甘酸っぱくてちょっと切ない物語が、爽やかさが漂う文面で綴られ、夏の空と、風を感じるような、青春という言葉に相応しい雰囲気が文体から醸し出され、詩のようでもあります。
写真をきっかけに距離が縮まる二人。そして写真をきっかけに……。
読んでる自分もカメラが趣味なので、空の変化の、その一瞬を見逃したくなくて、と言う気持ちもわかってしまうので、どちらの味方もできないというもどかしさもまた、青春の1ページらしいというか。
雰囲気の良い作品でした。最後が切なくて、読後感が後を引く感じです。
青春の思い出は思い出のままで、苦い経験や淡い後悔を幻影のように微かに残すのがお好みなら本編のみ、どんな結果であっても、過去のすべてに決着と結論を付けたい人は番外編も読む感じが良いと思います。
登録:2021/8/6 15:41
更新:2021/8/6 15:41