ざり始め、彼の言うことに”確かにそうだよな”と同意してしまう。 ドッペルゲンガーであれ、生活をはじめてしまったら存在を認められてしまっているという事。 自分を奪った自分を消して欲しいと願う少女は、最終的にどのような決断を下すのだろうか? あなたも是非お手に取られてみませんか? 笑いあり、そして深く考えさせられることもあります。 もしあなたが、少女の立場であったならどんな決断をしますか? お奨めです。

5.0
0
crazy's7

夜は定常的な流体

芸術的で、絵画を観ているような錯覚を起こす、天才的な短編集

短編なので感想をと思ったのだが。 不思議な世界観である。 とても巧くて読みやすいし、何が書いてあるのかもわかる。何について書いてあるのかもわかる。そして面白いのに、なんと表現したら良いのか分からない。レビューも感想も書けないのは初めてで、戸惑う。 作風とは指紋のようなモノで、意識しないと変えるのが難しいものだが、どれ一つとして同じものはなく、言うなればこの作品は”芸術”である。 まるで絵画を眺めているように鮮やかに物語の様子が浮かび、線香花火が落ちるように消えてゆく。それは、マッチ売りの少女がマッチを擦る様な儚さに似ている。そして、次を求めてしまうのだ。 つい夢中になってしまう物語である。 どれも好きではあるが、おまつり、海は特に鮮やかな色が浮かび上がるように思える。この短編集はとても文学的であり、作者は天才的だなと思った。 独創的であり、感性が素晴らしい。この作品は俺にとって、お気に入りの一作になった。もし、この作品に的確な感想を書ける人がいたならば、嫉妬してしまいそうなくらい、感想を述べるのが難しい。しかし、とても面白い作品なのは言うまでもない。 もし書籍化されたら絶対買いたい。 シュールレアリスムであり、エッセイのようなスタイルの小説。 日常に非日常がいつの間にか混ざってしまっているような、不思議な世界観が特徴。 プロ顔負けの唯一無二、独創性のある作品。 人によっては芸術。人によっては怖い。と感想は様々だと思う。 是非、あなたも読まれてみませんか? 不思議で、ユニークで、独創的な物語があなたを虜にするでしょう。 お奨めです。

5.0
0
crazy's7

勇者に改心の一撃を!~僕の世界は異世界の勇者達に壊された~

彼らは果たして、平和を取り戻せるのだろうか?

【物語は】 平和な世界である夢を見る、主人公の日常から始まる。その夢を見る子供は稀であり、それは前世の記憶だと言われている。 そしてこの日も母との会話の後、主人公は平和な日々が続くことを願い過ごしていた。しかし、その願いは突然の来訪者によって打ち砕かれるのであった。 【この物語の魅力】 この物語では、ゲームとは何かという事を考えさせられた。そして例えゲームであっても、良識と常識は必要であること。暴力要素や残酷要素のあるゲームは年齢指定がなされている。しかし残酷描写がない為に、子供でも遊べるゲームには、常識や良識の欠いたものが存在するのも事実。本当にそれは悪影響がないのだろうか。 この作品には、問題提起として受け止めなければならない部分があるように感じられる。つまり、ゲームがゲームであることをちゃんと判断できますかということ。 これはネットでも起こりうること。ちゃんと画面の向こう側に、自分と同じ人間がいることを理解していますか。思い遣りを持って行動していますか、と。今一度、自分自身を見つめなおす、きっかけになる作品であると感じた。 この物語の中では、勇者がやりたい放題好き勝手やっている。それは現実とゲームの区別がつかないから。こういった人間は現実にも存在している。自分は無意識に、こんな人間になって居ないかと不安を感じてしまった。 【登場人物の魅力】 物語は子供ゆえの残酷さと、純粋さというものを描いている。自己のことしか考えられないのは子供。そして。純粋に何かを信じることが出来るの、もまた子供であると思う。同年代の二人が敵対関係になるのは、こうした相反する部分があったからではないかと、勝手に想像する。 主人公の少年は、悲しみ憎しみを抱えながらも、自分勝手に突っ走るようなことはない。それは仲間となる、周りの人間の影響もあるのではないだろうか。徐々に同じ想いを抱えた仲間が集まり、希望の為に戦っていく物語なのではないだろうか? ただ、はじめから強すぎる敵に対し、彼らに勝ち目があるのだろうか、という不安もある。もしかしたら1度や2度の戦いでは済まないのかも知れない。 あらすじからは、主人公の成長物語だとわかる。序盤では無力な主人公が、一体どのような成長を遂げるのだろうか。 【物語の見どころ】 この物語は、とても辛い物語だと思う。中には、あまりの理不尽さに目を背けたくなる人もいるかもしれない。だがそれは、この物語に込められたメッセージを読者に伝えるために必要なものだと感じる。 平和とは互いに共存したいと考えた時、成り立つのではないだろうか。そして、平和とは簡単に壊れてしまうものだからこそ、みんなで守っていかなければならないものなのではないか。 心優しく、家族想いな主人公は、これから一体どんな風に戦っていくのか。絶望の中にも仲間という光はある。彼らは果たして、この世界に平和を取り戻せるのだろうか? あなたも是非、お手に取られてみてくださいね。 自分自身と向き合ったり、深く考えさせられたりする物語だと感じました。 お奨めです。

5.0
0
crazy's7

オークに転生! ~異世界で欲望の限りを尽くすはずが、何故か英雄と呼ばれる事になった物語ブウ~

転生で彼が手に入れたものとは?笑いと涙と、勇気。そして、心温まる物語

【物語は】 ある国のとある森。ある一人の少女に迫る巨体。彼女に危機が迫る……かと思いきや。危機的状況に陥っているのは一体どちらなのだろうか。 本編に入ると、何やら不穏な事態。主人公は追っ手から逃れつつ、こうなった経緯について回想している。それは運が悪いとしか言えない状況だった。 25年間自分自身の欲望を押さえつけた彼は、真面目ないい子を演じてきた。それがどうしてこうなったのか。いつか報われると信じていた彼は、悪戯によって希望さえ奪われるのであった。 コミカルに進んでいくので、とても面白い。理不尽さに対する心の叫び、真面目に今後の展開を想像し嘆くなど。真面目に生きてきた彼ならではである。 報われないまま、人生を終えることになってしまった主人公。この先、何が待ち受けているのだろうか? (普通は人生が終わったら終わりですが、続きます) 【登場人物の魅力】 生活環境の為、自分を殺さなければならなかった主人公は、聖人君主というわけではない。むしろ抑え過ぎた欲望のせいで、本当はむっつりという残念な点がある。しかしそれもまた人間らしさである。 真面目な部分があるからこそ、状況を冷静に分析し、他人を信用できない面もあるのではないだろうか。 主人公は言葉選びが秀逸。想像力も豊かで、考え方が面白い。ネタバレになってしまう為、一つも例をあげられないのが残念。主人公は、女神の話を聞き異世界に転生するという、一択しか道が残されていないことを知る。 ここで出てくる女神が強烈だ。この場面だけで一生分笑えるのではないかというくらい、ユーモアがあり笑いのセンスも光る。 【物語の魅力】 この物語は確かに面白い部分が多いが、心情にリアリティを持たせており、主人公が絶望する様も伺える。心理描写も情景描写も丁寧で、彼がゆっくりと新しい環境に順応していく姿が伺える。転生するまの段階では笑って見ていられたが、大自然の中で適応していこうとするさまは、応援したくなる。 現代社会からいきなりサバイバルな生活を強いられ、しかもモンスターのいる世界で生活をすることになってしまった主人公。その知識はゲームによるものも含まれており、モンスター側から世界はどう見えるのかについても語られている。立場が違えば、考え方もガラリと変わるのだ。 たった一人で異世界にモンスターとして転生され、はじめは不安や恐怖も感じていた主人公。そんな彼が、異世界生活を楽しむまでの経緯も丁寧に描かれており、夢中になってしまう。笑いだけではなく、生活そのものに面白味を感じる物語だ。 【この物語の見どころ】 抑圧されていた人間が、自由を謳歌していく。しかし、そうなるまでにはもちろん苦労もある。タイトルにある通り、欲望の限りを尽くすはずだった。彼は、欲望ではなく自由を謳歌していると感じる。今までなら、周りの目を気にした生活だったり、好きなものを食べることが出来なかったり。 確かに異世界の大自然の中では、好きなものを食べるというのは難しいかも知れない。だが物語が進むごとに、彼は順応し生き生きとしている。自分のしたいことも出来ず、我慢するのが当たり前だった日常が変わっていくのだ。それは決して楽ではないが、自分で学び手に入れていく。失敗もあるだろう。だが、楽しんでいるようにも見える。 この先、彼には英雄となる道が開けていくと思われる。 それは、どんな形で訪れるのだろうか? あなたもぜひ、お手に取られてみませんか? 真面目に生きてきた青年の第二の人生は、あなたにも考え方を変えるチャンスをくれるかもしれません。おススメですよ。

5.0
1
crazy's7

白銀の狼 Ⅱ【続編】

紆余曲折だからこそ共感出来る。そんな人狼の彼女を描く、儚くも強い物語。

『白銀の狼』の続編となる本作。 人狼の世界で描かれる、狼に唯一なれないヒロイン、レティリエが主人公の切なくも儚い恋愛を主体とした物語です。 1作目では、そのレティの美しさから人間に捉えられ、レティの愛しき人狼グレイルとの大恋愛を主体に描く、涙なしでは語れない『人間 対 人狼』の物語でした。 それが今作では『人狼 対 人狼』となっており、同種族同士で争うという、狼社会という人間社会にはない価値観の中で色んな難題に直面するヒロインを描く、己との葛藤や愛する者への感情で渦巻き、揺れ動く物語となっています。 彼女は最愛の人狼、グレイルとの間に深く思い悩み、読んでいてとにかく胸を打たれます。 『狼社会』という一見私達が知らないような世界や価値観ですが、それが物語の中にすっと上手に溶け込んでおり、私達が普段暮らしいる『人間社会』という立場から見ても全く違和感がない程、共感する場面ばかりで、うんうん、と頷きながらいつの間にか主人公レティにかなりのめり込んでしまっています。 彼女がその難題を一つずつ乗り越えていく様がまるで自分のことのように感じ、一緒に成長して乗り越えて行けるような感覚になってしまうという魅力が、前作から続くこの物語の素晴らしいところの一つだなと思っています。 レティがグレイルや仲間を心から愛しているからこそ、感じる嫉妬、増々な劣等感、愛するが故に歯止めが効かなくなる様など、人と人との間に織り成される様々な気持ちが、すっと難なく胸に染み込んでいくように描写され、うるっと来てしまい、作者さまの素晴らしい執筆力に前作から毎話ごとに脱帽してしまいます。 そして毎話毎話瞬時に人を惹きつけるストーリー、魅力的な登場人物にいつも引き込まれ、物語の中に溶け込んでしまう、そんな素晴らしい物語です。 ぜひ1作目からこの儚くも強い物語を感じていただきたいな、と心から願います。

5.0
0
凛々サイ

連合軍第13師団飛行部隊 ~四◯四分隊のツバメちゃん~

アツくて超個性的!爽快な軍人達が世界で戦う、ミリタリー感満載な戦争物語

謎のウイルスが蔓延する地球に似た世界で繰り広げられる新人類対旧人類の戦争を描く、異能人類が存在するミリタリー色満載な物語です。 雰囲気は、第2次世界大戦中の世界情勢を醸し出しています。 とにかくかっこいい。物語の流れもかっこいいし、登場人物もカッコよく、出てくる武器や機材も専門性がかなり強く、作者さまの知識量に度肝を抜かれ、戦争映画を見ているような気分になってしまいます。 そして出てくる人物、全てがアツい!!個性的!!歯止めがきかない方々ばかり!!最高です。方言が出てくるところもお気に入りです(笑) 皆それぞれに様々な過去や想いを抱えていて、戦いへ赴く姿に心が熱くなってしまします。 物語が進むにつれ、スカッとする言い回しや、それぞれの心情にくすっと笑えるところもあり、そしてほろっとする場面も。 軍人ならではの爽快さもあり、読んでいて気持ちがいいです!! 主に空中戦が多いのですが、作者さまの専門性からとにかく戦闘描写力もすごく、そこにそれぞれの人物の熱い心情も合わさり、戦争の悲惨さや想いが胸に突き刺さります。 ミリタリー好きにはもうたまらない物語となっています。 そして、ミリタリーに興味がない方でもこの魅力ある登場人物達にぜひ触れてもらいたいなと、すっごく願ってしまうそんな本作、ぜひ読んでみてください!!

5.0
0
凛々サイ

最近の「いいね!」

小説家になろうファンタジー連載:53話

バズれアリス

ファンタジー×現代×配信で希望を見出すお話!

ネタ全振りのタイトルから想像のできない王道と熱さと恋のお話。あと13万文字とかなり見やすい。 なんやかんや王国から無実の罪で不毛の地へ旅へ出された勇者的な聖女が、不思議な鏡を見つけたら現代(コロナ下)の料理屋に繋がって……? さらに想われるほど強くなる能力は現代の配信稼業とぴったりで……? 鏡を挟んだ現代×ファンタジー異世界交流に、きっと希望が見つかるはず。 あとタイトルから想像つくことはだいたい回収してくれます。

小説家になろう恋愛連載:119話完結

美醜あべこべ世界で異形の王子と結婚したい!

男性のみ美醜逆転の異世界に美少女イケメンハンター出陣します!

前世で喪女だった後悔からイケメンにガツガツの肉食系女子となった美少女主人公。前世含めて一目ぼれした異形と言われるほどの美少年(前世観)にアプローチをしてさっさと婚約者候補に収まり、誰も寄せ付けないいちゃらぶカップルになります。 外面もよく美少年に目がないですが、自分主観で醜いからと嫌うことはありません。恋愛対象ではなくてもちゃんと人として接する、人として優しい女の子だからこそ素直にその恋路を応援することができます。美少年と付き合うためにしていた善人の外面がよすぎてまわりからは誤解されてもいますが、そこも美醜逆転独特の笑いポイントとして楽しめます。 義理の弟を可愛がったり、不遇なイケメンも多数出てきて、乙女げー系小説っぽい世界観な感じですのでさくさく読めて最後まで一気に楽しめます。 ヒーローにも秘密がありちゃんと後々秘密を打ち明け合って、主人公が面食いなのも全部わかってもらって思いあうラブラブ小説です。 最後までぶっとんだ美醜観によるドタバタギャグが楽しいですし、完結済みなので一気に最後まで楽しめます。 世界観も楽しくもたくさんのキャラクターもそれぞれ個性がありいい人が多く、美醜逆転好きだけではなく乙女ゲー系の愛され主人公恋愛物が好きな人にもおすすめです。

小説家になろう恋愛連載:144話完結

絶対呪ってやるからな!

暴走沸騰系女子・メイジーによる!拳で☆母を探して。 第一の手段候補は呪いのモトを手に入れる事から

下町で元気に給仕に励む母子家庭の子メイジーは、サバサバした赤毛美人。だがある日突然、下町を謎の高級馬車が走り去った後、家の部屋は血だらけで、もぬけのから。どうも母は攫われたらしい?メイジーは誓う。絶対許さない!下町の隣人たちの諫言をお供に、ちょっぴりニワト…たんじゅ…激怒したメイジーはノンストップで暴走を始める。貴族にツテ?下町にあるわけないじゃ無い!そんな時は呪いがマストって聞いたわ!材料を取りに行くわよ!← これは、たいがい拳で解決しようとする(注・うら若き女性です)メイジーをひょんな事で知り合った美麗な兄と妹が必死に止める?物語。 竹を割りまくってもうスパーン!スパーン!言ってそうなメイジーが爽快。 悩んでる事が小さくかんじる…よしがんばろ!と思わせてくれる、ストレスが飛んでいく小説です。2024年3月中旬の更新ここ数話で、お母さまと再会した今が読み始めるチャンス!