成長にはいつだって痛みが伴う
1年遅れでの青春を謳歌するつもりだったが、
追っていた事件は逃がしてくれない。
賢い主人公・冬馬白雪が小さな事件に首を突っ込むほど、
ひと回り大きな事件が舞い込んできます。
整ったレベルデザインは読み心地の根拠になります。
とても長いので尻込みしそうですが、
だからこそ深く入れ込んでしまう。
最後の決着をつけるシーンは、
それまでに溜めていたすべてが繋がって情緒の大爆発まちがいなし。
強い黒幕は往々にして周囲を傷だらけにするものですが、
作品外にいるはずの私もその1人です。
たぶん死ぬまで引きずるくらいに強い。
泣きながら唸りました。
成長期に味わったような、心地よい苦しみです。