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小説家になろうファンタジー連載:51話完結

人生やり直し中の魔法使いは魔王と共存《わかりあえ》ない〜二度目の人生で望む魔族と人の同盟計画〜

【物語は】 主人公が仲間を殺され、勝つ見込みもないのに、主人公が魔王に挑むところから始まる。言うまでもなく、敗北。死の間際、彼女にちょっとした異変が起きるが、助かることはなくそのまま命を終えてしまう。 その後何故か、死んだと思ったら転生してたのである。その上、生まれ変わった主人公は一般的な魔力値200に対し、50しかなかったのだった。 【舞台・世界観】 同じ世界のおおよそ1000年後に転生し、二度目の人生を歩んで行くという物語。あえて舞台を重ねていると思われる部分がある。 この世界では、魔力に関しては200が平均らしい。主人公は死ぬ間際の状態が影響したのか、転生後は50ほどしかなかった。この数値を見る限りは、かなり低いと思われる。親に気遣われ、魔法について教わることのなかった主人公。しかし、6歳の誕生日にとうとう自身の主張を通し、魔法の世界へと足を踏み入れることとなる。 そこで初めて知る自分の魔力値は、異常値を示していた。ここで主人公が、過去の記憶を引き継いでいることが活きてくる。子供では判断し辛いであろう”誤魔化す、隠す”という行動に出るのだ。 通常子供というのは、大人に認められたい生き物。なのでもし、子供の精神で描かれていたのであれば力を誇示するだろう。 このことから、もしこの物語で主人公の精神年齢が年相応だったならどうなっていただろう。多分世界が滅びるのではないだろうか。 この仮定からも、とても考えられた設定だと感じた。 前世の記憶を持っているということに、必然性を持たせた作品である。 【登場人物・物語の魅力】 仲間を殺され、自らも命を奪われた主人公。転生をし復讐を果たすかと思いきや、そうはならないというのが面白いポイントだと思う。 にもかかわらず、チート級の魔力を手に入れてしまう。ではここで、どうするべきなのか。もう、それはひた隠すほかない。主人公も予想通り、自分の能力を隠そうとするのである。 家族にとても魅力を感じる物語でもある。わき役だと思われるが、両親は主人公を溺愛しているように感じた。この両親がいたからこそ、主人公は幸せを感じたり、平穏な生活を望んだのではないだろうかとも想像する。もちろん、それが一番の理由ではないかも知れないが。 学校に通うようになり、その平穏が崩されそうになる事件が起きる。この戦いに関しては、凝られている。頭脳戦でもあり、鮮やかだ。 ここで、主人公は自分の秘密を知る者を味方(ライバル)につけるのだ。秘密は一人で抱えるのは辛い。この出会いは、主人公に良い未来を齎すのではないかと思う。この先の展開は、とても神がかっている。 つまり、何故舞台が1000年後で以前自分が暮らしていた土地なのか。この設定が活きてくるのだ。主人公は、自分の死後のことについては知らない。しかし、読者には謎が解明されるという、通常では逆のことが起きていて面白い。そして、その事に悶々とする主人公の様子。この物語にはほのぼの要素や笑い要素も含まれている。とても馴染みやすい、親しみやすい物語だと感じた。 【物語の見どころ】 構成も舞台も見どころの一つだと思われる。 特に1000年後で土地が一緒というところに意味や繋がり、必然性を持たせているところが、興味深い。そこで1000年前とは別の道を歩き始めるのだ。 だが、その道はある意味険しい。強すぎるのも大変なんだなと思ってしまう。 主人公は学校にて一戦交えることになる。このことがきっかけで、彼女とは友人のようなライバル関係へ。ここからの展開はとても面白い。主人公の前世の時代でのことが段々明かされていく。時代によっておこる相違。隠さなければならないこと、解きたい謎。謎の部分が少しづつ明かされていくのも面白い。話しの中で分かって来る、目の秘密。この物語には、まだかされていない秘密があるのではないかと、ワクワクしてしまう。(P11まで読了) あなたもお手に取られてみませんか? 主人公は転生して二度目の人生を、穏やかに過ごすことは出来るのだろうか?ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2024/3/26
  • 投稿日:2021/8/8
エブリスタヒューマンドラマ連載:12話完結

うつろな果実

【物語は】 主人公は大学の授業を終え小雨の中、バイト先であり居候先となっているカフェに、徒歩で向かっていた。バスでなら5分の道のりを歩いたせいか、目的地につくころには濡れてしまっていたようである。カフェについた主人公は、店主に挨拶をし、バイトの為に着替えをするのだった。 【世界観・舞台・言葉の説明】 恐らく舞台は現代であり、セクシャルマイノリティがテーマの物語でもある。近代では、”多様性があるのは当然であり、自認の男女の性が体の性別と合っていることが当たり前ではない”ということが、少しづつではあるが認知されてきているように感じる。 **補足【各言葉の意味】(web調べ) タグにある「セクシャルマイノリティ」とは、 同性愛者、両性愛者、トランスジェンダー、性同一性障害など。 性のあり方が少数派であることを意味している。 性的少数者で、ジェンダーマイノリティやLGBTなどとも言われる。 最近ではLGBTに変わり、LGBTQIAと言われ、さらにLGBTQIAPKの場合のそれぞれの意味。 Q:自分の性別や性的指向を決められない、迷っている状態の人。 A:無性愛者。同性だけでなく異性に対して恋愛感情を抱かない、性的指向が誰にも向いていない。 P:パンセクシュアル。男女の性別にとらわれずすべての性を愛する「無性愛」を意味する。 K:キンキー。他とは違った特殊な性的嗜好を持つとされている。 I:インターセクシャル。 体の状態を指すものであり、現在では”DSDs:体の性のさまざまな発達” 「AIS」や「CAH」,「尿道下裂」・「ターナー症候群」など様々な体の状態があり,「私はAISを持っている」「尿道下裂で生まれた」など,個別の体の状態名で表すことがほとんど。 セクシャルマイノリティは一括りにされることが多いが、それぞれは別のものであり、悩んでいる人もいればそうでない人もいる。カミングアウトする人もいれば、しない人もいる。 それは社会の中で差別を受けることが当たり前だという意識によるものだったり、身体と心が合致していて当たり前と偏見を持っている人が大部分な為だと思われる。恋愛については相手がいることなので自分一人ではどうすることもできないが、生き方については誰もが自分らしく生きられる世の中であるべきだと思う。 【物語の魅力】 とても難しくデリケートなモチーフを扱いながらも、とっつき易いストーリーである。二人の会話の中で主人公の母の生き方も明かされていく。 ここで感じるのは、セクシャルマイノリティの難しさ。自認と性別が違う場合、身体に違和感がなくても一人称に違和感を覚えることがある。どんなに多様性が当たり前の世の中でも、見た目で判断されるということ。それは、なかなか変わらないと思われる。この物語では、いろんなマイノリティの人たちが自分の中に問題を抱えているように思う。 症状にしても心にしてもそれぞれ違う。自分の持っている感覚でマイノリティの人々に接することが、傷つけることでもあること。 例えば身体的に子供を作ることのできない人間に、同じ症状の症例などから可能性を見いだす、それ自体が傷つけることもあるということ。 いろんなことについて考えさせられる物語である。 【登場人物の魅力】 主人公は一人称が”俺”の大学生。性別(身体)は今のところ女性である。 ただこの物語では、見た目=自認ではないし、自認と見た目が合っていても男性機能を果たさないなど難しい面がある。しかしながら、それは当たり前のことでもあるのだ。 人間には、身体の男女で違う部分と、どちらにも存在する部分がある。 そして身体の性と心の性が同じである人もいれば、どちらでもないと感じる人もいるし、どちらであると感じる人もいる。さらに異性に惹かれる人もいれば、同性に惹かれる人もいる。そしてどんな人も愛せる人もいれば、全ての人間に対して恋愛感情を持てない人もいる。誰にも恋愛感情が持てないからと言って、恋愛に興味がないというわけでもない人もいるのだ。そのように、多様性があり、一概にそこに属するからと言って同じ感覚とは限らない。 そういう登場人物たちだからこそ、この物語は複雑な人間関係となっているのではないかと感じる。 恋愛物語というよりは恋愛という一つのテーマの中から、”それぞれの考え方や抱えている悩み、問題、関係性や生き方”が紐解かれていく物語であると感じた。 【物語の見どころ】 もしあなたの身体と心が噛み合っていたならば、世の中には噛み合わない人たちがたくさんいて、それぞれに自分自身と向き合いながら、”自分の人生を自分らしく生きようとしている”ことに気づいて欲しい。 自分の感覚は当たり前ではないし、押し付けるものであってはならない。偏見は、一番人を傷つけるという事だ。 例を挙げるならば、同性愛者の人に”異性を愛することが当たり前”という偏見を向けることは、異性愛者のあなたが明日からは”同性を好きになりなさいと言われる”ことと同様である。 そして心は女性、身体は男性で苦しむ人に”男なら男らしく”という言葉を向けることは、自認も身体も男性の人間に”明日からは女になりなさい”ということと変わらないという事。 それはとても暴力的であり、非人道的である。多様性を理解するという事は、自分が出来ないことを他人に押し付けないことと同様である。自分の当たり前が、他人にとっての当たり前でないという事実を受け止めるという事だと思う。(P27まで読了) あなたもお手に取られてみませんか? LGBTQIAPKと一纏めにされている問題が一つ一つ別のものであり、それぞれ悩みも違うのだという事を理解する機会になると思います 。主人公はこの先どう自分自身と向き合うのか。 二人がどんなラストを迎えるのか。 その目で是非確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2020/8/20
  • 投稿日:2021/8/8
カクヨムファンタジー連載:46話完結

君と旅をするために

【物語は】 ”気”で満たされた世界。 そして気とは何であるのか、その説明から始まっている。 この世界では”気”というものがとても大切であり、人を含める生き物はそれを利用することができるのだ。この物語は、人間と魔物が存在する世界で、魔法使いとして生きる少女の旅を描いている。その旅の目的とは一体なんだろうか? 【登場人物の魅力】 魔法使いである主人公は少し心配になってしまう部分もあるが、性格が素直であり、一所懸命な印象がある。そして彼女と一緒に旅をしている男の子は、しっかり者で現実主義。性格や気質などのバランスの良い二人であると感じた。 何故、二人だけで旅をしているのか。 その理由はとてもシンプルだ。 だが、まだ何か謎があるようにも感じてしまう。 主人公はこの世界では、忌み子と呼ばれる存在。話しを読み進めていくと、昔よりは扱いが随分マシではあるが、完全に差別がないわけではない。 しかし主人公は一緒に旅をするフレッドのお陰なのか、とても明るく見える。調合をする日と普段の時の、寝起きの良さが違うなど、魔法が大好きだということが分かりやすく、可愛らしい性格だと感じた。彼女はきっと、表に出さないだけで、何かを抱えているに違いないとも思う。 この物語の面白さの一つに、主人公の優秀さがある。一見ふわっとしているように見える部分もあるが、魔法使いとしてはかなり優秀。 旅を続けるためには、宿代や食事代などを稼げなければならない。当然のことだが、その能力があるからこそ、子供二人だけで旅が続けられるのだと納得がいく。実際どのように稼いでいるのかも丁寧に描かれており、その内容からは納得する部分が多い。 【世界観・舞台・物語の魅力】 この物語は優しい世界でもあるが、混沌としている部分も当然ある。子供二人で旅をしている主人公たちにとっては、危険がつきもの。 そんな中、情報を集めつつ旅をしているようだ。 一話の前後編では、どんな風に旅を続けているのか。また、この世界でのエチケットなども知ることが出来る。この物語の設定は、とても面白い。 調合の部分では設定が細かく、説明文という形ではなく、主人公の行動描写などで作り方が明かされていく。 ある花の調合の場面を用いてどんな属性があるのか、どのような魔法がこの世界に存在するのかも、垣間見ることが出来る。 【差別とリアリティについて】 多様性や差別において見られる、リアリティと世界観の絶妙なバランス。これがとても素晴らしい。 忌み子とは恐らく、差別を受ける存在である。現実世界にも差別は存在するが、全ての人間が差別的な意識を持って生きているわけではない。 この物語の中でも、主人公に対し暴言を吐く人物はいる。しかし一方で、彼女の実力を認め、他の人に紹介をしてくれるような人物もいるのだ。 人間は自分に害がなければ、差別意識が前面に出ることはない。害と言っても一概に、何かをされるとは限らないが。 そういう部分において、この物語に出てくる人物たちは、とてもナチュラルであり、人間らしいと感じた。 【この物語の見どころ】 この物語は魔法を中心として細かい設定がなされており、忌み子であることも活かされている。もちろん二人で旅をすることに、意義も意味も感じる物語だ。主人公の一人旅では成り立たないと感じた。すなわち、必然性で成り立っている物語だと言えるのではないだろうか。 優しい世界観でありながら、人が人を疑う世界。それは主人公が忌み子だから疑われているのか、魔法使いだからなのか、それとも子供だからなのか。これについては、読了部分ではまだ判断がつき辛い。 この旅の中で主人公とフレッドには、信頼し合い、互いを必要としていると感じる部分がたくさんある。二人の絆を感じる物語だ。 二人で旅をしている理由は序盤に明らかにはなるが、旅の目的はまだ明らかにはなっていない。主人公の抱える秘密とは一体なんなのか? あなたもお手に取られてみませんか? ”人を疑う”というモチーフは、通常ならあまり良い展開を期待できないものです。しかし、この物語は違う。それさえ活かされている。例えば、”対策”として面白く感じてしまう部分もある。 果たして、この旅の終わりには、何が待ち受けているのでしょうか? ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/6/26
  • 投稿日:2021/8/8
小説家になろうコメディ連載:42話

僕はモテモテです。ジミ子限定ですが。

【物語は】 学校が終わり主人公が帰宅しようとしたところ、ある小さな事件が起きる。これが噂に聞くモテ男というやつなのだろうか。 早速、ある女生徒二人に取り合いされる主人公だが、いまいち嬉しそうではない。家まで遠回りになってしまうからか? いや、違う。原因はどうやら他にあるようだ。 どんな経緯でモテが到来したのだろうか。 とっても気になる展開だ! 【登場人物・物語の魅力】 本編に入ると、主人公が既にモテているところから始まる。あらすじから想像するに、”恋愛マエストロ”からモテの極意を伝授してもらった後なのではないかと思われる。物語は、回想によって紐解かれていく。段々時間が戻り、謎が解ける様なスタイルが面白い。 好意を持っていた相手に、自分よりもハイスペックな男子生徒が告白することを知った主人公は、友人に焚きつけられ、意中の女生徒に告白を決意する。 ここでの、主人公の考えや気持ちには共感するものがある。 確かに、うまく行かないことが分かっていたとしても、未練というものは残り続けると思う。告白は”うまく行くと思うからする”とは限らない、という事である。 この物語には、笑いが多く含まれる。主人公のツッコミが面白いなと思った。主人公に好意を寄せる女生徒たちは少し強引であり、”少し行き過ぎているのではないか”という行動にも出る。しかし主人公は、”恋愛マエストロ”から伝授されたことを守り、何とか危機を切り抜けていく。 【世界観・舞台の魅力】 舞台は学校である。モテるモテないが分かれやすい年代。しかしながら、学生の時のモテるタイプは、社会に出ると変わったりするためずっとモテるとは限らない。 面白いなと思うのは、学生の時期には”スポーツの出来る生徒”がモテやすかったりするが、社会にで出ると営業などの”コミュニケーションの上手な人”や、”仕事の出来る人”がモテたりする。または気遣いの出来る人や、料理の得意な人などと、学生時代のモテるタイプから移り変わっていく。 年代や環境などによって、モテる傾向は変わっていくように感じるのだ。 【論理的なモテ】 ネタバレをすることは出来ないので、内容は伏せ”モテについて”知った時の感想を少し。 これは論理的である。かつ、納得のいく内容だと感じた。実際にモテるかどうかは、その人次第かも知れないが。例えば人には容姿の好みもあるので。 だが、試してみたくなる内容であることは確かである。 しかしながら、主人公のモテ方を見ていると大変そうだなという気もしてくる。果たしてモテることは本当に良いことなのだろうか?(良いことばかりなのか?という意味合い) そんなことを考えてしまう。 【モテのビフォーアフター】 主人公は観察のしがいがある。モテる前もモテた後も、それなりに辛そうであるからだ。もちろん悩みの方向は違うが、純粋に喜べる状況に見えない為だ。 もし自分が主人公の立場だったら、”どうなのだろうか”と考えながら読むことのできる物語である。羨ましいよな、違うような複雑な心境だ。 【物語の見どころ】 結果から始まる物語。段々と時が遡り、これまでに何があったのかが明かされていく。結果があって、その経緯が明かされていくが、発端まで一旦時間がどんどん巻き戻っていくのが面白い構成だと思う。 もしこれが時系列ごとに展開されていたら、早い段階でモテの極意が分かってしまう。結果から効果的に見せることで、何があったんだろうか?どんなことなのだろうかと、好奇心を刺激するのである。とても構成の巧い作品だ。 主人公や主人公を取り巻く人々は、とても個性的である。コミカルであり、笑いが含まれているため、とても読みやすいと感じた。 モテの極意は、試してみたくなるような内容であり、論理的である。しかしながら主人公を見ていると、真似することを躊躇う。とてもいバランスで保たれた作品だと感じた。 あなたもお手に取られてみませんか? 現在モテている主人公ではありますが、念願の彼女を作ることはできるのだろうか?ぜひその目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/1/22
  • 投稿日:2021/8/8
カクヨム恋愛連載:37話完結非公開

境面世界にて ~クラスの雑魚キャラで引きこもりな俺氏、ついにヒロインと出会う~

【物語は】 主人公が天井を見上げているところから始まっていく。いつもと同じ景色なはずなのに、何かが違っていた。主人公はそこで夢だと思い、動かない身体を無理矢理動かし、外へ出てみようと思い立ったのである。 【世界観・舞台・物語の魅力】 とても不思議な感じがする世界観。現実と夢を行ったり来たりはするものの、ランダムであり、曜日が同じとは限らない。どんな法則かは序盤では分らないが、あるきっかけにより夢の世界へ行くことが出来るようだ。 しかしそこでも法則があるわけではなく、夢の続きというわけでもない。ランダムに見えるが何か意味や伏線を感じる。そして何が起きるのか分からなかったり、展開予測不能なのでとても先が気になってしまうのだ。 舞台は現実世界と夢の世界。 夢の世界は微妙に現実世界とは違っている。大きく異なるのは、人がいないということ。現実で不登校な彼は何故か、学校へと向かう。彼はそこである一人の女子生徒と出逢うのである。 この物語は、主人公に都合よくできているわけではない。しかし、伏線に感じる部分が面白い。主人公は、夢の世界で出逢った少女と自分の違いに気づき、自分が今まで常識だと思っていたことが偏った考え方であることを知る。 一方現実でも、ある少女との交流が少しずつ深まって来る。夢と現実を行ったり来たりしながら、主人公が徐々に成長していく物語なのではないかと感じた。 【登場人物の魅力】 この物語の主な登場人物は、主人公と夢の中の少女。そして現実で出逢うクラスメイト、姉なのではないだろうか? はじめは自堕落な生活を良いとし、みんな本当は学校なんて行きたくないのに我慢をしていると思っている。不登校になってしまった理由については、作中で語られているため、ここでは明かさないが、そんな彼の世界は狭い。その為考え方もとても主観的である。自分が思っていることは、みんなも同様に考えていることなんだと思っているのだ。 しかし夢の世界である少女に出逢い、少し思想に変化の起きる場面がある。同じ日々を繰り返すわけでもなく、続きから始まるわけでもない。この日常が彼を成長させていくのではないだろうか? そして現実でのある問いかけ。 夢の中でのある問いかけ。 二つの問いが交差する時、主人公はあることに気づく。 この出来事がどう繋がっていくのだろうか? 現実の中での姉との関わり方にも、少しづつ変化が訪れている。 この後、主人公はどんな風に変わっていくのかとても楽しみである。 【物語の見どころ】 まず、構成が面白いところが一番の魅力であり、見どころだと感じる。 次に主人公の変化。彼は少しづつ変わっていく。この物語には笑いが多く含まれており、不登校ではあるがコミカルで重くはない。 しかし、しっかりとテーマが盛り込まれており、主人公が自分自身と向き合ったり、相手の気持ちを考えたりする場面も多い。 先の展開が予想外なのも面白い。次はこうなるのだろうか?と思っていても、大抵当たらない。 リズムはあるのに、一定でもなければパターン化もされていないのだ。まるでアドベンチャーゲームをしているような感覚に陥る部分も魅力的である。不思議な感覚にはホラー感も含まれ、謎要素もある。 単純に夢と現実を行ったり来たりしているだけではないという事である。 (現在15話まで読了) 先が読めないからこそ、面白い。 あなたも読まれてみませんか? この物語には、少女は何処から来たのか?(場所ではなく)という大きな謎があります。本当に夢の世界に住んでいるのだろうか、という謎が。 そして主人公はこの物語を通して何を得るのか。 果たして不登校の日々から脱出できるのだろうか? 主人公のその先を是非、その目で確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/4/14
  • 投稿日:2021/8/8
カクヨムファンタジー連載:154話完結

蟲の勇者は地底に眠る

【物語は】 混沌とした場面から始まる。ある少女が命を狙われていた。追手から逃げようとするものの、立ち向かう力もなく追い詰められ、命を奪われてしまう。 果たして、これは夢なのか現実なのか? それとも未来を予見しているのだろうか? 【世界観・舞台の魅力】 冒頭から始まる場面で、”黄緑色の血”というキーワードが出てくる。 あるショッキングな場面を通し、この物語の世界観や重要な人物の容姿なども伝わってくる。この場面で分かること、少なくともここに出てくる人物たちは自分たち人間とはどこか違っているという事。そう、彼らはあらすじにもあるように、”地球と異なる進化を遂げた存在”なのである。この部分で出てくる”ホンモノ”は一体何を指しているのだろうか。気になる伏線である。 用語補足:(web調べ) 自然選択とは個体間の適応度(生存や繁殖)の差によって生じる過程。その差がたまたまランダムに生じたものではない場合。 自然選択による進化のためには、 淘汰(選択)、変異、遺伝の3つが必要。 物語の流れがとても巧い為、自然に登場人物が紹介されていく。この場面で出てくる少女は、主人公の一人なのだろうか。それとも主人公と共に戦う仲間の一人なのだろうか。あらすじに書かれている”彼らと協力して、コーカスを暴き倒せ!”という一文から考えると、”彼ら”以外に誰かがいるのではないかと考えてしまう。しかし現時点では(この部分の文を書いている時点の拝読ページ)プロローグの段階の為、答えが出るのはまだ先のように感じた。 本編に入ると、世界観について明かされていく。 作品オリジナルの設定であり、最も重要である殻人族についても、ある少年の危機を通し、どのような生体を持つ生き物なのかが丁寧に説明されている。 どんな進化を遂げたのか。どんな部分が人間と違うのか。とても不思議で面白い設定だと感じた。 (設定についてのネタバレに関しては作家さまから、個人的に許可をいただいております) 【登場人物・物語の魅力】 舞台の設定がしっかりしてるため、分かりやすい物語である。作品のはじめのの方に世界観や設定について詳しく描かれているが、オリジナル要素が多い為、とても好奇心を刺激される。しかもつらつらと説明が入るわけではなく、要所要所で説明されるため、覚えやすく納得もしやすい。 彼らの敵となる存在はどうやって産まれたのか。 その経緯について語られているが、これは現実の世界でも十分に起こりうる”勘違い”によるものだと思われる。 その為、この物語で描かれている登場人物たちが”人間ではない”にも関わらず、共感しやすかったり、想像しやすかったりするのではないかと感じた。 武器が体の一部。 これは己の身体自体が鞘と考えると、とても面白い発想だと思う。手に持って歩く必要もないし、身体につけておく必要もない。必要な時に自分の意志で取り出せばいいのだ。しかも全ての殻人族に、備わっている、祖先から受け継がれたもの。この武器についての設定も、とても面白い。独創的である。 冒頭の少女と少し変わった能力をもつ主人公との出会い。どのように出逢うのだろうかと思っていたが、出逢う場所がとても自然な形である。出逢い方は少し変わってはいるが。ここで思うのは、主人公は田舎者で世間知らず。冒頭の少女は都会育ちもしくは現代っ子というイメージが近いのかも知れない。二人はある場所で出逢い、話をすることで地中で生活していた者と森で生活していたものの文化や生活の違いが明らかになっていく、ナチュラルな話の展開。虫からの進化であるという事も随所に活かされており、作者の拘りが詰まった作品であることが伝わってくる。 【物語の見どころ】 全体的に世界観や舞台の設定について、とても凝っており、良く練られていると感じた。子供と大人の違いや、武器について。進化の仕方や、生活や食事に至るまで”虫”からの進化であることが分かりやすい。 好きでなければここまでモチーフとして扱えないと思う。 それくらい活かされている。 そして、作品の下記にある作品の設定補足。用語など。図も入れたりし分かりやすく補足されている。虫についてよく知らない人でも分かりやすく、納得のできる世界観だと思われる。 主人公と冒頭の少女について。 どちらも個性的。主人公は天然で世間知らずであり、屈託がなく素直な印象。それに対し少女の方は、言いたいことをはっきり言う、少し気の強い子という印象である。一見性格が合わなそうにも感じるが、物語が進むにつれ少女の性格に好奇心旺盛な部分も垣間見え、案外うまく行くのではないか?と思ってしまう。読了部分はまだ序盤の為、これから二人の仲がどのように変わっていくのか想像するには早計かもしれない。 あなたも是非、お手に取られてみませんか? オリジナル設定の部分がとても良くできていて、伏線に感じる部分も多々あります。少女との会話の中で主人公は、父に教わった鍛える方法が”根拠のない話”だと知る。しかしそう方法により、強さを実感している彼はどうにも納得いかない様子。これはなにか有るのではないかと、ワクワクします。 この物語の先はどうなっていくのか。 果たして彼らにとっての脅威を、倒すことことが出来るのか。 その目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2023/8/19
  • 投稿日:2021/8/8
カクヨムSF連載:74話非公開

世界の最果てに佇む猟犬と新世界の彼方で吼える忠犬

【物語は】 雨の日に乗り合いで目的地に向かう、途中の車内での会話から始まる。内容はもっぱら、街コンの話だ。街コンが何かについては補足参照。 この話題を通し、各登場人物の特徴が明かされていく。明るい話から一転、着いた先はホラー映画にでも出てきそうな建物であった。 これから何が起きるというのだろうか? 補足*街コンとは? 街コンは、2004年に宇都宮で行われた「宮コン」というものが発祥とされている。出会い系のイベント。大規模型とアットホームな小規模性、大手イベント会社が運営する街コンとローカル地域限定の地域密着型街コンなど、様々なパターンのイベントがあるようです。(web調べ) 【世界観・舞台】 度々出てくる新世界とは。 作中に”親父とお袋が新世界(あっち)の生まれだから”(引用)という一文が出てくるので、何らかの形で行ったり来たりできる場所なのではないかと想像する。 この物語ではゴブリンやオークなどが出てくる。そして、主人公と一緒に職務をこなしており、それなりの階級のものいるようだ。つまり、人間以外の種族が人間と共存しており、差別などされたりもしない世界観という事だ。 しかしながら、街コンの話の流れでは異種族間での付き合いは、そんなに好ましいわけでもないように思える。 この部分から思うのは、異種族であっても”個人として扱われたい”という気持ちがあるという事。肩書や職業ではなく、人柄や容姿も含めた個性などをちゃんと見て判断して欲しいという事である。それは人間も同じであるので、気持ちが理解できる。種族が違い見た目などが違うというだけで、彼らは人間と変わらないという事だ。そんな彼らだからこそ、一緒に任務をこなせるのではないだろうか。 しかしながら、この後の話では新世界との戦争について語られている。それを踏まえると、彼らは特別な境遇にいるのかも知れない。 【登場人物・物語の魅力】 二話ではニュースを通して、この世界にどのようなことが起きたのか、現状がどうなのかについて詳しく語られている。その中で、新世界で暮らしていた者たちとの共存の仕方や、共存できないものとの付き合い方などが明かされていく。しかしながら、全体的に人間が好き勝手している印象が強く、ニュースの中でもそのやり方に反対している者もいるという事が見えて来る。 主人公がこのことについて、どっち派の考え方なのかは、この時点では明確にされてはいないが、彼らとのやり取りを見る限りでは異種族差別をしていないように感じる。 物語を読み進めていくと、少なくとも主人公の周りでは種族間でいがみ合う問題が起きるというよりは、組織の体制によるという方がしっくりする。 あるテロリスト集団を摘発した折に出てきた”異世界の鉱石”、これが飛んでもなく危険なものだった。当然入手経路や、密売者を特定しなければならないわけだが。そこに鉱石の入手元となる国の女騎士が訪れる。 二人のやり取りはとても興味深い。全体的に冷静に感じる主人公の、感情が露わになるシーンでもある。客観的に見ると到底うまくやっていけそうにないように感じてしまうが、果たして密売組織を捕まえることはできるのであろうか? 【物語の見どころ】 世界観設定が細かく、その説明の仕方は色んな方法を交えているように感じた。歴史を辿るような流れであり、それについての主人公の考えも述べられている。 主人公はやり手のキャリアウーマンという印象。冷静でとても強い。しかし、時にはカッとなることもある。(態度は冷静なままに見えるが)そこが魅力の一つでもあると感じた。常に冷静な人には人間らしさを感じないからである。 回想の中では、過去の彼女も垣間見える。こういう職業は悪を取り締まると言っても、やはり人と人との関わり合いで成り立っているんだなと、改めて感じた。 そんな彼女はある任務において、非協力的な者と一緒に仕事をすることとなってしまう。(正確には目的地に同行)この部分の駆け引きは、とてもハラハラする。一筋縄ではいかないという事だ。 果たして、主人公は無事に目的を果たすことが出来るのであろうか? あなたもお手に取られてみませんか? アクションシーンがとても巧く、世界観がしっかりとした物語です。警察もの刑事ものが好きな方にお奨めしたい物語です。 ぜひ、読まれてみてくださいね。

5.0
  • 作品更新日:2022/11/16
  • 投稿日:2021/8/8
ノベルアップ+恋愛連載:159話完結

魔法の世界でサポートします!

【物語は】 主人公の前世について明かされていくところから始まる。主人公は、前世からサポート役に回るのが好きだったようだ。この後、この国の魔法について語られていく。ここで、主人公は15歳で行われる魔法検査で四属性持ちということが判明する。四属性持ちはとても稀なことらしい。通常ならここで、大活躍という展開なのだろうが、この物語の主人公は目立つのが嫌い。一体話はどんな風に展開されていくのだろうか? 【登場人物の魅力】 主人公も主人公の親友も、年相応な明るさを持ち、その心情の動きなどに好感が持てる。彼女は、三兄妹の末っ子。マイペースとはあるが、的確な判断は出来るようで、前世の記憶が戻ったことについては、自身の判断により隠している。 主人公と親友のやり取りから、他の人物についても詳しく明かされていく。流れるように物語が進んでいくので、とても分かりやすい。国王との謁見の場では、国の事情なども分かって来る。 この物語は、別視点でも語られている。つまり一般的に主人公がどんな人物だと思われているのかも、明かされていくのである。目立ちたくないという事は、その階級にとって珍しいことのようだ。 【舞台・世界観について】 この世界で四属性を一人で使えること。もしくは光魔法が使えることは、とても珍しいことのようだ。光魔法は治癒などが行えるようであり、その希少性から狙われる理由も納得できる。家族との会話なども通し、魔法については詳しく語られていく。 物語のメインの舞台となる学園について。どうやら、自分が親友を守るという話になったのは、学園という場所が敵から身を守り辛い場所であるという理由だけではないようだ。少しネタバレになってしまうかも知れないが、この学園という所は魔法が発現すると学ぶ義務が招じ、全寮制なのである。ここで、主人公が何故、妃候補の親友と行動を共にしたかったのかが納得できるのだ。 学園の中で学生を守ろうとしたら、同じ学生が一番目立たない。木を隠すなら森の中とも言うように、元々親友である主人公は一見護衛とは思われないからだと推測した。 いろいろと計算された展開だが、果たして主人公は親友をどのようにして守っていくのだろうか? 【物語の見どころ】 この物語は、読了部分までではあるが、ほのぼのしているように感じる。主人公は父に溺愛され、親友に大切にされ、普段は笑わないような人にも注視される。四属性も魔法が使えるにも関わらず、目立つことが嫌いな為、控えめに見られやすい。 主人公は、あらすじによると本人は気づかないが人から愛されている人物のようだ。つまり、主人公と彼女を取り巻く人物たちとのやり取りが、一番の見どころなのではないだろうか? 他国の者から狙われ、危険な学園生活を想像していたが、序盤では主人公と家族。主人公と親友など、登場人物の関係が詳しく丁寧に描かれている印象。そして、時々鋭い発言をするシーンがあるものの、ほのぼのしていると感じた。学園生活そのものが、この物語のメインなのかも知れない。 あなたもお手に取られてみませんか? この世界では稀と言われる、四属性持ちの主人公の学園生活。一体どんなことが巻き起こるのか?是非、その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2021/12/3
  • 投稿日:2021/8/8
小説家になろう恋愛連載:97話完結

私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~

【物語は】 ある一場面を切り取った部分から始まっていく。彼女の願いは叶うはずだったが、何らかのトラブルが招じたのではないだろうか? 続く本編では、あまり嬉しくないと思われる内容の会話が続くが、主人公にとっては違うように思える。果たして主人公は、自分の望んだ道をつき進むことが出来るのだろうか? 【登場人物・物語の魅力】 主人公は友人と、あるゲームの世界に来てしまったものの、まったくブレない。やりたいことが決まっており、その為にどうするべきかも決まっている。しかし、周りはそれを許さない。それでも、運が良いのか悪いのか、望んだ道へは進めそうな雰囲気である。 彼女が道を開くことが出来たのには、色んな理由があると思う。まず、この世界のことを予め知っていたこと。そして友人と打ち合わせをしてたこと。更に、やりたいことがきちんと決まっていたということだ。きちんと計画を立てていたからこそ、不利な状況になっても、道が切り開けたのではないかと思われる。 この物語には、二人を巡るある男性が出てくる。主人公は彼に、婚約破棄されるのだが、その問題はその時点では終わらない。解決していないように感じた。主人公が自分のやりたいことを貫くために、そっと屋敷を逃げ出したあとも、主人公の意志とは関係なく物語は進行しており、彼の視点で進む話もとても面白いと感じた。彼はいずれ、主人公の邪魔に入るのではないかと想像でき、冷や冷やしてしまう。 【舞台・世界観の魅力】 ゲームの世界にやって来た、主人公とその親友。二人は夢だと結論付け、この世界を楽しむことにした。プレイ済みのゲームということで、出てくる登場人物のことは知りつくしているようだが、好きな部分(サブコンテンツ)に夢中だった為、途中ピンチに見舞われることも。 しかし、この世界に来るときにあるアイテムを受け取っていたようで、最初のピンチを切り抜けることは出来る。だが、そんな簡単にラッキーは続かないのである。 回想などによって、このゲームをプレイすることになった経緯や、主人公の現実側での想いなどが綴られている。 現実世界での自分と、ある自分の思いが交差した時、主人公は自分が自分らしくいられていないことに気づく。 彼女は、この世界でなら、自分らしく過ごせるのだろうか? この世界では”精霊魔法”というのが使えるようである。本来ならば、主人公は一人でトレジャーハントをしようとしていたに違いない。しかし、ある勘違いをきっかけに、ある男性と共に行動しなければならない状況に陥る。初めこそ、利便性や必然性によるものだったが、相手の人柄が分かって来ると、彼に対し好意を感じ始める。 【手つなぎ生活】 もし自分が手つなぎ生活をすることになったなら? とても不便だなと感じた。手が使えるかどうかよりも、動き辛そうだなと思った。この物語のなかで面白いなと思うのは、ゲームとしてプレイしてた時と実際にゲームの中で活動している時とで、違いがあることだ。細かい部分かも知れないが、例えばゲームをプレイする分には風を感じたり重力を感じたりすることはない。(TVゲーム、携帯ゲームなど) そういう普段は気に留めていない部分である、”ゲームをプレイしているのか、それともゲームの中に居るのか”という違いがはっきりしている。そういう違いも、物語の発展に関係しているのではないだろうか。 【物語の見どころ】 主人公の心の動きが丁寧であり、目的がはっきりした物語である。 ある日、ゲームの世界にきてしまった主人公は、慌てるでもなく親友と話し合い、ここで何を行うのか決めていく。彼女のしたいことが元から決まっている。その為には、自由が必要であった。 途中ピンチに見舞われるも、神様から貰った道具が道を切り開いてくれる。 しかしながら、何もかもがうまく行くわけではない。順調にことが運びそうだった主人公に影が差すのである。その原因になったのは、ある男との出会いだった。 だが、この出会いは主人公にとって転機となる。初めころは不満そうにしていた主人公だが、その心に変化が訪れるのだ。楽しそうな部分もあるし、元々彼が他の女性を狙っていることを知ってか、複雑な心境の部分も垣間見える。 この物語での一番の見どころは、主人公の心の変化にあるのではないだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 大切なモノを、ある勘違いにより本人の意志とは異なった形で奪われてしまった主人公。彼女は、その時出逢った男性とある事情により、一緒にいなくてはならなくなる。しかし一緒に過ごすうちに、心境が変わっていく。 また、邪魔者の入る気配もある。 これから何が起きるのか? 無事に夢が叶うのか? 見どころ満載の物語です。 是非読まれてみてくださいね。おススメです。

5.0
  • 作品更新日:2022/1/30
  • 投稿日:2021/8/8
カクヨムその他連載:744話完結

令和な日々

【物語は】 10連休という、ゴールデンウイーク明けから始まっていく。学校や仕事のある人ならば、お休みは終わって欲しくないと思う人が多いものだが、主人公の一人である”陽稲”にとっては違ったようである。彼女にはどうしても、仲良くなりたい相手がいたからである。容姿は正反対と言っても過言ではない。 この物語は、群像劇である。 主要となる二人に加え、他のクラスメイトなどからも日常が語られていくようだ。果たして、主人公の一人である陽稲は、自分の目標通りもう一人の主人公である”可恋”と仲良くなれるのだろうか? 【舞台・世界観・物語の魅力】 本編に入ると、”学生特有”なのかもしくは”世界の狭い範囲”で起きることなのか、ある問題に遭遇している。 例えば頼まれものであっても、勝手に他人のもとを見るというのは、如何がなものだろうか。作中ある”もの”が原因で、主人公二人を含む三人の生徒が職員室に呼ばれることとなる。分別のつかない年齢ではないとは思うが、”学校”という場所においてありがちなことのようにも思えた。 学校という狭い世界の中で、同じものをクリアしていかないといけないとなると、起こりうるものなのだろうか。面倒なことが起き、それを招いた人物に怒らない(表面上)可恋は大人だなと感じる。 (注意*作中、学生生活においてありがちと思える出来事の一つ。他人のノートを勝手に見て、コピーするという事件が起きます。しかしながら、他人のものを無断で見たり、コピーをすることは犯罪です。必ず本人に許可を取りましょう。レビューにて、この行為を推奨するものではありません) 学校生活やこの年代にスポットを充てているというのが、しっかりと分かる作品である。中高生の女子特有という印象を強く受ける。例えば、仲の良い友人を巡る争いというのも女子特有なイメージを持つ。もちろん、人それぞれだとは思うのでイメージではあるが。 すなわちこの物語では、等身大の女子中学生の日常が描かれていると感じた。 【登場人物魅力】 はじめは、不安を感じていた主人公の一人、陽稲。ある事情により、仲良くなりたいと感じていた相手と、なかなか仲良くなるきっかけがつかめないでいた。しかし、それは学校に行くことのできない事情によるもの。勇気を出し、少し早く登校したゴールデンウイーク明け。思ったよりもすんなり仲良くなれそうな気配はあったものの、一難去ってまた一難。直ぐにピンチを迎えることなってしまう。 この物語を読んで思う事。 子供の頃というのは、怖いものなしだなと感じた。年を重ねると、周りから見える自分について考え、友人になりたいから積極的に行動するという事がなかなかできなくなる。もちろん子供にも引っ込み思案なタイプの子供はいるが。 日付が進むと、陽稲の姉の視点で彼女がどのような境遇で育ったのかが語られる。この部分を読む限りでは、一部の親戚を除き”陽稲”は、誰にでも愛されるコミュニケーション能力の高い人物であることが伺える。 作品を読んで思ったこと。 人とコミュニケーションを取るために必要なのは、自信なのではないだろうか。ある程度自分に自信がないと、人と交流することにためらいを感じてしまう。陽稲は元より、その容姿や性格のお陰で溺愛されていた。それでも、可恋に対して少し不安を感じている。つまり、意識してしまうほど彼女は特別だったのではないだろうか? 両サイドの心理が描かれている為、互いに何を思っているのかが分かりやすい。正反対に感じる二人だが互いに憧れを持っているという感じではなく、好感を持っているように感じた。こんな風になりたいではなく、互いの良さを受け入れている印象である。 【物語の見どころ】 等身大の中学生の日常が見どころなのではないだろうか。随所にその年代に見られる要素が詰まっている。可恋は考え方や仕草などが、大人だなと感じる部分が多い。しかし、それは母子家庭によるものなのかもしれない。 一人でいる寂しさを自分自身に納得させようとするならば、どうしても精神的に大人にならざるを得ない。 それに対し、陽稲は天真爛漫なお嬢様という印象である。周りに愛され、素直に育ったという雰囲気がある。一見正反対に感じる二人。 彼女たちは、この先どんな風に残りの学生生活を送っていくのだろうか? この物語は、主人公となる人物は二人だが、他の人物の視点でのエピソードもある為、二人が周りから見てどんな存在なのかも明かされていく。視点が違えば、見えてくるものも違う。自分から見る自分。周りから見る自分。そこにどんな差があるのだろうか。そしてそれも見どころの一つなのではないだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 彼女たちの、一日一日がとても丁寧に描かれている物語です。心理描写がとても丁寧で、日々こんなことを思っているのだなと、彼女たちの心理が手に取るようにわかる部分が魅力的です。 この先、二人はどんな経験をしていくのだろうか? どんな風に心の距離を縮めていくのだろうか? その目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/4/5
  • 投稿日:2021/8/8