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作:帆多 丁

化け猫まつり

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未評価

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最終更新:2020/7/2

作品紹介

翡翠の海に囲まれた島で、少年は腐れ牛の怪を喰う化け猫娘に出会った。 中途半端に人間臭い娘に、人なのか、モノの怪なのかと問えば「どっちがいい?」と聞いてくる。 そんな娘と友だちになれたと思ったのも束の間、厄災の龍「天舌」が近づきつつあった。 モノの怪の王たる龍を退けるため、少年が化け猫娘に支払った対価とは。 台風の夜に百年前を振り返る、長命どうしの思い出話。 (第二回こむら川小説大賞参加作品。テーマ『擬態』) (化け猫シリーズ第2作) (2020.08.15. 講評を受けて最終話修正) -------------------------------------------------------- 第一作: 化け猫ユエ https://kakuyomu.jp/works/1177354054896395656 第三作: 化け猫おちる https://kakuyomu.jp/works/1177354055451648831 第四作: 化け猫をまつ https://kakuyomu.jp/works/16816700426252918144 第五作: 化け猫ほうむる https://kakuyomu.jp/works/16816927860682417668 スピンオフ: エーラ、パコヘータ https://kakuyomu.jp/works/16817330653878618340 執筆振り返り、および解説 https://kakuyomu.jp/works/1177354054893791887/episodes/1177354054908451427 イラスト描いていただきました。ありがとうございました! https://kakuyomu.jp/users/T_Jota/news/1177354054909023988

ファンタジー亜熱帯怪奇譚頭が猫ボーイミーツお姉さんモノの怪腐、腸、蠅、蛆あり

評価・レビュー

歴史から風土から因習から言葉から、くっきり立ち上がってくる世界の像

 島で暮らす少年が、不思議な猫の化物に出会い、命を救われたりするお話。  ファンタジーです。どう見ても、何度読んでも、まごうことなき立派な異世界ファンタジーそのものなのに、まるで歴史ものでも読んでいるかのような気分にさせられるのは何故? 読み終えて「はー世の中にはこんなこともあるのか大変ねー」となって、その五分後くらいにやっと「いやファンタジーだったこれ」となる、そのどこまでも柔らかく自然な筆致の妙。  とてつもないです。もはや「読んでいる」のではなく、情景の方から勝手に脳の中に生えてくるかのようなこの読書感覚。書かれているもののすべてが瑞々しく生々しい、この一分の隙なく組み上げられた見事な世界観は、まさにこの作者さんならではのものだと思います。  物語そのものは王道も王道、少年が不思議な少女に出会い、共に苦難を乗り越えるといったお話の筋。つまりは成長と冒険の物語で、またキャラクター造形も魅力に溢れ、もうこれ以上ないくらいにファンタジーしているのは間違いないのに、でもこうしてレビューにしてしまうと実際に読んだ手触りとはだいぶ印象が変わってしまう、というこの不思議。端的な説明では絶対に伝わらない、細部に宿る神の力を見せつけられたような気分です。  最高でした。冒頭わずか数行を読んだ時点で、圧倒的な解像度で世界が立ち上がってくる、大きくて気持ちの良いファンタジーでした。

5.0

和田島イサキ