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短編集、鉛の頁を繰るように

5.0
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 色々な物語が詰まった短編集作品です。


 文字数は少ない物語ですが、ページ数が少なそうだと思って手に取った本が、ズシリと見た目より重かった、みたいな感じです。作品から感じる色も、鉛の色を感じるかもしれません。ダークファンタジー路線と言いますか、全体的に硬質で冷たい。そしてこの予想外の重さという事で、この短編集はページが鉛で出来ている、と表現したいと思います。


 何処か刹那的な哀しさがあり、寂しげな空気。そんな雰囲気の中に、血の通った人間の姿もあり、行間を思わず読まさせられるという部分もあって、短編でありながら、心に残る物語ばかり。

 登場人物も印象に残ります。


 タイトルのライブラ(天秤)は”短録.リブラリア”の中に出て来る図書館の名前でもあります。完結はなく、これからも物語は紡がれ、この図書館の蔵書は増えていくでしょう。

 そう考えてしまうと、この”短録.リブラリア”のラストが怖いものに感じる等、読者が少し想像力を持つと、物語が一気に長編のふり幅を持つという。


 ぜひお読みください。

MACK

登録:2021/7/26 06:05

更新:2021/7/26 06:05

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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