ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

地獄はいったい何処にあるのか? 鬼の居る場所がそうならば

5.0
1

 昔話風の文体で、琵琶の音にのせられて最初から最後まで歌いあげられるような筆致で描かれる、旅の僧の語りが印象的な短編。これが長編の一話目であってほしいと思うぐらい、更なる続きを読みたくなる作品です。


 和やかな昔話のようであり、これから何が起こるのかわからない深淵を覗き込むような。そこはかとない不気味さと、美しさが交差します。


 鬼が出るという山に向けて足を踏み入れようとするは、変わった出で立ちの僧が一人。室町の戦乱の世の中で、旅の僧の存在は珍しい事ではないけれど、一人の男が声をかけてきて……。という導入からはじまります。


 男に向けて語られる話と、その物語の主人公たる子供の事、そして鬼という存在について。


 ああ、これは!と思わせる見事な構成と話のオチ、残酷だけどどこか物悲しくて妖艶な雰囲気もあったり。和の雰囲気溢れる物語がお好きな方、必見です。

MACK

登録:2021/9/22 22:02

更新:2021/9/22 22:02

こちらはMACKさんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

同じレビュアーの他レビュー!!

奴隷屋の日常

善や悪というカテゴリを持たない主人公の物語

 作品タイトルからわかる通り、主人公は奴隷屋。奴隷を売買するという商売をしている青年シリウス。その相棒ともいえるライファットと共に過ごす日常や、過去の出来事のエピソードが綴られた物語です。  奴隷の売買をする奴なんて、ろくでもないのではと思いきや、彼は善人でも悪人でもないです。  奴隷の生活環境を良くしてこそ商品としての価値は高まり、客ともwinwinという理念で、奴隷を商品として丁寧に扱うし、銃や剣に名前を付けて大切にする。物と人に対するベクトルが同じなのかな?という部分も。  「身内」と呼べる相手以外に対しては、物であっても人であっても、大事にすべきものは大事にするし、いらなくなったら捨てるというクールでドライとも言える部分もあり、こういう性格の主人公であることが、とにかく他に類を見ない気がします。  だからといってどっちつかずという訳でもなく、中庸というわけでもない。掴みどころがあるような、ないような。でも裏表がない、なんとも気持ちの良いキャラクターといった感じで。このシリウスという男を知るためだけでも、読む価値あり。  ライファットとのバディ感あるやり取りも小気味よいです。  日常といっても、事件が皆無なわけではなく、ほんわかするものから手に汗握るような色々なエピソードがあり、その物語ごとにキャラと世界観が深まっていき、気付けば最新話を心待ちにしてしまうという作品です。

5.0
1
MACK