木守り　～きまもり～

　一人残って敵の軍を足止めせよ――それが、領主の父の命令だった。 　国の民全員が逃走した街に一人残り、千織はアガツ国の大軍を待ち受けていた。姿を現わした敵軍の総大将は、全身黒衣をまとった長身の青年だった。 　強引で専制的な将軍だが、なぜか彼は千織を殺そうとしない。 　民のために捨て駒にされた千織を手元に置き、将軍はその耳元に囁いた。「父親が捨てたのなら、アガツ国がお前をもらう。お前はアガツ国のものだ」 　敵国の将軍×領主の息子。ほんのり和風な幻想戦記です。 ※お知らせです。読者の皆さまより、素敵なイラストを頂戴いたしました！独自のご想像で描かれていることをご理解の上、ご一緒に楽しんで下さる方は下記リンクから！ ・嘉月さま　 https://estar.jp/pictures/25382376 ※千織をシマエナガのイメージでお描き下さいました！　手の大きさの違いと将軍の眼差しの優しさに胸がきゅんとします。幸せな気持ちで胸が一杯になるイラストです！ ・ますみさま　 https://estar.jp/novels/25473909 ※現在も連載中の『木守り』イラスト集です。美しい色彩と鮮やかな場面構成で、物語を封じ込めたような躍動感のあるイラストは、本当に素晴らしいです！典雅な絵巻のようなイラストの数々は、深い感動を胸に呼び起こして下さいます！ ・きま餅さま https://estar.jp/pictures/25539606 ※数か月もの時間を費やし構想を練り上げ描いて下さった将軍と千織のイラストです！　伽螺様と千織の幸せな様子は、心の潤い成分120％になるほどです。着物にもお心を尽くして下さった、ずっと眺めていたくなるほどの美麗なイラストです！ ・あく*さま　 https://estar.jp/pictures/25594805 ※アガツ国の上王陛下を雅な色調でお描きくださった美麗イラストです！　背景に鳳凰を従え、悠然と微笑みを浮かべる上王陛下は王者の風格に溢れていて、本当に気高く美しいです！