例えばこの作品に書かれていることを見たとして、経験したとして、或いは100%想像したとして、こう書けるかと言えば十中八九書けないのです。「ある種の個人的な地獄」を書く時に「私かわいそう」なり「この人かわいそう」を越えたものを書くのは困難です。けれど、「開かれた」作品であるためには、そこを越えなければならない。醒めて乾いた視線が必要になります。それはこころにも知性にも時に重荷だけれど。
とてもよかったです。「かなわない」と言いました。「地獄」の書き手として敬意を。
登録:2021/10/5 17:12
更新:2021/10/5 17:12