地球最後の日に
最終更新:2020/10/10
作品紹介
「みなさん、今日は実は地球最後の日なのです」 朝のニュースで宇宙の映像が出された。そこにはものすごい勢いで地球に向かっている、地球に負けないくらいの大きさの星が映っていた。 「いまから二十四時間後にこれが地球に激突します。絶対に避けられないそうです。混乱を避けるために協議がなされて一般への情報公開はこの時間まで行われないことに決まっていました。これはフェイクニュースではありません。二十四時間後に地球は滅びます。繰り返し申し上げます。これはフェイクニュースではありません。二十四時間後に地球は滅びます」 テレビでは激突した星が地球をどんな風に砕いてばらばらにするかを事細かに解説している。 妻と息子が抱き合って泣いていた。 僕はスーツに着替えて、玄関を出ようとした。 「あなた、どうして出ていこうとしているの。一緒にいてよ」 僕は笑って言った。 「おまえも義人もうんざりなんだ。僕が会社に出たあとおまえが誰と過ごしているのか知らないと思ってたのか。義人、僕の子じゃないだろ」 殺されないだけよかったと思えよ、と言って僕はカバンを手にして革靴を履いて外に出た。
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