ヤマボウシの見える庭
最終更新:2017/2/7
作品紹介
単身赴任から戻った家庭には、自分の居場所が見つからない。 6年前に新築したマイホームも、単身赴任と海外赴任のため一年も住んではいない。 まるで勝手がわからない。 我が家での初日、妻も娘も買い物に出かけていった。 一人っきりの休日を好き勝手に過ごしたいという願いは、もろくも壊れてしまうのか、と思った時、 庭のヤマボウシが青春を思い出させてくれた。 高校生の時、福祉施設でボランティアをしていた時の思い出がよみがえった。 そこで出会った彰子という少女が喜んでくれた「お好み焼き」を作ることを思いついた。 買い物に行き、いろんな想いがよみがえる。 自分で作るお好み焼きとビールがおいしかった。 ヤマボウシの切ない思い出が、頭をよぎる。 2枚目のお好み焼に挑戦しようとした時、 妻と娘が帰ってきた。 「なに、この煙」 サッシを勢いよく開け放つ妻の前では蛇に睨まれた蛙になってしまう。 それでもちょっぴり、いい時を過ごせた気がする。
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