幼馴染の妹。保育園の頃から一緒で、昔は家も近くて、今でも一番の親友みたいな関係。でも恋人にはなれない。
最終更新:2021/12/30
作品紹介
俺には保育園から一緒の姉妹がいた。日辻寧々(ひつじ ねね)と日辻芽衣(ひつじ めい)。面倒見が良く、穏やかでふわふわと女の子らしい雰囲気の姉の寧々と、負けん気が強くて男勝りな妹の芽衣。およそ正反対な二人だったけれど、姉の寧々と遊んでいるうちにいつの間にか妹の芽衣も混ざって三人で遊ぶようになった。 小学四年頃には寧々はすでにもう美人と呼ばれる様な雰囲気を醸し出していて、上級生男子たちの噂の的にもなる。小学校中学年にもなれば男女で遊んでいるととやかく冷やかされたりもするようになる。それでも寧々は、『妹が懐いているから』と芽衣を口実にして俺たち三人は変わらずに遊んだ。 寧々に好意を寄せる男子はたくさんいて、きっと彼女からすれば選び放題だったにも関わらず、寧々はなぜか俺に好意を持っていて、俺も多分寧々の事が好きだった。子供の頃から一緒にいすぎて、その時はそれがそうとは分からなかけれど。 『ずっと一緒にいようね』 妹の目を盗んでは、寧々は照れ臭そうに小指を差し出した。 そして子供の頃の将来の約束のほとんどがそうであるように、その約束も果たされることは無かった。 時は流れて高校二年。わざわざ遠くの高校に通ったにもかかわらず、日辻芽衣が同じ学校に入学してくる。 忘れられない初恋を、忘れないでと彼女は願う。 三人を結ぶ、もつれて捻じれて絡まった赤い糸の行方は――。 ※シリアス展開あり。
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