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作:湊カズサ

風のように 第三土曜日の覇王編

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最終更新:2023/10/1

作品紹介

 都内主要道路は、幾多の車で長い列を成し、赤いストップランプの帯を作っていた。煌々と灯るイルミネーション、店舗から響き渡るBGM。雑踏は駅から吐き出された人々で混雑している。家族連れ、楽しげなカップル、帰途を急ぐサラリーマン。幾多の思いがそこにはある。ビルに遮られて風は皆無。むせるようなアスファルトの匂いだけが鼻に突く。  そこに対向車線を逆走して、五台のバイクが現れる。羽織るのは黒い特攻服。  嘶くようなタイヤの軋む音がなり始めた。アクセルは全開、フルスロットルでバイクが始動する。夜空にこだまする爆音、仲間達も次々にその後を追う。  それはまるで映画のワンシーン。不意に脇腹を突かれた主要道路は大混乱に陥る。響くクラクション。白煙を挙げてブレーキ音が耳をつんざく。中には制御出来ず、車同士でぶつかるものもいる。  対する族達は華麗なハンドル捌き。きっちりと車体を制御して、相手に擦ることもない。それにより主要道路のスピードは徐々にゆっくりなものとなっていく。まるで危険な獣を飼い慣らす調教師のようだ。遂には左右の交差点を封鎖して、道路を真っ二つに分断してしまった。  気づけば街はその黒い集団に埋め尽くされていた。悠然と対向車線を疾駆する者、縫うように本線を練り歩くもの。歩道に飛び出して人々を避けるように往く者もある。乱反射するヘッドライトの眩しい輝き、鼓舞するようになり続くエキゾーストの音。その様はまるで天に飛翔する巨体な龍の如く。 彼らの目的は単純なものだ。その先に信頼する友がいるから。全てを捨てても守るべき者があるから。 時代は昭和末期。熱い友情、個性溢れる男達。圧倒的武力。本当の男がそこにいる。 ※ストーリー上、喫煙シーンがありますが、未成年の喫煙は、法律により禁止されています。 ※2008.9.26執筆開始 この物語は数年前に書いた代物です。それに加筆修正を加えたもの。 故に文章は拙いです。ストーリー組み立てに手こずって、途中挫折するかも…… 応援特典はキャラクターのその後を予定してます。幾人かのその後は別小説に出てくるけど。 応援よろしく❗

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