ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

作:はやくもよいち

アルカへ

星4つ

0%(0)

星3つ

0%(0)

星2つ

0%(0)

星1つ

0%(0)

未評価

0%(0)

最終更新:2021/12/22

作品紹介

 西暦2*21年12月22日、主人公はひとり、空を見上げた。  未来の地球の物語。環境問題は深刻化し、ついに臨界点を超えてしまった。工業や農林水産業などの生産活動を「人類が生存するための最低ライン」に抑えてさえ、地球環境の悪化に歯止めがかからない状況に至ってしまったのだ。  地球の浄化が終了するまでの間、スペースコロニーや他の惑星に移住していられるほど、人類の科学技術は進歩していない。議論と熟考を重ねてたどり着いた唯一無二の解決策。それは地上から汚染物質と汚染源を一掃し、地球全体をリセットする、「地球浄化計画」であった。  世紀をまたいで準備された実行計画が発動し、1週間ほど経過したところから、物語は始まる。 しのき美緒さん企画「2021アドベントカレンダー」参加作品です。 詳細はこちら : https://estar.jp/novels/25879925 参加者の力作が揃っています。Check it out !! クリスマスまで3日、残るはあとふたりです。(敬称略) 12月23日 ファンシーコウ https://estar.jp/users/150709357 12月24日 仁科佐和子   https://estar.jp/users/521370247 よろしくお願いします。 ※表紙絵は、まかろんKさんがフォロワー限定で配布したアイコン画像を、ご厚意によりフリーイラストとして使用させていただいております。

SF聖書

評価・レビュー

無償の愛、魂の成長の記録

地球は汚染されつくし、人類は大きな賭けのような無謀な作戦を断行した。 雨が降り続き刻々と姿を変える大地、荒れた灰色の海。風にもまれる白い鳩。 海に飲み込まれてゆくあらゆるもの。壮大な情景描写から作品は始まる。 そこでカンサクとコウタ、ふたりのエゴが衝突する。 愛するコウタを救うために、カンサクはコウタの恋人クリスを拉致する。 恋人の命とコウタ自身の命の保全という餌をちらつかせて愛してくれとカンサクはコウタに迫る。命と死を秤にかければ命を選ぶだろう、というカンサクの計略は失敗する。 カンサクの計略はもちろん利己的だが、コウタの「人が死んでいくのをみて自分だけが生き延びることはできない」も実はヒロイズムによる行動である。コウタには何の戦略も生きる手立てもない。ただアルカという略奪した船に積まれた食料だけが頼みなのだ。 コウタが恋人とふたりで船出をしたあと、人や動物を救うことはできない。反対に人間を含む動植物の胚を持ち出して、新たに創造主としての仕事を始めることが暗示されている。 カンサクは旅立っていったふたりに最後の贈り物をする。 そしてカンサクの最後は書かれていない。 もしかしたらイルカになる道を選んだかもしれないが、そうではないように思う。 愛に殉じたカンサクがひとり甲板に立ち、鳩を見送る姿が心に迫る。

5.0

しのき美緒@BEKKO BOOKS