神様の新年会
最終更新:2015/2/1
作品紹介
式年遷宮なった伊勢に世界中から神々が集まってきた。 今日は新年懇親会、つまり、神々の新年会なのだ。 ホスト国はもちろん日本、ホストは八百万の神々を統べる天照皇大神、愛称『天照ちゃん』 日本に根強い人気のある釈迦は、インド国籍ということを考慮して手伝いに徹していた。 会場入り口で来場者に愛想をふりまいていた釈迦は、キリストの突飛な発言に戸惑っていた。 相手の気持を一顧だにしないキリストに辟易した釈迦は、折りよく来場したゼウスら、ギリシャの一行を接待するふりをしてキリストから離れた。 一方のキリスト。絶対的な信者数を背景にやりたい放題をしてきた癖がおさまらない。 悪意はないのだが、無意識に場を取り仕切ろうとしてヒンシュクをかっていた。 岩戸伝説を模した演出で始まった宴だが神々の嗜好はまちまちで、キリストの両隣は酒を飲まない者たち。 処刑の前日まで酒宴をしていたキリストは、忌々しそうに手酌でぶどう酒をがぶ飲みしていた。 誰も酌をしに来ないこともキリストの自尊心を大いに傷つけ、弟分であるアラーにからみ始めた。 あまりに声が大きいことを注意した釈迦の顔をつるりとなでてしまった。つごう三度も。 怒った釈迦とキリストのバトルは、サタンと孫悟空の闘いにすりかわった。 サタンは実戦経験を重ねた孫悟空に歯がたたず、キリストから見捨てられる。 それとは別に、キリストの信者が各地でやっていろ迷惑行為の責任をとらざるをえなくなったキリストは、孫悟空の弟分になってしまう。 民衆の祈りを糧に存在する神々の饗宴を垣間見るお話です。
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