主人公は人類最後の生き残り。と言っても生存競争に負けたわけではありません。むしろその逆です。
技術の粋を極め、不老不死となり宇宙の他文明を圧倒してしまう頂点を極めたのです。しかしだからこそ、人類は飽きてしまい、自殺によってその数を減らしていきました。
ただひとり残った主人公は、小さな虫の営みをみて初めて感動し、生き物を観察することの楽しさを知りました。
そして始まる新たな人類の進化を、ずっと見守る主人公。本当にずっとです。ドローンをとばし世界中を監視し、何もかもわかっていてもけして自分から干渉することはありません。ただ傍観しています。
人外の力を持ち不干渉をうたう傍観系をそれほど多く読んできたわけではないですが、この作品ほど不干渉を貫いているのは読んだことがありません。何せ自分のいる島から一切出ないのですから。
新人類の進化、文化、そして主人公を発見していく下りなんかはわくわくがとまりません。そして、その新人類すら、また衰退していく。
人類の始まりから終わりまでがかかれている素晴らしいまさに神作品です。
傍観系が好きな人にはおすすめです。
登録:2021/9/27 17:58
更新:2021/9/27 17:57