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作:齋藤 一明

嗚呼、神昌丸

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最終更新:2015/6/11

作品紹介

「うち、こんどこそ乙はんの嬰児(ややこ)産む……。ほんでな、乙はんのご飯こさえたげる」  お梗(きょう)さんが呟きました。  不意に乙松さんがお梗さんの眉を指で隠しました。 「また……、もう、なんでそんなことばっかり……」 「せやかて、じきにこうなるんやないか。眉引いたらどないな顔んなるか見てんにゃないか」 「阿呆。……ほな、鉄漿(かね)……さしてもえぇか?」 奇しき縁で結ばれた、お梗と乙松。 指折りかぞえて祝言を約束した二人です。 夢と希望をほぼ掌中にした二人に、運命は過酷であった。 大黒屋光太夫の脇に隠れた悲恋噺。

時代劇サークル・シエスタ第二回短編課題切ない恋の行方講談語り

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