野良犬令嬢と美貌の皇帝~「皇妃に選ぶ」ですって?あなたに飼いならされるなんて、冗談じゃないわ~
最終更新:2022/9/25
作品紹介
「ミク。おれは、皇妃としておまえを選ぶ。だが、それはあくまでも表向きだ。残りの候補者たちは、親や後ろ盾の存在が問題だからな。まぁ契約結婚というか、逆政略結婚ってかんじかな?そんなふうに思ってくれていい。もっとも、いつ契約期間が終わるかはわからないが。というわけで、おれたちの間に愛など存在しない。おれがおまえを愛することはないから、おまえもおれを愛さなくていい」 その日、わたしことミク・バルリングは、飼い主であるエンデルス帝国の美貌の皇帝フリッツ・ローゼンハイムにそんなふうに宣言された。 ちょっ……。とっさに言葉が出なかった。だって、そうでしょう?わたしなんて、奴隷のように売られるところを彼に買われた敗戦国の王女なのよ?しかも、「野良犬」と呼ばれ蔑まれ嫌われているわたしが、他の皇妃候補のご令嬢たちをさしおいて皇妃に? 冗談じゃないわ。これ以上、注目されたくない。あらゆる負の感情の洗礼を受けたくない。 それに、わたしだってこんなおたんこなすを愛するなんてことぜったいにない。って以前に、こいつのこと大っ嫌いよ。 このおたんこなす、頭おかしいんじゃない? わたしは、一刻もはやくこんな腐った皇宮をおさらばし、田舎で静かに暮らすのよ。 なのに、なんなの?フリッツのおたんこなす。わたしにイヤな役目をおしつけるだけでなく、絡みまくってきて。 ははん。どうせ何かよからぬことをたくらんでいるのね。 いいわ。大っ嫌いなあなたとはぜったいに夫婦にならない。 あなたから逃げてやる。 ってわたし、もしかして命を狙われているの?フリッツのせいで? あのおたんこなす、ぜったいにぶっ飛ばしてやる。 ※全三十二話。ハッピーエンド確約です。ゆるゆる設定、ご容赦ください。
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