ほぼこもり転生魔族は平和に暮らしたい。～魔王認定されたのが解せない～

　ヒルフェール・ケセドことヒルフェは、異世界へ魔族として転生した、元日本人である。 　「異世界でチート無双」を夢見たヒルフェだったが、回復と鑑定解析のチカラくらいでロクに戦闘向けのスキルのなかったことが分かると、目覚めた近くにあった塔と近くの村だけで生活することにした。 　 　しかし、転生して５００年経った頃、いつも通り塔の中で本を読んでいると、塔へ訪問者が訪れた。 　「村の人かなー」くらいのノリで応対すると、そこには国の宮廷魔術師を名乗る男と兵士がいた。 　どういうことだとヒルフェが戸惑う間もなく、訪問者達は深刻な表情で言う。 「”方解の魔王”ヒルフェール様。どうか、我々に力をお貸し頂きたいのです！」 「……はへ？」 　身に全く覚えがないのに『魔王』認定されたヒルフェの、とにかく巻き込まれ（たまに首突っ込み）大騒動が（不本意ながらも）始まる！