強制ポジティブな僕に、春はこない

　何の取り柄もないと自分のことを卑下する、とにかくネガティブな青年、森山伊秋（もりやまいしゅう）。彼はある日ひょんなことから神社に参拝し、そこで彼女が欲しいと神頼みをする。すると頭の中はネガティブなのに、口から出る言葉が異常なまでにポジティブなものになってしまうという特異体質になってしまった。雨宿りしている見知らぬ美女に傘を貸そうとしただけで「俺の女になれ」などと発言してしまったり、バイト先の可愛い後輩が元カレと揉めていれば「この子は俺が幸せにする」などと宣言してしまったり、森山伊秋の生活は一変してしまう。「君、面白いわね」、「森山先輩、さっきのあれ、本気ですか？」、しかし、案外その強制ポジティブな彼の評判は悪くなくて……？