どこにも行けない
最終更新:2018/2/9
作品紹介
父はいつも仕事で家にいなかった。外国人の母は日本語を覚えようとはせず、いつまでたっても日常的な会話すらしたことがない。自分と同じ浅黒い色の肌をした母親は、遠い海の向こうの祖国ばかりを想っている。 それでも少年は、幸せだった。家を出たら、光に満ちた世界が迎えてくれた。 その日が訪れるまでは。 いつまでも続くと想っていた明るい日々は、呆気なく暗黒に包まれた。少年を拒む夜が世界に訪れた。 2017年織田作之助青春賞において最終候補作に残った原稿を掲載しています。
評価・レビュー
まだレビューはありません。