チート級の魔法使いである「師匠」と、高い魔法の素質を持つ「僕(ぼく)」との、ハートフル×バトルファンタジー。各区切りごとにストーリーが完結してゆく連作形式なので、気軽に読めます。
生きることに疲れ、死を望んで魔の森に踏み込んだ「僕」は、森に住む魔法使いに出逢います。人智を超えた魔法能力を持つ相手に警戒を募らせる「僕」でしたが、彼が言ったのは意外な一言。
「ワシの友だちになってくれないか?」
こうして、「僕」と「師匠」の忙しく賑やかでちょっと不思議な日々が始まったのでした。
ともに本名は語られず、年齢や性別といった詳細な点も伏せられており、二人の呼称は各パートごとに変化します。そんな、どこか童話風な雰囲気を醸し出しつつも、魔法の詠唱や演出は鮮やかで迫力のあるファンタジーテイスト。
二人は、村での事件を解決したりドラゴンなどの人外種族と交流したりして、少しずつ互いの絆を深め、友情の縁を広げてゆきます。そしてそれは、「僕」の成長にもつながっていくのでした。
これは、孤独な超高位魔法使いが人間の子供によって孤独を癒されてゆく物語であり、同時に、心を閉ざしていた子供が少しずつ感情を取り戻し熱い想いを抱けるようになってゆく物語、でもあります。
中盤以降のドラゴンとのタッグバトルは、格好良くそして愛おしい。
魔法使いの師弟モノがお好きな方、ドラゴンライダーと聞いてワクワクする方、ド派手な魔法バトルファンタジーを読みたい方に、ぜひ読んでいただきたい作品です。
登録:2021/7/26 13:02
更新:2021/7/26 13:00