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作:高石童話本舗

神祇 ─じんぎ─

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最終更新:2022/2/28

作品紹介

人の世の中終わる日の、終わる刹那の物語。 涙、なみだの物語。 ─私たちの町は、都会に比べると静かな町。 田舎に比べると賑(にぎ)やかな町。 いまや人を寄せつける名所もなく、日がな長閑(のどか)な町並みが、世情の足並みを恃(たの)んでいる。 寂れた砂浜・堤防の名残。 夢から覚めた歓楽街の跡。 とっくに廃業した旅館へ向かう順路を、誰にともなく伝え続ける古びた看板。 それら、栄衰の残香が、決して褪(あ)せることのない姫松の青色と共に、市内の方々(ほうぼう)に散見されるのみだった。 そんな我が町にも、美点はまだまだ漫(すず)ろ。 町のあちこちを、清らかに彩る松の樹木。 そこに秘められた、羽衣天女の伝説を筆頭に、夜な夜な魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)して、奇々怪々な出来事が起こる。 これらに挑むのは、神の子であるにも関わらず、あらぬ因果を負った鬼娘。 彼女が演じる迫真の鬼ごっこは、いつだって痛快なものだった。 これは、かならず笑顔に結する物語。 いかなる禍(わざわい)も、かならず福に転じる物語。

日常ほのぼの伝奇バトル巫女

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