不死の厄災、家の守護霊に転職す
最終更新:2020/8/5
作品紹介
不死の厄災、“呪月の魂狩り”。 それは、世界各地に出没するほどの大規模な範囲を徘徊する、夜の遭遇型魔物における最凶の死霊。 名を響かせる冒険者ですら倒す事が出来ず、世に君臨する事、百年余り。 ――転生したい……種族を変えたい……。 今日も今日とて冒険者から泣かれ、叫ばれ、戦いに挑まれ、心の底から絶望していた。 この魔物、見た目こそ恐ろしかったが、中身はわりと平和なジジイであった。 ある夜、不死の厄災は人里離れた森の奥深くへと向かう馬車を見つけ、好奇心で着いていったところ――呪い蠢く廃洋館へと辿り着く。 「いや、我輩から見ても、凄いな?!」 こんな洋館で、暮らせる人間などいるはずがない。しかしそこには、たった一人の住人がいた。屈強な戦士でも、俗世嫌いの魔術師でもない。やせ細った、幼く儚い少女だった こんな場所で少女一人だと? 誰かが、守ってやるべきではないか? 「――今こそ我輩、転職の好機を得たり!」 かくして不死の厄災は、(勝手に)洋館の優しい守護霊へ転職を果たした。 家事妖精に憧れる不死の厄災が、幸薄い少女のため奮闘する、ほのぼのゴーストファンタジー。 ◆◇◆ 同作者による【灰色のハーピー】と同じ世界観を用いる予定ですが、単品からお楽しみいただけます。
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