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一蓮托生(いちれんたくしょう)

二人の出会いが変えたのは運命か、それとも未来か。

 手を取り合って、苦しい時代を超えて行け。  胸が締め付けられるような愛、必死に生きる彼らの物語。 【物語は】  太平洋戦争の終戦の二年後が舞台。  主人公の『かつら』が闇市にて弟のズックを購入し勤め先に急いでいたところ、何者かに体当たりされその反動で購入したズックの包みを落としてしまう。  それを拾ってくれたのが先日勤め先の一つで出会った青年だったのである。この再会が彼女に齎す運命とは? 【物語の舞台について】  戦争にて家族を失い弟と二人、元は家のあった場所に焼け残りの木材やトタンで作ったバラックで暮らしていた。  終戦から二年も経つのにこのような暮らしをしている人が多いことから、復興はなかなか進んでいないということが伺える。暮らしは豊かではないし、モノが欲しくても手に入り辛い。  お金があっても、商品がなくて買えないという経験は現代でも経験したことがあるのではないだろうか?  個人的には卵で経験をしたことがあるので、それが日常的にすべての分野において物資不足であることがどれだけ大変なことなのか想像はできる。  この作品を読んでいて感じるのは、確かに悪い奴もいるが人々は助け合って生きているということ。同じ経験をしたからこそというのもあるが、心は豊かだったし慈愛に満ちているとも思う。家族が大切であるという心が痛いほど伝わってくるのである。 【横澤姉弟】  主人公の苗字は横澤。  この物語では主人公にぶつかってきた人物とその目的が、早々に明かされている。内容を知ると酷いなとも思うが、その手伝いをさせられている人物には同情もしてしまう。  皆が皆、貧困で必死に生きていたのだ。そういう背景があったからこそ、弟は犯罪に巻き込まれてしまったのかもしれない。  この姉弟は互いを思いやっていて、かつらは弟を一人前に育てるため仕事を掛け持ちし働いている。一方弟はそんな姉の苦労を知ってか鉄くず拾いをしてお金を稼いでいた。  だが間もなく、健気に生きている二人を暗転させてしまう事件が起きる。 【物語の魅力や見どころなど】  この作品はこの時代背景だからこそ考えさせられる部分もあるし、切なく胸が締め付けられる場面も多いと思う。  皆が生きるのに必死だった。そういう経緯もあって見逃された部分もあるだろう。(これは主に作中の犯罪に関して)  そんな中で描かれるヒューマンドラマである。    物語から学ぶことも非常に多い。  互いに心配をかけたくないという想いから、話さずにいたことですれ違い事件に発展していく。秘密を抱えていたのは何も横澤姉のみではない。  二人はいろんな人物と関わり、次第に絆も築いていく。  信頼関係を深めることができたから、最悪の結末を避けることができたのだろうとも思う。優しさだけでは解決できなかったこともある。 (何を指しているのかは、読まないと分からないかもしれないが)  主人公の弟には非常に魅力的な印象を受けるが、必然性の繋がりによって彼の良さが引きたてられた面もあるようだ。  その他にも、この時代に詳しくなくとも説明にて補足などがあるのでとても分かりやすい、想像しやすいのが特徴。  作風に関してもかなり魅力的な作品だと思う。これは好みがあるかもしれないが、文学小説が好きな方にはぜひお奨めしたい。    この時代を通して繰り広げられるヒューマンドラマ、ぜひあなたも読まれてみませんか?   恋愛も含んだ物語であり、家族愛、助け合いの精神、人を許すこと。ハラハラドキドキ、そして涙あり感動ありの物語。お奨めです。   (備考:46.蓮の花揺れてまで読了でのレビューです)

5.0
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crazy's7

四年目のアンソロジー

あの夏、主人公は何故彼らの元から去ったのか。再開が齎したものとは。

 それは四年まえの約束を果たすという名目で明かされていく過去と、それを乗り越えようと奮闘する彼らの物語。 【物語は】  主人公の宏樹の元へある一本の電話がかかってくるところから展開されていく。その通話の相手は人生の中で一番熱い夏を共に過ごした仲間の一人。  そのような相手であるにも関わらず宏樹がすぐに応答しなかったのには理由があった。彼が思い出したくなかった苦々しい過去とは? 【この作品の題材や向けについて】  あくまでも個人的な見解となるが書き手の思想や姿勢、製本、文学フリマなどが出てくるので自分でも作品を手掛けているような層に共感を得られる作品だと思う。  タグにはないが恋愛も含まれるため、自分に自信がなく両思いかもしれないけれど踏み出す勇気がないという層に勇気を与えるような作品でもあると思う。 【主人公について】  彼は努力家でありながら失敗をせずに成功したいと望むタイプの人間だと思う。しかしながら、自身の実力がいかほどか理解もしているため自信家とは言えない。挫折してもめげずに向かうタイプではないため、一度失敗してしまうと立ち直りが難しいと思われる。  彼が努力家であるとうかがえる部分は多々あり、好きだからこそ努力するということも伝わってくる。とは言え打算でやっていたことに関しては後ろめたさがあるのか、慕われることに戸惑いを感じているようにも見受けられる。  作中、彼は『琥珀先生』と囃し立てられるが実力が見合っていないと感じているらしく、そう呼ばれることに躊躇いを感じている。  だが少なくとも四年前の彼はそうではなかった。 【仲間と主人公】  この物語での主軸は四年前の約束を果たすことにあるが、その過程の中で彼には乗り越えなければならないものがいくつかある。  四年連絡を絶つということは、彼らにもそれぞれ変化があるはずだ。  仲間内でおつき合いをはじめたものもいるかもしれないし、何かの理由があって距離をおいているような関係性の者もいるはず。だが電話越しで再会した彼らの人間関係がどうなっているのか、宏樹は知る由もない。  彼らの現状が明かされ、また宏樹の過去や想いも明らかになっていく。  これはこの物語の魅力の一つと言えよう。 【主人公の過去】  かつては同じ目標を持ち、その夢に向かっていた彼ら。主人公が現在まで彼らと連絡を絶っていたのはそのことが深く関係しているのだろうか?  約束を果たすために再会した彼らではあったが、どうやら宏樹には彼らには言えないものを抱えていたようである。  その発端となった事件は正義感だったのか、それとも仲間を思う気持ちだったのか? あるいは……。  主人公が何故彼らと距離をおくことになったのか、序盤ではいろいろと憶測してしまう。それが明かされた時、宏樹は彼らの前から去るという決断しかできなかったのだろうと思わされる。 【物語のみどころや魅力】  自分が読んでいて一番気になったのは『何故、主人公が筆を折ったのか?』この部分である。はじめは『先生』などと囃し立てられているにも関わらず、自分に実力がなかったからなのかと感じてしまう。過去が明かされていくにつれ、なるほどと思わされる。  主人公は相反する気質を持っていると思う。努力は確かに実ってはいるが、それは正解でしかない。それが分かっているがゆえに、自分に才能や実力が伴っていないと感じられるのだと思う。  自分のしていることは周りに影響を与え、救ってもいるがその結果は『そうなるようにした』からの副産物。  例えば人気を獲得するためにすべての人に優しくした。すると確かに人気は得たが、”あなたに助けられた”と崇拝する人も現れる。しかしそれに関しては予想していなかった。こういうような感じ。  正解の道から自己を表現するという方向に至るのは非常に難しいだろう。  作者が何を合格としているのかは分からないが、宏樹に必要なのは『100点満点を取る』ことではなく『上手くなくても整ってなくてもいいから、自分の言葉で想いを伝えること』だったのではないかと思う。  さてこの物語は約束を果たすために『アンソロジーを作る』という以外にも、それを通じて変化していくものがある。それが人間関係。  これについて語るよりも読んだ方が思い白いと思うのでサラッとしか触れないが、この変化も見どころの一つであり、『え?』と思う展開が待ち受けている。  過去を乗り越える勇気をくれる作品であると思う。主人公は果たして抱えていた過去から立ち直ることが出来たのか? どうやって乗り越えたのか。  その目でぜひ確かめてみてくださいね。お奨めです。 (備考:4−5 夜明けのおにぎり(2)まで読了でのレビューです)

5.0
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crazy's7

マレビト来たりてヘヴィメタる!〈鋼鉄レトロモダン活劇〉

互いに影響しながら成長していく、彼らの冒険譚。果たしてその結末は?!

 主人公にとって帰りたい場所とは?  異世界転移先で出会った、愛しき人と影響し合いながら成長していく物語。 【物語は】  主人公が転移先である女性に遭遇するところから始まる和風ファンタジー。  初めは言葉も通じなかった二人だが、主人公が彼女の家に世話になることになり段々と心を通わせるようになる。そして彼女の過去を知った時、主人公はある決断をするのであった。 【向け、層に関しての個人的な見解】  この物語は舞台は異世界。ラブコメ×戦闘ありの冒険譚。  ただどんな層に奨めるかとなると非常に断定し辛い。  この作品でのコメディ部分は『異性に恋愛感情を抱く男性向け性表現』と『匂わせの同性へ性表現』というものが多い。前者はフェチなども感じるが、後者は同性同士がイチャイチャするようなものではなく、『勘違い下ネタ』のようなもの。  なのでタグの『微H/微百合/微BL』というのは性表現の方向性を指し示しているのであり、一般的なそれらとは全く印象は異なると解釈している。  あくまでも主人公(男性)とヒロインが主役の物語なので、それらは一要素に過ぎない。なので『BLを含むのか』と二の足を踏んでいた方はこの期に読まれてみてはいかがでしょうか。 【主人公の魅力】  主人公の献慈は異世界に来た時、身一つ。ヘヴィメタルを愛する心は失ってはいないものの、それ以外の何かを所持しているわけではない。  なので転生先で敵に遭遇しても戦うすべを知らないのである。  これは現代の日本人ならほとんどの人に言えることだと思う。徴兵制度があるわけではないし、日常的に武器を持っているわけでもない。そして筋肉バキバキの人なんてそうそういない。  そんな彼の最大の魅力は優しさにあると思う。自分に自信がないからこそ、一歩引いて優しさで接する部分も多く見受けられる。その彼が、心身ともに成長していく様がこの物語魅力の一つでもある。 【ヒロインの魅力】  ヒロインの澪は初めは強くて美人という印象が強いが、旅に出る頃には『よく食べるなあ』という印象がプラスされる。  しかし彼女の運動量は半端なく、その場面では『アーティスティックスイミングはめちゃくちゃカロリーを消費する為、一日一万カロリーを接種する』という話を思い出させるほどだ。  そんな彼女の魅力は『勘違い』(ボケツッコミのボケにあたる)と主人公が危機にさらされると感情も行動も暴走するところにあると思う。  確かに情は深いのだけれど、他の者が危険に晒されていて(もしくは敵など)動くのと主人公に対しての守りたい気持ちから来る言動は違うように見える。  それは『彼を無事に元の世界へ帰すため』という責任とも違うように感じるのである。その理由については物語を読んでいくと明確になっていく。 【物語の魅力】  この物語は総合するとコミカルに描かれてはいるとは思う。しかし物語の【核】と感じる部分は非常に重く、心に訴えかけるものがある。  ヒロインは過去を乗り越えるために、主人公と巡礼の旅を始めるが目的はそれだけではなかった。この旅の中で二人は彼女の宿敵とも言える相手に再会もするし、主人公はこの世界の理を知ることにもなる。  異世界転移ものは異世界転生(元からその世界が存在する)や異世界召喚(存在する世界から呼ばれる)とは全く違うものだと感じている。  例えば召喚ものや転生ものであれば、その世界は初めから存在しているので、成り立ちなどを深く考えたりはしないと思う。召喚であれば、呼んだ人がいるから自分はそこへ移動したと考えられる。  しかし転移の場合『どうやってそこへ行ったのか?』とても気になる部分だと思うのである。  この理由については作中で明かされており、それを知ることにより主人公は自分がどうしたいのかはっきりと決めることが出来たのだと思われる。    他にも魅力の一つとして戦闘シーンがあげられると思う。  最初の戦闘シーンではかなりコミカルに描かれているが、宿敵と戦う場合などは笑ってはいられない本気勝負。  戦闘シーンでのコミカルとシリアスの変化は緊迫感も表現しており、シリアスになればなるほど生死に関わるほどこちらが押されているとも受け取れる。  余裕の相手と全力で向き合わなければならない相手とでは全く構成も表現も変わってくるということである。  この表現(場面を作る力)の幅の広さこそがこの作品の最大の魅力ではないだろうか?  この物語は二人が結ばれて終わりではない。(恋人になって終わるという意)いろんな問題にぶつかり、それをどうやって乗り越え、成長していくのか。この物語の結末をあなたもぜひその目で確かめてみてくだいね。  お奨めです。 (備考:第78話まで読了でのレビューです)

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crazy's7

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