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ノベルアップ+ヒューマンドラマ連載:41話

Sing with friends

【どんな物語なのか?】 主人公の一人、ゆかりの視点から始まっていく。彼女は小説を書くことが好きであり、小説家を目指してはいるものの自信を持って”これが得意だ”といえるものを持っていなかった。昔は褒めてくれた両親も、遊んでいないで勉強をしなさいと言うようになり、自分は遊びのつもりではなく真剣にやっているのにという気持ちになる。 しかしながら、「遊びか、それとも遊びではない」という概念には真剣かどうかは関係しないと思われる。仕事は明確に賃金が発生するため、遊びという分類には入らないが、賃金が発生するかどうかではなく”責任”の発生するものは、”遊び”とは異なると思われる。つまり、趣味の領域にある限り真剣であっても”遊び”と分類されてしまうのではないか? と思われる。 だがこれに関しては、大人になっても理解できない人もいるので、まだ学生である主人公が傷つくのは致し方ない。学生らしい等身大のの主人公の気持ちが描かれている物語だと言える。 【登場人物・共通点など】 日向ゆかり……夢は小説家になること 如月菜々……夢は歌手になること 【ターニングポイント】 ゆかりは落ち込んで帰った日、いつもとは違う道を通って家に帰ろうとした。 その時歌声が聴こえてきたのである。そこで出逢ったのは、夢に真っ直ぐに向かう少女。自分と違い過ぎる少女に触発された彼女は、自分自身と向き合うきっかけを得る。何故小説を書いていたのか? どんな気持ちで書いていたのか? そして好きが義務に変わっていたことに気づくのだった。主人公は如月菜々と交流することで、本来の気持ちを取り戻していく。 【テーマや良い点、感想等】 同年代の言葉だから響くというのは思春期にはよくあることだと思う。学生の頃は大人よりも身近な先輩に憧れたりするものだ。ほんの少し年齢が違うだけで随分大人に見えるが、大人に対して憧れを持ち辛いのは輝きがないからだと思う。実際にそれなりに人生を生抜いた人というのは何処か悟ってしまっており、夢をあきらめた後だったりする。そして、何が原因だったのかも理解しており若者に対して助言は出来るものの、伝わらないのだ。 思春期の年代にとって、そういう大人の言葉は耳に入り辛いが、同年代の言葉は影響力がある。そして尊敬しているならなおのこと。 ゆかりは自分より年下ではあるものの、菜々の言葉にハッとする。彼女の言葉は論理的であり的を得ており、自分にとってプラスになる言葉であったからだ。些細なきっかけかもしれないが、彼女が大きく前向きに変わるきっかけになっている。 【見どころ】 主人公の二人は互いに別な悩みを抱えている。ゆかりは小説についてであるが、菜々は友人について。菜々の悩みもまた、この年代にはよくあるケースで妬みや嫉みが原因であると思われる。しかし本人はとても純粋であり、何が原因かわからない。菜々にとってもゆかりとの出会いは救いだったのではないだろうか? 二人はいつの間にか、互いに頼れるような信頼関係を築いて行く。恐らく二人は互いに欲しかったものを得られたのだともう。ゆかりは真っ直ぐに夢に向かう気持ち。菜々は本当の友達。 時に迷い、他人の言葉に傷つき、励まし合い。二人は互いに影響を与えながら、共に成長していく。果たして、二人は夢を叶えることができるのだろうか?  あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/8/31
  • 投稿日:2021/12/29
カクヨムファンタジー連載:330話完結

変身時間のディフェンスフォース 〜ヒーローの変身途中が『隙だらけ』なので死ぬ気で護るしかないし、実は最強の俺が何故か裏方に!?〜

【物語は】 面白い問いかけから始まっていく。これは誰もが一度は、抱いたことのある疑問だろう。ヒーローの変身中に何故、敵は攻撃してこないのか。 その答えは確かに、直ぐに分かるのだが、解釈が非常に面白い。 「攻撃はしてくる? してこない?」 あなたは、一体どちらだと思いますか? 予想を立ててから読んでみてくださいね。 恐らく、想定外の結果にはなりますが。 【世界観・舞台の魅力】 まず、目の付け所が面白い物語である。そして、そこから新たな展開を産んでおり、予想外のストーリーとなっている。 昨今では、走りながら変身していくしていくようなものもあるが、それはロボット系であり、ヒーロー、ヒロインものは変身シーンが大きな見せ場となっていることの方が多い。この物語では、そのような変身シーンに着目し、描かれたものである。そして変身シーンに対してヒューマンドラマを描くというのは、珍しいのではないかと感じた。 あらすじにもある通り主人公は、ヒーローの変身シーンの時、無防備な状態の彼らを敵から守るのが仕事である。どうやって守っているかは、作中で明かされていく。その中で、守る側である主人公の葛藤部分が丁寧に描かれており、裏方ならではの気持ちが伝わってくる。 もし自分の方がヒーローより強いのに、目立たなかったなら? その活躍が無かったことになったなら? 強さだけではなく承認欲求やプライドなども、モチーフにした物語なのではないかと感じた。どんなに完璧にこなし、相手よりも能力を持っていたとしても、誰にもそれを認めて貰えない。裏方でいなければならない主人公は、かなり精神的に辛い立場だと感じる。 根っからの裏方好きでもなければ、耐えられないのでないだろうか? 【物語・登場人物の魅力】 主人公はきちんと自分のやるべきことをこなしているようには感じるが、”やはり納得いかない”と思う面が垣間見える。 ヒーローの変身する間、敵から彼女を守り切った主人公であったが、その帰りにたまたま異世界から来た「ヴィラン」と出くわす。本来なら、ヒーローがとどめを刺すのだが、一人で戦ってしまう。彼の強さを認識する場面だ。 ここで思うのは、これだけ強くてもヒーローにはなれないという事。一緒にいた幼馴染みのスナイパーの心の声”そもそもヒーローを守る存在がヒーローより弱くちゃ(略)”(引用)により理由などを妙に納得してしまう。 ここでヒーローよりも強い護衛がいるのならば、”ヒーローは要らないのではないか?”という疑問が湧く。このことについては、きちんと理由が述べられている。(作中にて) ヒーローよりも強いのにヒーローになれない主人公の心境に、共感の持てる作品である。色んな理由があり、それ自体(システムなど)は理解出来るが 、別な部分に納得いかないという複雑な心境になる物語なのだ。 とても面白い(興味深い)物語である。 【物語の見どころ】 裏方にスポットを充て、葛藤を描くというのがとても面白い。アイドルにしても、裏方がいてこそのアイドルなのだ。ただそこにいるだけ(存在しているだけ)では、ただの人でしかない。ヒーローもしかり。 支えてくれる人物、お膳立てしてくれる人がいて、初めてヒーローと認められる。つまり、主人公がどんなに強くてもヒーローになれないのは、それが理由なのかもしれない。 しかし、この物語はそこでは終わらない。 主人公は、一度は「護利隊」から追放されてしまうがその後、彼は今までヒーローが手に入れることの出来なかった能力を手にするのである。 それこそが、彼のターニングポイントなのではないだろうか? ヒーローという肩書にこだわることを辞めた時、彼が本当に進みたかった道が見えてくるのではないだろうかと感じた。 あなたもお手に取られてみませんか? ヒーローの舞台裏で戦う主人公の物語。ヒーローより強い彼の戦う姿(拘りの戦闘シーン)は、ヒーローと「ヴィラン」の戦いよりも夢中にさせてくれます。この先の彼の活躍を、その目で是非、確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/9/5
  • 投稿日:2021/8/8
ノベルアップ+歴史・時代連載:943話

月詠の鏡と劔 大江戸月想奇譚 第一部

【物語は】 浅草寺の参道にて、人々が口々に不安の声を漏らすところから展開されていく。人々の不安の元凶は、一か月前には点ほどの大きさだったはずの月のようなものである。今では、元の月よりも大きくなってしまった。それほどに近づいてきており、落ちてくるのではないかと人々の不安を煽っていた。 それを忌々しいと感じる主人公の一人、”伊賀の天才忍者”である才蔵。 その理由は、二つ目の月が出て来てからというもの、自身の商売に影響が出ている為だと思われる。 才蔵はある事情から追われていた。この時、彼は自分に向けられている二つの視線に気づく。その片方に、彼は目を付け利用することにしたのだった。ある、目的の為に。 注:この物語は多視点で展開されている。なので群像劇の可能性がある為、”才蔵”を主人公の一人と表記させていただいております。 群像劇は全員が主人公の時と、主人公と取り巻く人々の場合がある為。 (十九話まで読了にての解釈です) 【世界観・舞台・物語の魅力】 まず江戸らしさを感じさせる表現がふんだんに使われており、タイムスリップしたような錯覚に陥る。表現に拘りを持たせていると感じるが、地の文、会話文ともに読みやすく、解釈や内容が難しいと感じることが無い。とても不思議なバランスの物語だと感じる。表現には古語を使用しているが、それ以外の部分は現代文で書かれている為だと思われる。 才蔵はわざと騒ぎを起こし、ある侍と接触している。このことが後にどう関係してくるのだろうか。侍のほうはこの時、主人公が自分を訪ねてくると予見している。何故予見できたのか、この時点では分らない。その予見はまもなく現実のものとなる。 侍と別れた後、才蔵は一人茶屋に寄る。そこで耳にした声は幻聴だったのだろうか。彼の素性が声とともに回想によって明かされていく。 一体、この声の主は何者なのか。この後、才蔵は追手によって命を奪われそうになるり、声の主が何者なのかも判明する。 ここで江戸とファンタジーという組み合わせが、どんなものなのか見えてくるのだ。とても面白い展開であり、意外性を感じた。 声の主と才蔵たちの繋がりが分かるのは、ある夢。そこで才蔵らは、自分たちの使命を見いだすこととなるのだ。夢は彼らとどう関係していくのだろうか。とても興味深い展開である。 【登場人物の魅力】 夢によって彼らの繋が判明するまでは、それぞれが事情を抱えており、どう繋がるのか分からない状態である。しかし”声”という伏線がある。主人公の一人である才蔵は、その声に気を取られ追手に見つかってしまうのだ。 結果として、声の主である”月詠”に助けられ、浅草寺の参道にて出逢った侍の屋敷に連れていかれることとなるのだが。 ここで侍側の視点となり、彼らの事情も分かって来る。 月詠と彼らの関係は一体なんだろうか。 不思議に思いながら読み進めると、才蔵は生死を彷徨う中、ある夢を見る。それはとても不思議な夢であり、月詠の素性とも言えるものであった。それにより、この三人は出逢うべくして出逢い、運命に導かれたように集まっているのだと感じた。 立場も身分も違う彼ら。夢の内容により、当然四人目もここに集まるのは予想できる。時期は分からずとも。彼らは、月より生まれた月詠を中心として集まったのだ。 月詠の素性と共に明かされる四人と、月詠を中心に集まった四人には何らかの繋がりが持たされている。そして主要四人の背景についても、丁寧に描かれている為、物語に厚みがあると感じた。事情と現状が複雑に絡み合い、今後どのように展開されていくのかとても楽しみである。 【物語のみどころ】 まずは江戸らしさを醸し出すための工夫がなされているところが見どころの一つ。古語が使われているものの、現代文との組み合わせにより絶妙なバランスが保たれている。表現には江戸らしさを感じるのにとても読みやすく、理解し易いのである。そして。物語自体にも工夫がなされている。 身分などが分かりやすく、主要な四人 (十九話時点での主要人物の人数である)は立場が違う。身分なども違い、性格も違う為に覚えやすいという特徴を持つ。そして彼らは美しい月詠に魅了されており、自ら彼女を守ろうとするのだ。竹取物語のかぐや姫をイメージさせるものの、内容は全く違う。ただし、イメージを持たせることが出来るため、とても分かりやすいと言えるのではないだろうか。 主要人物の背景が分かるところも、見どころの一つ。月詠に出逢う前の彼らには、それぞれ抱える問題があったという事である。彼らは、その問題をどう解決していくのだろうか。そして、この先どうなっていくのだろうか。 あなたもお手に取られてみませんか? 月から生まれた少女、月詠を巡る物語の結末を、ぜひその目で確かめてみてくださいね。この先彼らに、一体何が待ち受けているのだろうか? お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2024/3/21
  • 投稿日:2021/8/8
小説家になろうファンタジー連載:29話

掃除機魔法が全てを吸い尽くす!!

【物語は】 明るいコントのようなプロローグで始まっていく。全体に明るいのかと思いきや、本編に入ると場面は暗転。主人公は、八歳にして大好きな母を過労で亡くす。どれほど母が好きなのか伝わってくる、涙なくしては読めないシーンである。母への想い、後悔、どうしたら母を救えていたのだろうかと、思考する。そんな主人公に不穏な影が差す。母との別れもそこそこに主人公はその人物により、何処かへ連れていかれてしまう。 一体、この先何が待ち受けているのだろうか。 【世界観・舞台の魅力】 母の葬儀の後、あるおじさんに連れてこられたのは大きな屋敷であった。そこで、彼が領主であることを知る。彼に一五歳まで、ここで暮らすように言われた主人公。何故、母は領主に自分のことを頼んだのだろうか。その理由が分からぬまま、ここで暮らすこととなる。 母が過労で亡くなったという事は、あまり裕福な暮らしではなかったと推測する。そういう境遇から、突然裕福な家に連れて来られた。しかも、秘密の部屋に押し込められ、メイドを一人つけられたことから、自由とは決して言い難い環境なのではないだろうか。 食事の心配や、衣服の心配もいらず、生活に関しては不安の要らなそうな環境である。風呂が、用水路で水浴びというところから、そこまで通常の気温が低い地域ではないのだろうかと感じた。いろんな想像の広がる物語である。 【物語・登場人物の魅力】 この物語では心情が丁寧に描かれており、モノローグ調で分かりやすく、全体的に理解しやすいので、感情移入がとてもし易い。 主人公は母想いの少年。母を亡くし、新しい生活を強いられる。母との思い出の詰まった家さえ奪われ、半強制的に領主の家で暮らすことになった。 しかし、全く救いがないわけではないようだ。まだ子供である彼の世話をしてくれるのは、笑顔の優し気な女性。彼女が優しく屋敷でのことなどを教えてくれる。二人のちょっとしたやり取りから、主人公が笑顔になる場面もある。 しかし、一年後。メイドであるサラの激変に驚くこととなる。 一年前には想像もつかないほど、彼女はスパルタだ。勉強を通して、この物語の世界観なども分かってくる。魔力についてはオリジナル要素。意外性のある設定である。 勉強という過程の中で世界観が分かってくる為、とても理解しやすい。その内容の中で、主人公が暮らす場所についても詳しく語られるが、ここはどうやら複雑な場所(土地)のようである。 【物語の見どころ】 プロローグではとても明るく、どんな物語なのだろうとワクワクしたが、一変という始まり方だ。物語は序盤は悲しい部分もあるが、段々と明るくなっていく展開。 本編は最愛の母を亡くすところから始まっていく。悲しみに暮れている暇もなく、ある屋敷に連れていかれる主人公。そこで、一五歳まで過ごすこととなる。しかも、専属メイドのサラと二人きり。 その中で、年数の使い方や話の流れがとても巧い物語であると感じた。勉強の内容は世界観の説明に繋がり、主人公と共にいろんなことを理解していく。そして閉じ込められている間、ずっと安全とは限らないのだ。ピンチに陥ることもあるし、強く逞しく成長していかねばならない。 辛い始まりだったこの物語は、段々明るくコミカルになっていく。とても面白い展開である。意外性の沢山詰まった物語だ。 果たして彼が”恩恵”で授かった”掃除機魔法”とは、一体どんな魔法なのだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? ”こんな魔法は、見たことが無い!”というかたが多いのではないかと思います。独創的で、テンポのよい物語でもあります。それなのに、心理描写などがとても丁寧で読みやすく、分かりやすい作品。 彼がこれからどんな人生を歩んで行くのか、その目で是非確かめてみてくださいね!お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/8/17
  • 投稿日:2021/8/8
小説家になろうファンタジー連載:85話

青の国物語〜異世界はすぐそばにありました〜

【物語は】 学校での、始まりと一日の終わりのチャイムについて考えるところから始まる。主人公は自分に対し好意を抱いている異性から映画に誘われ、相手に対し恋愛感情を持っていない為、断ったがシツコク言い寄られていた。困り果てていたところを親友に助けられ、二人の関係や性格などについて明かされていく。その後、主人公が想いを寄せる相手について語られていくのだった。 【登場人物の魅力】 主人公の好きな相手は、兄の友人。この年代というのは少し学年が違うだけで遠い存在に感じるものだ。学生時代とは不思議なものである。 そして先輩後輩という関係は悪い方に働き、元々は仲が良かった二人であったが他人の手によって壁が築かれてしまうのだ。この年代ならではの人間関係が表現されていると感じた部分である。 明確にどちらの視点とは書いてはいないが、主人公と片想いの相手との両サイド視点で進む物語。主人公が想いを隠している為、なかなか進展はしないが彼女の変化について、相手はちゃんと受け止めている。二人の想いのすれ違い方に変な複雑さがない為、純粋に応援したくなる気持ちと、二人の関係がどうなるのだろかという好奇心を誘う。 特に主人公が、彼と疎遠になった発端の事件は”経験したことがあるかどうかは別として”想像のつきやすい展開である。そこで誤解が解けたからと言って、以前のように元通りと行かないことに、リアリティを持たせていると感じた。 恋心を自覚する前には仲の良かった相手と、何らかの事情があり疎遠となる。その想いを悟られてはいけないと感じたら、なかなか距離は縮められないものだろう。心情がしっかりと丁寧に描かれており、主人公の想いが伝わってくる。何故好きなのか、どれくらい好きなのか。恋愛物語では心情が分からないと感情移入し辛く、好き好き言っているだけでは全く伝わってこないが、この物語は感情移入がとてもし易い。 【舞台・世界観の魅力】 青の国というキーワードについては序盤の方に出てくるものの、タイトルが何を指しているのか、序盤ではまだ分かっていない。 異世界とあるので、もしかしたら現実世界から異世界に向かう物語のかも知れない。三章のタイトルが”向こう側の王国”となっており、タグには異世界(恋愛)とあるので今後、舞台に広がりを見せるのではないかと思われる。 一章では、現実世界での家族とのやり取りや、主人公の恋について。この物語は、主人公の気持ちが丁寧に描かれている。 そして、主人公が想いを寄せる相手である、兄の友人の心理についても描かれている。両サイドの気持ちが分かる為、もどかしいような、何とも言えない気持ちになるのだ。すれ違う気持ちや、恋心を巧く表現しており、見ていて切ない気持ちにもなる。 タグにある”身分差については異世界に関係してくるのではないかと思われる。一章は、この物語自体の始まりに過ぎない。まだ謎のある作品だと言える。 ターニングポイントは”家族と洸本人から、洸の秘密を打ち明けられる”ことだと予測。作中での”髪”の謎部分について明かされるのも恐らく、この後なのではないかと思われる。 ある日の出来事をきっかけに、徐々に変わっていく二人の関係。 この先どうなっていくのだろうか。 【物語のみどころ】 想い合う二人が、何故結ばれないのか。きちんと納得のいく理由があり、運命の歯車は狂ったまま。それが、ある出来事により、少しづつ修正されていく。修正されても、簡単にうまくは行かないのである。 この物語の”青の国”について。 主人公の父は、こんなことを漏らしている。 ”読者の数だけ青の国はある”(セリフ一文引用) 何故かとても気になる言葉。タイトルにもなっている青の国だが、序盤では父に関係していることにしか出て来ない。(ネタバレになるので、詳しくは書けないが) 現在の読了(一章10)の範囲では、タイトルと関係は憶測のみになってしまうが、いづれこの青の国が何らかの形で関係してくるのではないかと思う。 一章では、主人公と好きな相手との恋愛模様がじっくりと丁寧に描かれていることから、この物語はとても面白い構成なのではないかと感じている。 例えば異世界転生ものであれば、転生後から始まり、転生以前のことについて語られたりするもの。 しかしこの物語は、順を追って何かが明かされていくスタイルなのではないだろうか。その為、謎に感じる部分もあり、伏線が潜んでいるのでは? と疑ってしまうところもあるのだ。 あなたもお手に取られてみませんか? 互いを想い合っているにもかかわらず、家族を大切にするあまり、行動に出ることのできない二人に少しもどかしく感じてしまうこともあるでしょう。 主人公は果たして、想いを叶えられるのだろうか? この後、明かされるであろう主人公たちの秘密とは、どんなことなのだろうか。ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2022/6/25
  • 投稿日:2021/8/8
小説家になろうファンタジー連載:66話

《不幸体質》のせいで7回死んだ僕は、神様にチート能力を7個貰ったので、人見知り&コミュ障を治そうとしたら問題だらけで難しすぎた~7回目の転生では劣等人の忌み子として嫌われる~

【物語は】 主人公が死ぬところから始まる。最初に授かったのは”転生”というスキル。何故このスキルだったのか、話を読み進めると理由が分かってくる。 まず7回目まで、次々に転生していくというストーリーが面白い。”不幸体質”が生半可な不幸でないトコロに、笑いが起きてしまう物語。7回転生後が、いよいよ主人公の人生となるのだろう。果たして、どんな物語なのだろうか。 【登場人物の魅力】 主人公は運命に振り回されつつも、頑張る男子学生。不幸すぎて笑ってしまう箇所が多い。転移者に選ばれた理由はたまたまだという。この物語の転生などに関して、ルールが面白い。不幸体質であることが活されている物語。 (よく死んでしまうが) 序盤で神様が出てくるのだがこの神様が、いい味を出している。 読者として説明が楽しく聞けるところに驚く。通常なら説明について、そんなにウキウキして読むものでもないと思われるからだ。つまり、とても面白いという事である。 主人公の性格などは、話を読み進めると分かって来る。転生前は普通の少年だったと思われる。しかし自分の不幸体質と向き合い、生きるという事を考えた時、心が大きく成長していく。その為、努力家で思いやりのある優しい人物という印象に変わる。 些細な日常の出来事が、意外と些細ではないことに気づかされる。この物語を通して感じるのは、日本の住みやすさや安全について。 事故や事件を毎日ニュースで観ることもあるので、完全に安全とは言い難いが。少なくとも法律などがちゃんとしていなかったり、教育が行き届いていないところよりは安全であると感じる。そういう事について、物語を通し主人公が”この世界に慣れて行かなければ”という心情から、改めて認識する。 主人公の心情がとても面白く、悩む、思考する、結論という流れで、はじめは大変だなと思いながら読み進めていくのだが、大抵オチに笑ってしまう。序盤は明るい物語だと感じた。 【世界観・舞台の魅力】 7回目に転生するまでも、森やダンジョンに突然飛ばされるということがあったようだ。7回目については、”今回も”森から始まるという流れではじまる。 転生物語にもいろいろあるが、赤子から始まるタイプと、途中から始まるタイプがあるのだという事に気づかされた。この物語は15歳という年齢から始まっていく。 (飛ばされた先では、15で成人のようだ) とにかく面白いと感じてしまう部分が多い。チートスキルを7つ所持し、それを上回る不幸体質な少年。7回目にようやく生きていけそうな流れだが(それまではあっという間に死んでしまう)、この物語では怪我をしたら”痛い”と感じることにスポットを充てている。いくら自動回復がついていても痛いのだ。痛いと感じることを笑いに変えられるというのは、珍しい。 戦い方も斬新。チートスキルを発動させながら戦っていくのだが、如何せん初めは発動のタイミングが分からないという状態。主人公は最初の森で、イヤな汗をかきつつも勝利する。その流れが面白い。この場面を通し、戦い方などの基礎や世界観を明かしているのではないかと感じた。 三話の冒頭では、爆笑間違いなし。 不幸体質と、チートスキルのバランスが良く、とても面白い物語である。7個もあるチートスキルを上手い具合に組み合わせ、意外な展開を見せる。チートだが万能ではなく、弱いというところも魅力だ。その上、主人公の心理がとても素直で、分かりやすい。ただ、この物語は面白いだけではない。 構成がとても巧く、感情の高低差を出すことで笑いや悲しみなどが最大限伝わってくる。読者の感情を揺さぶる物語である。 【物語のみどころ】 主人公の心の中のツッコミに、度々笑ってしまう作品。真面目さと笑いのバランスがとても巧い。面白すぎてスルスル読めてしまう物語でもある。 度々出てくる神様が、緩いのか大雑把なのか和ませてくれるところも魅力だ。 読み進めていくうちに、段々と設定や世界観、舞台について分かってくるので、無理なくついていけるところも魅力的。 その上、転生した先でお世話になっている村には、何か謎があるらしい。 主人公はチートスキルを手に入れて、ただ楽しているような人物ではない。思い遣りがあり、自分の為すべきことを自分で考えていく。その為、成長を感じられる物語でもある。現在18話まで読了。 全体的に明るい物語ではあるが、それだけではない。人との繋がりや絆を感じることが出来る。その中で、もちろん常に幸せとは限らないという事だ。 チートスキルが7個もある意味は、読んでいくうちに理解する。どんなに優れた能力を持っていても、使わなければ意味はない。それは宝の持ち腐れというもの。もし一度でも、”出来たのにやらなかった”という後悔をしたことがある人なら、主人公の気持ちが痛いほど分かるだろう。 あなたもお手に取られてみませんか? 一見明るく、面白く笑いが多く含まれている物語。しかし、深いメッセージが込められていると感じました。主人公が後悔をし、それを乗り越えたとき、更に人として成長を遂げていく。 彼のその先の人生を是非その目で確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2022/12/29
  • 投稿日:2021/8/8
カクヨムファンタジー連載:80話非公開

人と竜とのヒストリア【 Ⅰ 】

【物語は】 ネコの行動を他視点で追うような感覚で始まる。ネコの後を追っていくと、あるバーテンダーのカッコをした長身の男性に出逢う。二人(一人と一匹)は顔見知りのようで、まるで会話が成立しているかのように、青年がネコに話しかけている。視点の流れがとても自然な為、物語に入りやすい。 その後主人公視点で、話は進んでいくことになる。 【世界観・舞台の魅力】 優しい明かりの灯る街をイメージする始まり方が印象的。主人公はそんな素敵な街でバーテンダーをしており、お客さんとの会話などから人に好かれるタイプの人間なのではないかと感じた。そこに生活する人々の服装などは現代的で、想像しやすい。ここに竜とエルフがどのように関わって来るのか、序盤では想像がつかず意外性を感じた。 ワインや料理について学ぶことが多く、丁寧に描かれている印象が強い。来店客の話は恋愛に関する話。はじめはその話題が出たことを、バーにありがちな話題の展開でリアリティを出そうとしているのだろうかと、勘違いしてしまう。 客である彼女たちの話を聞いているうちに、その話題が物語で重要となるであろう、騎士について語られていることに気づく。 この物語の世界の中で、騎士とはどんな人たちなのか。主人公を取り巻く人々は、一体どんな人たちなのか。言動や話題、見た目など、色んな部分から自然に明かされて行く。とても巧い流れだと感じた。 【登場人物・物語の魅力】 主人公は時折寂しそうに感じる部分がある。その理由について、作中で明かされていく。 この物語では、一気に登場人物が増えるということが無い。じっくりと、各人物の魅力や性格や容姿、考え方が分かり、そこに新たな登場人物が加わるという流れだ。 主人公は容姿が優れており、他人から憧れを抱かれるような人間ではあるが、悩みもあるように感じる。しかしどんな優れた人間にも、それなりに悩みは付き物。しかし主人公は、現在の彼の様子からは想像できないほど、辛い過去を抱えていたのである。 一章では主に、主人公とマスターの視点で進む。二人の視点から主人公がどんな人物か明かされていく。 バーに通う人たちもそれぞれ魅力的に描かれており、温かい気持ちになったり優しい気持ちになったり、主人公の魅力にドキドキしたりもする。 【物語のみどころ】 この物語では、魅力的な主人公の心情やそこで働く姿、バーに通う人々が魅力的に描かれており、彼らの会話から舞台がどんなところなのか分かってくる。 主人公と周りの人々との繋がりや、関りを丁寧に描いた物語だと感じた。しかし、一章はまだ物語の始まりに過ぎないのでないのだろうか。 恐らくエルフと出逢ってからがターニングポイントととなり、本当のはじまりなのではないだろうか?(第6節三話まで読了) この時点では、まだプロローグの意味は分かっていない。もしかしたら明かされているのかも知れないが、はっきりと明確にこれだと言うことは出来ない。なのでこの先、その謎についても明かされていくのではないかと思われる。 あなたもお手に取られてみませんか? 魅力的な主人公やマスターには、まだ明かされていない何かかがあるように感じます。彼らがこの先どうなっていくのか。主人公はエルフと出逢い、どのような運命をたどるのかをその目で是非、確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2022/8/2
  • 投稿日:2021/8/8
ノベルアップ+ファンタジー連載:59話

お兄ちゃんは『妹が!』心配です

【物語は】 森の中から始まる。どうしてこんなところにいるのか分からないまま。 主人公と妹、そして幼馴染みの少年。彼らは、突然異世界に飛ばされたようだ。ある一人の訪問者と、ゲームソフトによって。一体どうしてこうなったのか、ゆっくりと明かされていくのだった。 【世界観・舞台】 序盤は森しか出て来ないので舞台について詳しく書くことは出来ないが、不思議で巨大な生き物と仲良くなれるようである。(たまたま)この生き物については、接っていくうちに人間味や可愛さを感じていく。 森の中で起きていく出来事は、兄と妹のコミカルなやり取りで面白く読みやすい。するする読めてしまう物語だが、序盤ずっと森にいるため、世界観については魔法が使えるという情報のみとなる。 彼らをここに飛ばした人物は、一体誰だったのか。箱の中のゲームは一体なんだったのだろうか。謎は多いものの特に気にならないのは、コミカルで面白いからだと言える。 異世界へ来て、初めての友達になる相手はちょっと変わった相手。だが森に詳しく心優しそうな相手だ。もし、主人公たちが里へ行ってしまったら、その相手はどうするのだろうか。愛嬌があるだけに別れがたいと感じてしまう。かといって、主人公たちが決めることなので、当然のことながら読者は口出しできない。 【登場人物・物語の魅力】 主人公は、好奇心旺盛な妹を持つ21歳の青年。この物語の妹に対する心配がどんな方向性なのか。読んでいくうちに分かって来るのだが、一言でいうなら”ガチで心配”しているのだ。 元の世界に居た頃は、妹と幼馴染みに軽蔑されるようなゲーマーであったが、異世界に転移後は、妹の個性が際立つ。 少しづれている部分を笑いとしているところが面白い。 臨機応変な兄。かなり破天荒な妹。常識的な幼馴染み。 この組み合わせはとても面白い。 話が進むと、天然で人のよさそうな人が加わる。 この人物が加わると、目的や方向性が見てくる。主人公たちは、彼を手伝うことができ、無事に街につけるのだろうか。 随所に笑ってしまう箇所あり。この兄妹のやり取りはテンポがよく、面白いため、こんな妹や兄がいたら楽しそうだなとさえ思ってしまう。二人だけの暗黙の了解のと感じてしまう、会話の内容も面白い。 【物語のみどころ】 ある日、家に謎の少女が訪ねて来て、いきなり”勇者”と言われてしまう。その後、無理矢理謎のものを押し付けられ、気づいたら異世界に飛ばされていた。 付いた先は森。 目的も分からぬまま、森を彷徨う一行に妹によって最初のピンチが訪れる。 結果から始まり、時を戻すスタイルで進んでいく物語である。 神官に出逢った彼らは、無事に彼の探し物を見つけ、街にいくことができるのだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? 破天荒であり自由人でありながら、人見知りという意外性をもった妹に振り回されながらも、何とか彼らをまとめながら目的を見つけようとする主人公。 彼らは何故この世界に転移させられたのだろうか。まだ謎に包まれている部分は多いですが、とても面白い物語です。 彼らのその先を是非その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2023/12/24
  • 投稿日:2021/8/8
カクヨム歴史・時代連載:170話

人間のアシェイムド

【物語は】 恐らく平成生まれの主人公が平成ではない場所におり、”働かせてくれ”とある店主に懇願しているところから始まる。しかも、お金の必要な理由は自分の為ではない。一体何があってこんな事態に陥っているのだろか? 【登場人物・物語の魅力】 本編に入ると、どうやら主人公は怒っているようだ。行き場のない怒りというのが適切なのだろうか。せっかくスケジュールの調整をし、遥々友人に会いに来たのにドタキャンされてしまい、相手にも自分にも怒りが収まらないといった印象。しかし、どうすることもできない。 これは偏ったイメージであるが、若いうちは恋人を優先し、結婚してしばらく経つと友人を優先する。人にもよるだろうが、恋愛を優先する人ほどこんなイメージがある。 主人公は意図せずして”一人での観光”になってしまい、地元の友人に助けを求めるが、自分に持たれていたイメージに落胆する。随分と偏ったイメージであり、友人がどんな人なのか知りたくなる。その友人から勧められた場所に不満を感じたものの、主人公は行ってみることにしたのである。 しかし、目的地に着くどころか変な人に絡まれてしまう。 日常から非日常へ。不思議な体験をした主人公は、高い場所から突き落とされ死を覚悟したが、気づいたら見知らぬ街にいたのである。 【世界観・舞台】 現代から過去へ。2018年・東京から過去へと飛ばされてしまう。手にはある植物を持って。ここで救いとなるのは、自分自身の目的が分かっていることである。(それは少し後でわかるのだが) 過去に着き、暫く困っていた主人公に、突然救いの手が差し伸べられる。全体的にユーモアの混ざった、笑いどころもある作品ではあるが、タイムスリップ先で、ある人物に出逢ってからが面白さが増す。 ここで、あらすじからは想像できない展開へとなっていく。ネタバレになるので詳しいことは言えないが、希望が現れるのだ。 そこで希望となる彼から、詳しい話を聞く。自分が持っている花の意味。彼の身に起きたことなど。ただ一点”記憶が失われて”いくのは何故なのかが気になる。これは主人公だけに起こったことなのであろうか。 主人公は不思議な体験をしながらも、言われたことを考え、ここにいる目的を見つけていく。目的が分かれば、何をしたら良いのかも見えてくるだろうし、戻る方法も分かるかも知れない。 目的が分かった主人公は、どうやってターゲットに近づいて行くのだろうか。とても興味深い。 【物語の見どころ】 この物語は謎な部分が多い。その謎を解きながら、自分が為すべきことを探っていくという意味合いなのだろう。タイムスリップの経緯にも謎の部分があり、まずあの人は一体誰で、なぜこんなことが出来るのか分からないままである。もしかしたら、その部分はいずれ解明されるのかも知れない。 そして、過去で出逢った人。彼についても謎な部分がある。目的を達成できたのだろうか。もし失敗だとしても、どうしてなのかなど。序盤ではまだ明かされていないことが多く、いろんな想像もしてしまう。 彼女は、自分を助けてくれた人物の助言を受け、見た目を変え、自分が為すべきことを成そうとする。その途中でどんなことをしなければならないのかも明かされていき、とても興味深い。細かいルールもあるようだ。 あなたもお手に取られてみませんか? 主人公は無事任務を終え、現代に帰れるのだろうか? この物語の結末をその目で是非、確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2022/4/19
  • 投稿日:2021/8/8
ノベルアップ+SF連載:73話

インフィニティ・フォークロア・オンライン〜『スタミナ極振り』没落令嬢は命を削って錬金無双! VR世界で借金返済してたらいつのまにか『破壊神』と呼ばれてました!?〜

【物語は】 主人公の決意から始まっていく。 IT企業の令嬢だった主人公は、ある役員の逮捕をきっかけに転落人生へ。しかし、それで燻っているような人物ではなかったということだ。 彼女には野望がある。それを叶えられるかもしれない道を見つけたのだ。その道とは”リアルマネートレード。RMTとも略される換金制度”(引用)。このシステムを利用し、莫大な借金を返済し全てを取りもどそうと考えたのである。しかしながら、そのためには戦略も大切。 彼女は果たして、野望を叶えることは出来るのだろうか? (注意:RMTについて* 擬似的な経済システムが成立するMMORPGやMORPG、レアアイテムをプレイヤー間で取引できるソーシャルゲームなどで行われているが、2017年現在、日本国産のほとんどのオンラインゲームではアカウントの売買・譲渡、RMTは利用規約で禁止されている・ウィキ調べ) *この物語はフィクションであり、安易に真似してはいけない。 【登場人物・物語の魅力】 主人公は綿密に計画を練って行動に移すタイプだと思われる。計算通りに行かないことも当然あるが、自分の状態を冷静に判断し、何でどう稼ぐのか、未来予想図なども思い描き、結果この方法を選んだのだと思われる。 とても論理的な思考の持ち主なので、モノローグ調が合っている。とても読みやすく、分かりやすい物語である。 物語の中では型破りな表現も見受けられるが、それは読み手を楽しませたり、雰囲気を楽しませたり、分かりやすく伝えるという意味合いで、web小説というツールを活かしていると感じた。文字と空間というのは、センスによって自由に表現できる場所であると思う。発想は無限大だ。 主人公がプレイするゲームのシステムについて、細かく設定されている。その為、何となくでも流れを理解てきたなら、今度はどんな新しい項目が出てくるのだろうかとワクワクしてしまう。 主人公はゲームシステムを理解することで閃きを得て、目的に向かい邁進(まいしん・まっしぐらに突き進むこと)していく。知るという事は、道を切り開くことなのだと、改めて考えさせられ、学ぶことも多い。とても夢中になれる物語である。 【世界観・舞台】 主人公が、VRMMO・フルダイブ型オンラインゲームの中で、錬金術士としてアイテムを集めたり、錬金したりしてものを換金してお金を稼ごうというのが大きな目的である。 目的が分かっている為、見どころも分かりやすい。 前述もしたが、論理的なので理由や思考が分かりやすく、世界観についてもすんなり理解することが出来る。設定がしっかりしており、細かいのに、これほどまでに分かりやすく、物語に入っていきやすい作品は珍しいのではないだろうか? RPG系統が好きな人は、恐らく夢中になりそうなシステムが満載。しかし簡単にいくわけではなく、頭を使うというところが魅力的なのだ。ポイントの割り振りによりできることが変わって来るのではないかと思う。 主人公は、アイテムなどを集める目的で体力に全振りしたものの、それが意外な戦い方を産みだすことになる。つまり、自由度も高いゲームが舞台だと言えよう。 こんなゲームがあったなら、実際に遊んでみたいと感じてしまう。それほどまでに、舞台や世界観に魅力が詰まっている。主人公の性格と、ゲームシステム、物語の展開や流れ、表現などが合致した作品であり、最高のエンターテインメントなのではないだろうか? 【物語のみどころ】 掲示板により情報が飛び交ったり、戦い方によりゲームシステムが明かされたりと、お楽しみ要素がたくさん詰まった作品である。 一人称で進んでいく物語は多いとは思うが、だから読みやすいという事ではない。モノローグ調がとても巧いのである。 流れるように、”何故こうなのか?”という事が説明されていく。そのため、その都度納得できるうえに、スルスル読めてしまう。 心情は丁寧であり、考えていることも分かりやすい。感情移入しやすいので、一緒に焦りを感じることもある。 その上で、まだ明かされていないことがたくさんあると思う。 読めばハマる。そんな印象の作品である。もしかしたら主人公には、特殊な恩恵があるのかも知れないが、チートというわけではなく発想がものをいう。スキルを使いこなすことで新たな道が切り開けるといった展開だ。 そのためピンチに陥ることもあるし、無謀なんじゃないかと思うこともある。ハラハラドキドキしたり、神プレイだ!と感心することもある物語だ。 あなたもお手に取られてみませんか? 体力に全振りし、他のプレイヤーにはエンドコンテンツなどと馬鹿にされる職業で道を切り開き、野望を叶えようとする姿には爽快感さえ感じます。 果たして彼女は、どのように破壊神となっていくのだろうか? その目で、是非確かめてみてくださいね!お奨めです。

5.0
  • 作品更新日:2021/4/17
  • 投稿日:2021/8/8