SoleiU Project

　西暦2343年、人類は量子世界への門を開いた。人類の最盛期が到来し、時間の概念すら超越した人類はその時だけは神に近づいたと言えた。 　その量子世界の一つ「SoleiU Project」はゲーム的な要素を盛り込んだファンタジー世界である。多くのプレイヤーが思い思いのアバターで現実を超えた量子世界を堪能していた。だがある時、突如として起こった「大切断」と後に呼ばれる現象によって量子世界と現実世界は隔てられ、すべての量子世界の住民は現実世界へ帰還することができなくなった。 　それは「SoleiU Project」もまた例外ではなかった。多くのプレイヤーが絶望し、悲観し、己の不幸を呪った。そして「大切断」より160年以上経ち、多くのプレイヤー国家が「SoleiU Project」世界に乱立し、世界はいっそうの混迷を極めた。その一つ、北の凍土に国土を置くヤシュニナ氏令国にて新たな時代の到来と変革を告げる息吹が流れ始める。