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@オノログ

この物語、アップルパイ。

5.0
1

 リンゴの果実の花言葉(実に花言葉というもの不思議だけど)には「誘惑」と「後悔」があるという。


 主人公テリは、二股三股も余裕そうなクズ男と付き合っていたけど、好きだけどもこれ以上搾取されてなるものかと、別れを予感するその日に渾身のアップルパイを焼く。隠し味はなんと下剤だ。


 しかし受け取り自体を拒否されるという形で、計画は失敗してしまい。


 美味しそうなアップルパイの誘惑に負けたのか、はたまた別の理由があったのか、偶然居合わせた謎の男が、そのアップルパイを食べて……後悔する。


 という導入から始まるこの物語。



 膝上に落ちたパイの欠片のようなクズ男を払いのけて捨てる、サバサバとした主人公の性格に親しみが沸きます。サクサクと読み進められる軽快な文面と、シナモンのように香るミステリー、そして読後に残る甘酸っぱさ。


 おお、この作品そのものがアップルパイみたいだ!


 紅茶を一杯を飲み切る時間で、美味しくいただける物語です。

 おやつの時間に軽く読書したい、そんな時に特におすすめ!

MACK

登録:2021/8/29 08:47

更新:2021/8/29 08:50

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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