処刑された悪役令嬢の霊に取りつかれたヒロインが令嬢の復讐に手を貸さざるを得ない状況になり、色々な騒動に巻き込まれながら、令嬢の処刑に纏わる真実を解き明かしていく物語。
物語のテンポがよいので途中でダレることもなく、キャラの掛け合いも楽しく、ぐいぐいと引き込まれたまま一気に読み終えることができた。
悪役令嬢モノの断罪はざまぁがお約束で自業自得の結果でしかないものが多いが、この作品は『断罪』に重要な意味が込められていて、「そういうことなの?!」となってから「そこに繋がるのか!」という流れが素晴らしいと思った。
各キャラの造形もよく、ヒロインも令嬢の霊もヒーローも、皆それぞれ振り回し振り回され、足りない部分を補いあって進んでいくのがとても好ましかった。
恋愛ジャンルではあるが、ヒロインとヒーローの恋愛模様はかなりじれじれで糖度は低め。ただ、鈍い&奥手な二人が少しずつ距離をつめていくさまにニマニマできて楽しい。両想いになってからヒーローが無自覚スキンシップ過多になるので、その辺りを追加で読んでみたい気がする。
登録:2022/2/13 16:15
更新:2022/4/29 17:48