ある日突然、世界は崩壊しゾンビであふれてしまう中、その直前に酔った勢いで買って作ったゲーム通りのキャラクター、美少女レキちゃんの体と元のおっさんの体を持つことになった主人公が、ゲーム内のチュートリアルで出てきたメイド二人と面白おかしく世界を救っていく話。
と言うのが基本の物語です。
基本はおっさん少女としてゲーム感覚で化け物対峙と救出劇を繰り広げて人々と交流していくのですが、基本的に主人公の言動はふざけてばかりで、シリアスを蹴飛ばしてサクサク進むのでみていて楽しいです。ゲーム感覚なので崩壊した世界で懸命に現実を生きている人々とのギャップはひどく、すれ違いもクスっと笑ってしまいます。
おっさんボディにももちろん出番はあり、時々街にでたりするのがまた謎の人物として勘違いされたりして面白いです。そんな感じで勘違い要素もありますが、それを利用して台本を作ったりもするので、勘違い物とは少し違います。
最終的にはたくさんの登場人物になりますが、それぞれに芯や癖のあるキャラクターが多くて魅力的なキャラクターが多いですし、人の営みにも細かく焦点があてられていて、崩壊した世界にもこだわって書かれていて、崩壊世界とその復興が好きな人にもおすすめです。
完結していて300万文字越えとかなり長いのですが、章ごとにしっかり区切られていて、全体的にテンポよく敵を倒していき舞台や登場人物もどんどん変わっていくので、飽きることなく毎回次の舞台はどうなるのかとわくわくしながら読み進められます。
単調になりがちな流れも、手を変え品を変えて見せ方を変えてくれるので、あと一章、この章まで、とついつい夢中で読みふけってしまいます。
地の文で主人公のおっさんへ対して熱いディスがあり、毎回のように○○がいた。そうおっさん少女である。のような形で始まったりする流れが多少くどかったりもしますが、基本的には軽快な文章で様式美としてさらっと流せる人には問題なく楽しめると思います。
若干のくどさや終始おちゃらけた主人公の癖があり、多少人を選ぶかなと思いますので星4ですが、先の読めない展開がおおくて最後まで楽しく読めました。
登録:2021/9/3 22:08
更新:2021/9/3 21:42