ああ、何だろう、この感じ。私のような読者がうまく言語化できないからこそ、こうして小説にしてくださったのかもしれない。
自分でもよくわからない、周りを困惑させるような行動や心理。上手な説明なんてできないし、魔法みたいな解決策だってない。あるのはただ、確かな切実さ。無二の個の世界を、読み手の脳内で普遍へと結び付ける技量には唸るほかありません。
初読時、この素晴らしさに度肝を抜かれ、約一年を経て再読した今、またこうして揺さぶられる。この作品の存在と、出会えた奇跡に感謝。全力で推したい名作です!
登録:2021/8/22 02:37
更新:2021/8/22 02:37