ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

人と妖の狭間に生まれて——『妖雛』の少女は心に灯火を得られるか

5.0
0

物の怪の蔓延る世に、人を護るため生み出された妖雛。

彼らは長じれば人妖となり、道具としてただ物の怪を倒すことを求められる。

夜蝶の志乃こと花居志乃もまた、そのような生を歩むはずだったが……数々の出逢い、経験、想いが彼女の心を育んでいく。


腰を据えて読める、本格派和風ファンタジーです。

特に優れているのが、人でもなければ妖怪でもない主人公・志乃の難しい心情を、逃げることなく丁寧に描かれている点です。

我々人間とは違った感性の彼女が、物事をどう捉えて何を思うかは、想像で補うのもなかなか難しいことだと思いますが、こちらの作品ではその全てが説得力があると言いますか、納得できる形で描き出されています。

少しずつ、でも着実に人の心に寄り添おうとしていく志乃。いつの間にか、彼女を応援したくて堪らなくなっている自分に気づかされます。


そして彼女を取り巻く人物たちも、皆魅力的で。

特に同年代の妖雛である芳親、そして治療術の使い手である茉白——志乃にとって初めての友達となる二人とのやり取りは必見です。


丁寧な筆致で描かれる、濃密な和風ファンタジー。

描かれた世界を心ごと旅できる素敵なお話で、大変お勧めできる一作です。

If

登録:2021/12/21 17:42

更新:2021/12/21 17:41

こちらはIfさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。