失忘者＿NEO〜女性トップストリーマーの失踪が、クズニートにスポットライトを浴びせる〜【SF版バ美肉】

田辺浩一は人生逆転を狙ったVRシューティングサバイバルゲームで敗退し、ネカフェの個室で大泣きしていた。 大人が発する泣き声は、騒音以外のなにものでも無く、隣人に怒鳴られスタッフに注意されやっと泣き止んだ。 その時彼は一通のメールが届いていることに気がつく。 『拝啓田辺浩一様、緊急でお話ししたいことがあるので、1週間以内にstream社本部までお越しください』 浩一はstreamというゲーミングチームに所属している、ストリーマーよりのゲーマーの端くれだ。 ストリーマーと言っても最後に配信したのは4年前で、ゲームの大会でも目立った成績のない彼はstream社に半分寄生しているような状態だ。 しぶしぶ本部へ向かうと、そこで衝撃の事実を告げられる。 「トップストリーマーのNeoが失踪した」 元カノでかつては同じチームで活動していたNeoが何も言わずにstream社から居なくなったというのだ。 そのことについて何か知っていることはないかと問い詰められたが、本当に何も知らない彼はただ首を横に振るだけだった。 元カノが失踪したというのは彼に少なくないショックを与えた。 自分が役に立たないことを察して帰ろうとすると、stream社からある提案をされた。 「Neoが戻ってくるまでの間、あなたがNeoとして活動して欲しい」 これはかつて配信者として挫折した男が再びスポットライトを浴びるお話し。 stream社の親会社であるDeedlカンパニーの技術によって、体も顔も声もNeoに変身することが可能になった田辺浩一が、昔は胸にあった熱い情熱を取り戻し、プロとしての誇りを取り戻していく。 彼はゲームをプレイする楽しさも少しずつ見出していく。 運営の意図しない方法で敵に打ち勝つ面白さ、初心者をボコボコにする気持ちよさ、上手い人のプレイを完コピする万能感を、そして魅せプで勝利する男のロマンを！ ゲームをプレイすることで、彼は徐々に笑顔を見せる。 「やっぱりこれだからゲームはやめられねぇぜ」 しかしある日突然Neoが戻ってきて、この異常な日常が崩れ去るかもしれないということを、彼は予想しようとしなかった。