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作:木船田ヒロマル

デリリウム・デリュージョン

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最終更新:2019/12/29

作品紹介

高校生でありながら「アプリオリ」と呼ばれる予知能力を持ち、情報自衛隊の防諜部隊に籍を置く橘高ヒロト。彼は女性型戦闘アンドロイド・凛堂ロザをパートナーとして活躍していた。だがヒロトは誰にも言えない秘密を抱えていた。彼の本名は青木ヒロシ。彼は「このライトノベルの作者」なのだった──。

SF#こむら川小説大賞#メカ娘#ロボ娘#ガイノイド

評価・レビュー

自己認識の不安定さを追体験させられる

自分で書いたバトルもの現代SFファンタジー小説の世界に、なぜか主人公として入り込んでしまった人の物語。 あらすじ(作品紹介)にもある通り、既知の創作物の世界に入り込む、ある種転生ものにも似た構造のお話です。と、その前提で読み始めると、まず度肝を抜かれるのがその『バトルもの現代SFファンタジー』部分の骨太さ。 作中の自作小説にあたる部分の設定を、決して等閑に済ませない。中身自体は決して手を抜かず、といってやりすぎることもなく(やりすぎると多分「こっちだけでよかったのでは?」ってなる)。ケレン味の大盛り感でそれっぽさをしっかり演出し、しっかりお話の軸をぶらさない。 このバランス感覚。こういうの好き、なんて余裕こいて読んでいて、そして実はそれが巧妙に仕組まれた罠でした、と、そう気づいたのがだいたい中盤くらい。 どっちなのこれ!? 実は結構シビアというか、実際に身を投じてみるまで絶対に答えのわからない、この背筋の凍るようなハラハラ感。 やられました。日常パートの軽妙さが見事に煙幕の役割を果たし、気づけばとんでもないところに誘い込まれていたこの衝撃。もはや完全に掌の上、なんか一方的にボコボコにされるような感覚で読みました。 メタ構造をただ便利な道具として、あるいは枕や土台として使うのではなく(というか、使うと見せかけて)、メタそのもので殴りかかってくる荒武者のような作品でした。

5.0

和田島イサキ