役者だったおっさんが女の子に生まれ変わり、生まれた時から演技と共に生き、少女が生まれ持っていた才能と経験で天才役者になるお話です。
主人公の視点以外の視点が多く、掲示板回などもありますが、本人視点での役者のすごさは表現が難しいのでこれは仕方ないと思います。
個人的には主人公の役者としてのすごさを客観的にsugeeしてくれるので、役者物としてのうまみが存分に出ていてむしろ好きです。
他者視点はそれぞれにリアリティのある人間臭さがあるため、それがいっそう主人公のすごさを引き立てています。とても気持ちよく、時折時間を飛ばしているところもドキュメンタリーを見ているような楽しさがあります。
短くまとまっているので登場人物に悩むことなく、さくっと読みやすくてちゃんと最後に苦悩を乗り越えるストーリー性もしっかりしていて読後感もいいです。
役者物は好きですが、あまり数がないように感じます。綺麗にまとまっていて絵になると映えると思いますので、コミカラズも楽しみです。
綺麗にまとまっていますが、本人の心理描写が少な目です。これはストーリー上仕方ない面もあるのかもしれませんが、ちょっと物足りなくてもうちょっと見ていたいと感じます。名作過ぎてもっと見たい! と言うのとは少し違う物足りなさなのでその分減点していますが、読み返したくなる名作ではあります。
登録:2021/10/7 19:56
更新:2021/10/7 19:43